彩都なないろ公園~粟生間谷基地局 粟生高原自然歩道 箕面市

今回の記事は、

箕面市「彩都なないろ公園」 入り口 2015年3月7日オープン

彩都なないろ公園オープン 大阪平野やハルカスを一望 箕面

2015.04.15

上の記事の続きです。

今回の記事は、2015年(平成27年)3月7日のオープンから少し後に大阪府箕面市の「彩都なないろ公園」を訪れた日の話を基にしていますが、その後、4月に彩都西部地区や、その周辺を再訪した日の話も含んでいます。
前回の記事に「彩都なないろ公園」から梅田スカイビル、あべのハルカスを撮影した写真を追加していますので、興味がある方や、それは見逃したという方は併せてご覧ください。

2015年3月、国際文化公園都市(彩都)の高台に整備された「彩都なないろ公園」(国文都市6号公園)を訪れました。
見晴らしの良い展望広場からは大阪平野を一望でき、東に山城、南東に生駒、金剛、南に和泉の連なりが見え、あべのハルカスやコスモタワーといった高層ビルの姿も確認できます。
3月としては遠くまで見えやすい日でしたが、生駒山地、金剛山地を越えた向こう、大峰山脈の高峰や、和泉山脈を越えた向こう、紀伊山地西部の高峰まで見通せるほどではありません。
しかしながら、大阪港、大阪湾の対岸には、いわゆる紀泉アルプス(紀泉高原)の山並みや、和泉山脈西端部、友ヶ島、淡路島の南東端部が見えていました。

彩都なないろ公園の展望・眺望 2015年3月

大阪港 周辺

彩都なないろ公園から大阪港、コスモタワー、りんくうゲートタワービルを望む 2015年3月
「彩都なないろ公園」の展望台から大阪港周辺、コスモタワー、りんくうゲートタワービルを望む。

主な山、建築物距離標高
(地上高)
山頂所在地備考
大阪府咲洲庁舎26.1km(256m)大阪府大阪市住之江区コスモタワー
りんくうゲートタワービル53.3km(256.1m)大阪府泉佐野市
四石山63.6km384.4m大阪府泉南市
大阪府阪南市
和歌山県岩出市
雲山峰66.8km489.9m和歌山県和歌山市紀泉アルプス最高峰
大福山67.8km427m和歌山県和歌山市
大阪府泉南郡岬町
俎石山67.1km419.9m大阪府阪南市
大阪府泉南郡岬町
和歌山県和歌山市

りんくうゲートタワービルの右、大観覧車「りんくうの星」を日中に確認するのは困難です。
夜景であれば撮影も容易な距離です。

参考程度に此花大橋とドコモ大阪南港ビルの場所を示しておきましたが、コスモタワーの右に南港スカイタワー(南港発電所の煙突)、大福山や俎石山の手前には舞洲スラッジセンターの煙突、舞洲工場の煙突なども写っています。

視点を右へ。

大阪湾 周辺

彩都なないろ公園から大阪湾、関西国際空港、和泉山脈西端部を望む 2015年3月
「彩都なないろ公園」の展望台から大阪湾、関西国際空港、和泉山脈西端部を望む。

主な山距離標高山頂所在地
学文字山69.6km212m大阪府泉南郡岬町
平山71.2km254.0m大阪府泉南郡岬町
高森山
(北山)
73.0km284.5m和歌山県和歌山市
大阪府泉南郡岬町

大阪府の南西端、高森山を越えれば和歌山市加太で、右端は紀淡海峡でも加太ノ瀬戸方面です。
ただし、撮影地点から見て約53kmで水平線に達するため、「彩都なないろ公園」の展望台から紀淡海峡の海面そのものは見えません。
関西国際空港は写真では左端の海上ですが、水平線ぎりぎりのため、それを空港だと認識するのは難しいでしょう。
双眼鏡や望遠レンズ越しに離発着する飛行機は見えます。

さらに視点を右へ。

淡路島と謎の基地局

箕面市 彩都なないろ公園の展望台から淡路島の南東端、友ヶ島を遠望する 2015年3月
「彩都なないろ公園」の展望台から淡路島の南東端、友ヶ島を遠望する。

主な山距離標高山頂所在地備考
コウノ巣山
(沖ノ島)
79.2km119.7m和歌山県和歌山市友ヶ島最高峰
標高点431m84.8km431m兵庫県洲本市淡路島

視界としてはぎりぎりですが、「彩都なないろ公園」の展望台から淡路島の端まで遠望できます。
参考程度に示しておいた標高点431m峰は、生石鼻の西北西、あるいは立川水仙郷の北西、柏原山の南東、地形図では、このあたり です。
上の写真に写る以外の範囲、淡路島の大部分は見えません。

