今年(2016年)の雨宝院さんの観音桜、歓喜桜は4月4日に開花を確認し、8日には五分~七分咲き程度で遠目には見頃となっていました。
10日には八分咲き以上で満開と言える状態でしたが、昨日(11日)は京都でも強い風が吹き荒れ、ただでさえも脆い観音桜や歓喜桜は花吹雪に。
明けて今日(12日)は前日と打って変わって穏やかなお天気で、青空と相まう満開の桜を楽しめる日となりました。
以下は2016年4月10日から12日にかけて雨宝院さんで撮影した写真を掲載していますが、いずれも早朝に撮影しています。
昔は桜の時期でも閑散としたお寺さんでしたが、風情ある光景が広く知られるようになり、この時期、日中は酷く混雑するように。
雨宝院 4月12日 観音桜など
雨宝院さんの観音桜。「春の嵐」の後、満開で見頃が続く。
境内は桜の花びらが散っていましたが、けっして盛りを過ぎたわけではなく、前日の強風に煽られたものです。
観音桜や歓喜桜は半八重咲き~一重咲き(単弁)のサクラで、他の品種と比べても風や雨に弱く、とくに儚い印象を受けます。
明日以降の天気予報を見るかぎり、今日が見頃のピークだったと言えるでしょう。
歓喜桜は奥に見える白い桜で、手前の紅色は半開状態にあるショウゲツ(松月)です。
ショウゲツは色変わりする八重桜で、蕾~半開の時期はとくに紅色が濃く鮮やかですが、大きく花開くと白色が強くなり、やがて色あせていきます。
「緑の桜」として知られるギョイコウ(御衣黄)ともども、まだ開花直後です。
ホウチャクソウが植えられている場所に、昔はプロペラ状のお花を咲かせる植物が植えられていたように記憶していますが、名前を忘れてしまいました(→チョウジソウでした)。
境内には他にもクサボケ(草木瓜)などが咲いています。
雨宝院さんは先代の奥様のおかげで境内にお花が多く、それに惹かれて頻繁に参詣するようになりました。
その当時と今では見られるお花が異なりますが、今も昔も「花の寺」であることには変わりません。
雨宝院 4月11日 シャクナゲ(石楠花)など
赤く小さなキリシマツツジ(霧島躑躅)も開花直後。全体としては蕾。
先の記事でも何度か申し上げていますが、今春の雨宝院さんの八重紅枝垂はお花の付きがよくありません。
いらっしゃったタクシーの運転手さんは、「枝垂桜はこれから(咲く)」とお客さん相手におっしゃっていましたが、毎日のように眺めている私にはそうは思えません。
4月8日の時点では未開花でしたが、10日の早朝の時点でちらほら咲いており、11日には上の写真に写る房は全開していました。
今年はシャクナゲの開花が少し早いように感じますが、他所がどうであるかまでは判断できかねます。
雨宝院 4月10日 ボタン(牡丹)など
10日の早朝は朝露に濡れていましたが、11日と12日は濡れておらず、風や気温の影響もあり、夜間の湿度が低かったようです。
上の写真に写る植物は間違いなくボタンですが、立ち姿が艶やかなためか、シャクヤク(芍薬)と勘違いなさる方も少なからずいらっしゃるようです。
10日の時点で少し蕾を残していたものの、全体としては八分咲き以上で満開と言える状態でした。
その後、11日の強風でお花を少し散らしましたが、12日現在、見頃が続いています。
観音桜や歓喜桜は散り際も美しく、満開の時期だけではなく、境内に花びらの絨毯が敷き詰められる時期も多くの方々が見物にいらっしゃいます。
昔と異なり、近年は三脚を立てた写真撮影が禁止されています。
追記。
4月13~14日の雨で観音桜、歓喜桜は散りが進み、15日にはおおむね終わってしまいました。
今年はピーク過ぎに雨が降ったため、とくに花期が短い年となってしまい、お寺さんの方もそのことを惜しんでいらっしゃいましたが、「雨宝院」というお名前からして、それは仕方のないことでしょうね。
15日の時点でショウゲツ、ギョイコウが全体的に見頃です。
17日の雨後、境内では強い風が吹き荒れており、名残の桜吹雪が楽しめます。
ギョイコウは基部(中心部)の赤い筋が目立つようになりました。
こちらは雨や風の影響は少なそうです。
花吹雪の話は上の記事で。
25日の時点でギョイコウは散りが進んでいますが、まだまだお花を残しています。
八重桜は単弁の桜と比較すると花期が長く、緑色から紅色が濃くなり、落花する様は美しく。
雨宝院(OpenStreetMap日本)
「雨宝院(西陣聖天宮)」京都府京都市上京区聖天町 付近
最寄りのバス停留所は「今出川浄福寺」から北に0.3km。徒歩4分~。
あるいは「千本上立売」から東に0.4km。徒歩5分~。
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