冠雪した京都北山を大文字山から望む 山上ヶ峰と北松尾山

昨日、2015年(平成27年)12月18日の話。
その前日の17日から急に冷え込み、ようやく冬らしいお天気となった京都。
朝のうちは比叡山に雲がかかって見えましたが、雲間に覗く四明岳の頂は白く、どうやら比叡山も冠雪したようです。
夕暮れ時、大文字山を急ぎ登り、火床から京都北山や比叡山、愛宕山の様子を眺めてみることに。
時間が足りなかったため、「大」の字の火床で数枚の写真を撮影したのみで、山頂(三角点)までは登っていません。

大文字山 火床の展望 京都市左京区

比叡山と皆子山

うっすら雪を被る比叡山と雪積もる皆子山を大文字山から望む 2015年12月
うっすら雪を被る比叡山と雪積もる皆子山を大文字山から望む。北向き。
撮影地点から京都府最高峰の皆子山(京都市左京区、滋賀県大津市)まで20.1km。

朝のうちと比べると比叡山は雪が少なく感じ、すでに薄く残る程度に見えましたが、皆子山は夕暮れ時の薄暗い空であっても明確に分かるほど真っ白です。
皆子山の積雪状況から見て、比良の高峰も同様に新雪が積もっていると予想できます(が、大文字山の火床から比良山地の山々は見通せません)。

大文字山の火床から雪が深そうな比叡山(四明岳)を望む 2015年1月

冬の京都 大文字山 雪の火床から比叡山や皆子山、大阪を望む

2015.01.18

深く積雪した日に同じような構図で撮影した写真は上の記事に。

視点を左へ。

冠雪した京都北山

桟敷ヶ岳や雲取山など冠雪した京都北山の高峰を大文字山から望む 2015年12月
桟敷ヶ岳など冠雪した京都北山の山々を大文字山から望む。右手前に紅葉する瓜生山。

主な山距離標高山頂所在地備考
岩屋山16.6km680m京都府京都市北区標高の値は10mDEMによる
三角点は648.9m
天童山19.6km775m京都府京都市右京区
京都府京都市北区
飯盛山19.3km791m京都府京都市右京区
京都府京都市北区
桟敷ヶ岳17.1km895.7m京都府京都市北区
判官坂13.1km697m京都府京都市左京区
魚谷山14.9km816.0m京都府京都市北区
雲取山
(二ノ谷山)
17.6km911.0m京都府京都市右京区

義経ゆかりの判官坂から右(東)に連なる先、魚谷山の右手前には貴船山が見えています。
その貴船山と対峙するように、貴船の山間を挟んで鞍馬尾根の連なりも見えています。
貴船山の山肌を這うようにガス雲が立ちのぼっており、高峰さながら。
魚谷山と貴船山は直線距離で2.6kmしか離れていませんが、降雪の状況は随分と異なるようです。
桟敷ヶ岳や雲取山は遠目にも白く、この様子でしたら雪が積もっているでしょうね。

写真の中央付近に松ヶ崎の「妙法」。妙法を越えた右奥に岩倉盆地。
最近は岩倉や修学院、上高野、松ヶ崎あたりの古い地名や山名について学んでいます。
「妙法」あたりの山域を総称して「虎ノ背山」と呼ぶそうです。

視点を左へ。西向き。

愛宕山 煙る相国寺

雪の状況がよく分からない愛宕山や地蔵山を大文字山から望む 2015年12月
雪の状況がよく分からない愛宕山や地蔵山を大文字山から望む。手前に紅葉する吉田山。

主な山距離標高山頂所在地備考
剣尾山36.6km784m大阪府豊能郡能勢町
半国山32.2km774.2m京都府亀岡市丹波富士
山上ヶ峰
(北松尾山)
14.3km482.2m京都府京都市西京区
牛松山19.3km636m京都府亀岡市三角点は629.0m
丹波富士
愛宕山16.0km924m京都府京都市右京区
地蔵山17.5km947.3m京都府京都市右京区
竜ヶ岳16.7km921m京都府京都市右京区

すでに夕日が沈みかけており、愛宕山は太陽を背負って陰に入っているため、雪の状況が遠目には分かりません。
京都北山の高峰のような深い積もり方には見えず、比叡山と同等にも見えますが、実際に登ってみないとなんとも言えません。
丹波の半国山や北摂の剣尾山はともかく、半国山の右遠方の深山には雪が積もっているように見えます。

手前の京都盆地に目を向けると、京都御苑の右(北)、相国寺さんか同志社さんのあたりから煙がのぼっているような……。
山肌を這う山の煙とは異なりますが、火が起こっているわけではなさそうです。
大文字山の現地からではよく分からなかったですが、改めて写真で見てみると、どうやら煙の出所は相国寺さんのようですね。
お寺さんで何かなさっていたのでしょうか。

山上ヶ峰? 北松尾山? 三角点482.2m峰

上の写真にも写る、俗に「山上ヶ峰」や「北松尾山」と呼ばれる三角点482.2m峰(点名「上山田」)は、嵐山の周辺峰としては遠くからでも目立つピークでしょう。
今から10年ほど前は山頂(三角点)の付近に山名標のようなものはなく、そもそも、柵(ネット)で三角点に近寄ることすらできなかったことを覚えています。
その後、付近に「山上ヶ峰」の山名標が付き、さらに近年は「北松尾山」の山名標まで付けられました。
この三角点峰については、陸測による正式図の時代から「烏ヶ嶽(烏ヶ岳)」の山名が示されていましたが、現行の地理院地図では「烏ヶ岳」の呼称はその南東1.4kmの標高点398m峰に移されています。
個人的に調べてみたところ、ごく初期の「点の記」では、本点所在地の俗称を「カヤオ尾」としており、明治時代頃にはそのように呼ばれていた可能性があります。
その後、昭和の初期頃には、このあたりの山域(烏ヶ岳から山上ヶ峰あたり)は松尾村の村有山(入会山)であることから、どうやら「松尾村総山」(惣山)と呼ばれていたようです。
現在ではピークの呼称としては「山上ヶ峰」で、山域の総称として「北松尾山」とするようですが、このような事情もあり、どちらが正しいとは言い切れません。
おそらくは「カヤオ尾」が歴史的に見てより正確な山名ではないかと考えていますが、もはや顧みられる可能性は限りなく低いでしょう。

視点を左へ。

大阪方面や夕日差す京都西山

大文字山の火床から夕日差す大阪方面、京都西山を望む 2015年12月
大文字山の火床から夕日差す大阪方面、京都西山を望む。

ポンポン山や遠く大阪方面に目を向けると、厚い雲の隙間から夕日の光が差していました。
京都西山の向こう、つまり、北摂や大阪湾方面を照らしているはずですが、火床からでは確認できません。
霞みながらも大阪の高層ビル群やコスモタワー、それに雲山峰など紀泉アルプスの稜線が見えていました。
さほど良い条件でもない日でしたが、八幡の鳩ヶ峰(男山)の向こう、ハルカスさんの姿は突き抜けて目立ちます。

写真の右下隅に平安神宮さんの大鳥居、東山の山上に青蓮院さんの将軍塚青龍殿、写真の中央に京都タワーなどが見えていますが、いずれも日陰で暗く、場所が分かりにくいです。
日が差す大阪方面と異なり、昨日の京都は終日どんより曇った冬の空でした。

大文字山(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「大文字山」周辺の地図を表示
「大文字山(ダイモンジヤマ)(だいもんじやま)」
標高465.3m(465.4mから改定)(三等三角点「鹿ケ谷」)
京都府京都市左京区(山体は山科区に跨る)

ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!