構図の都合で友ヶ島は沖ノ島のみ含めていますが、この左には地ノ島も見えていました。
ただし、沖ノ島にせよ、地ノ島にせよ、水平線の向こうとなるため、標高がやや高めの地点が見えるのみです。
季節によっては浮島現象が起き、大阪湾から宙に浮かぶ「天空の島」となるでしょう。

追記。
半年後、なないろ公園を再訪し、より分かりやすく友ヶ島と淡路島を撮影しました。

北摂箕面 「彩都なないろ公園」の展望台から淡路島(諭鶴羽山地)の南東端を遠望

彩都の夕景 天保山大観覧車と淡路島、友ヶ島を遠望 箕面市

2015.12.02

彩都から淡路島を撮影した写真としては、ほぼ決定打と言えるでしょう。
よそ者の私が、これ以上、好条件の日に訪れる機会はなさそうです。

ところで、展望台と淡路島南東端部の間に目立つ施設の姿が……。
基地局であることは分かりますが、パラボラアンテナは付いておらず、防災無線局ではなさそうです。
これだけ目立つ施設であれば、帰宅して調べればすぐに分かるだろうとの目論見は外れ、これが意外に手強く。
展望台と淡路島南東端部との間には、ちょうど大阪国際空港(伊丹空港)が所在しますが、山の陰となるため、空港そのものは見えません。
上の写真で施設の向こうに写っている街並みは尼崎のあたりです。

この施設は「彩都なないろ公園」の展望台と大阪国際空港を結ぶ直線上に所在し、彩都西部地区の山の向こうに建つと推測できます。
勝尾寺川を下って粟生間谷の周辺、住所としては箕面市粟生間谷西の北西部と目星を付けました。
いずれ知る機会もあるだろうと考えていましたが、この記事を書くにあたり、施設の正体がどうしても気になり、けっきょく、箕面を再訪して自力で調査することに。
テレビ番組や雑誌で取り上げられたこともあり、週末ともなると彩都の車道は渋滞するようになり、かつ、公園の駐車場は20台分のスペースしかないため、路上駐車が頻発しています。
混雑が予想される好天の週末は、できるかぎり大阪モノレールなどの公共交通機関を利用して訪れるのがよいでしょう。

謎の基地局を探訪 2015年4月

トンネルに阻まれる

茨木市の彩都西駅から「やまぶき大通り」を西へ向かい、川合裏川に架かる「やまぶき大橋」を渡って箕面市へ。
この日は「彩都なないろ公園」へは向かわず、そのまま大通りを西進し、例の施設を目指します。
道路の向き、つまり南西の山に施設の上部が見えていることから、やはり、この山の向こうだとの推測は正しいようです。
ところが、あと少しというところで、建設中の「彩都トンネル」に阻まれてしまいます。
トンネルの彩都側の口(東口、あるいは北口)は、地形図では、このあたり
「彩都トンネル」に限らず、彩都西部地区の現況は地理院地図では正しく反映されておらず、山の中となってしまいますが、道路やニュータウンの造成は進んでいます。

すでに彩都トンネルは貫通しているようですが、まだ運用されないようです。
目測では例の施設まで0.5kmの距離もなさそうですが、トンネルは通行できません。
トンネルが開通していなければ、目の前の山を登って越えればいい、これはハイカーとしては当然の帰結ですが、あたりはニュータウンの予定地となっており、取り付く島がありません。
柵には立入禁止と明示されており、違法性を伴わず山を越えるのは無理と判断しました。
ここはひとまず後回し、歩いてきた大通りを振り返ってみると、造成中の計画住宅地を回り込むように山を上る北向きの車道が見えます。
予定地として確保されていますが、山の上は開発が進んでおらず、このあたりを走る方は極端に少ない道のようです。
この道に沿って山を登ってみたところ、ガードレール越しに見える風景は素晴らしく、「彩都なないろ公園」の展望台よりわずかに標高も高く、ここからの眺めを気に入ってしまいました。
さすがに地元の方は、当地の見晴らしの良さをご存じのようで、昨年からニュータウンにお住まいのご夫婦が散歩にいらっしゃり、あれやこれやと長話を。
例の施設が何かはご存じなかったものの、「彩都トンネル」の向こうであれば勝尾寺の麓ではないかとおっしゃり、私も同意します。
見える風景について語り合っていたら、私のことを気に入ってくださったようで、ここでまたお会いしましょうと。

