少し前になりますが、2016年(平成28年)4月の話。
毎年の恒例、大文字山の山中に咲く大きな大きなヤマザクラ(山桜)でお花見を。
できれば晴れた青空の日に撮影したいと機会を窺っているうちに、すっかり散りが進んでいましたが、今年も名残の桜を楽しむことができました。
京都東山・大文字山の大きなヤマザクラ(山桜)。
私が知るかぎり、大文字山で最も大きな桜ですが、大文字山に限定せず、近隣の山全域を合わせても屈指の大きさを誇るヤマザクラではないかと見ています。
上の写真はやや離れた場所から望遠レンズで撮影していますが、近くで見上げてみると……。
1本の桜の樹が咲かせたお花が青い空を覆っています。
大きさが分かりにくい写真ですが、周辺の育ったスギ(杉)より背が高いことが伝わるでしょうか。
京都北山ではタムシバ(田虫葉)が優勢で、コブシはきわめて稀な印象を受けますが、大文字山の谷間に限ってはコブシをちらほら見掛けます。
タムシバと異なり、コブシは花の基部の付け根に1枚の葉を付けるため、それを知っていれば見分けが付きます。
また、コブシはタムシバと同様、葉より先に花が出るとされますが、私が観察するかぎり、山中に限れば花と葉が同時に展開するようです。
この日の山頂(三角点)からは生駒山まで明瞭に見えていましたが、それより遠くは霞んでおり、あべのハルカスや金剛山も曖昧な見え方に過ぎません。
私が勝手に申し上げているだけですが、「生駒山の壁」、「遠望40kmの壁」です。
昔はよく話の種としていましたが、(おそらく)当ウェブサイトでは触れていないであろう小ネタを。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
音羽山 | 6.1km | 593.1m | 京都府京都市山科区 (滋賀県大津市) | |
千頭岳 | 8.3km | 600m | 京都府京都市伏見区 滋賀県大津市 | |
西千頭岳 (千頭岳三角点峰) | 8.0km | 601.8m | 京都府京都市伏見区 | 醍醐山地最高峰 |
空鉢峰 (空鉢ノ峰) (鷲峰山) | 22.8km | 682m | 京都府相楽郡和束町 |
大文字山の山頂から音羽山など醍醐山地の山並みをよく眺めると、千頭岳の向こうにうっすらと遠くの山(のごく一部)が見えていることに気付きます。
これは、いわゆる鷲峰山の山頂域で、鷲峰山系の山々でも、ピンポイントに空鉢峰(空鉢ノ峰)のみ見えています。
大した距離ではないため、少し条件の良い日であれば見通せるでしょう。
また、逆もしかりで、空鉢峰の山頂からピンポイントに大文字山の山頂を見通せますが、鷲峰山の他の展望地からは大文字山が見えません。
上の写真の手前に見えているヤマザクラは、先ほどの大きなヤマザクラとは異なる樹ですが、山頂からよく目立ちます。
大文字山のミツバツツジ(三葉躑躅)が満開に。
白色のコブシのお花、紫色のミツバツツジのお花、いずれも今が見頃です。
「大」の字の火床の上(奥)に多いミツバツツジ。
あと少し待てば沈む夕日も拝めそうでしたが、今ひとつ気乗りしなかったため、この日は早めに下山しました。
以上、2016年4月の話。
2013年のヤマザクラは上の記事に。
2014年のヤマザクラは上の記事に。
大文字山の奥深くに「櫻谷」(桜谷)なる地名があるという話は上の記事に。
大文字山(地理院 標準地図)
「大文字山(ダイモンジヤマ)(だいもんじやま)」標高465.3m(三等三角点「鹿ケ谷」)
京都府京都市左京区(山体は山科区に跨る)
最近のコメント