せせらぎ橋へ

ご夫婦とお別れし、山の上の車道を東進すると、川合裏川に架かる「せせらぎ橋」の上へ。
恥ずかしながら、まったく知らない場所でしたが、この橋の上も好展望地であることに気付きます。
梅田スカイビルより西は見えないものの、「彩都なないろ公園」の展望台からは見えない「太陽の塔」も見えていました。

彩都 川合裏川「せせらぎ橋」から大阪の高層ビル群、あべのハルカスを遠望 2015年4月

彩都西 川合裏川 せせらぎ橋の展望 太陽の塔、大阪城を遠望

2015.05.04

「せせらぎ橋」で撮影した写真は上の記事に。
彩都西部地区でも、ぎりぎり箕面市側にあたります。

「せせらぎ橋」から車道を下れば、彩都でも茨木市側にあたる「彩都やまぶき」を経て彩都西駅へと戻れそうですが、それではこの日の目的を果たせません。
ここで「せせらぎ橋」から川合裏川に沿って「そよかぜ橋」まで下り、「彩都なないろ公園」の展望台へと向かいます。
「彩都なないろ公園」や彩都西部地区の外側を一周して戻ってきたことになります。
前回の記事で「展望台より『一段高い場所』はさらに見晴らしが良さそうだ」と述べましたが、公園からは外れるものの、先ほどのガードレール沿いの展望地はまさに一段高く見晴らしが良い場所でした。

曇天、かつ、日陰ながら、この日は大阪の高層ビルが見えやすく、あべのハルカスや梅田スカイビルはもちろん、京橋OBPビル群も明瞭に見えていました。
前回はよく分からなかった大阪城の天守閣も上部のみ確認できます。
先ほど申し上げた、「せせらぎ橋」の展望地から天守閣の大部分を確認できますが、今回は「彩都なないろ公園」の展望台からOBPビル群、大阪城方面を撮影した写真を。

なないろ公園からPLの塔、大阪城を遠望

彩都なないろ公園から大阪城、大平和祈念塔(PLの塔)、OBPビル群を望む 2015年4月
「彩都なないろ公園」の展望台から大阪城天守閣、PLの塔(PLタワー)、OBPビル群を望む。

主な山、建築物距離標高
(地上高)
山頂所在地備考
大平和祈念塔40.2km(180m)大阪府富田林市PLタワー
大阪城19.1km(55m)大阪府大阪市中央区
旗尾岳51.1km548m大阪府河内長野市天見富士
岩湧山53.9km897.1m大阪府河内長野市

大阪城の天守閣(復興天守)が見えるとは申し上げても、あくまでも上部が見えるのみです。
事前に場所や方角を把握していないかぎり、見付けるのは難しいでしょう。
OBPビル群はキャッスルタワーとクリスタルタワーのみ場所を示しておきましたが、TWIN21は分かりますね。
クリスタルタワーの左手前には吹田駅前のメロード吹田も重なるように見えています。

旗尾岳の右、紀見峠のあたりですが、その向こうにぼんやり見えている山影は高野山や奥高野の山々です。
空気が澄んだ好条件の日であれば、紀伊山地西部の稜線を明瞭に望む機会もあるでしょう。
「彩都なないろ公園」からはPLさんの花火大会も遠望できそうです(が、追記しておきますと、2015年6月より夜間の利用が制限されています)。

再度、基地局を目指して

展望台で撮影を済ませ、どうしたものか迷いましたが、やはり例の施設が気になり、彩都なないろ公園から大阪大学さんの箕面キャンパスの付近を南下。
粟生間谷東を経て府道4号茨木能勢線へ下り、粟生間谷西へ回り込むことにします。
勝尾寺へ向かう府道4号から岐れ、地形図に見える神社さんへの山道(林道)を取ります。
山麓の西田橋の交差点(「奥」という名のバス停留所の近く)から例の施設が間近に見えており、この道で間違いなさそうです。
宝蔵寺さんへの参詣道を経て、素盞嗚尊神社さんへの参拝道を登っていきます。
長い道のりでしたが、ようやく例の施設に到着。
付近は粟生高原自然歩道として整備されており、例の「施設」はKDDIさんの粟生間谷基地局でした。

粟生間谷基地局を発見

KDDI粟生間谷基地局 大阪府箕面市 2015年4月
粟生間谷基地局(KDDI株式会社 粟生間谷基地局)。

「彩都なないろ公園」の展望台から見える姿形そのままですね。
公園の展望台と淡路島南東部の間に見えている謎の施設の正体が判明しました。
地形図では、このあたり です。
私を阻んだ「彩都トンネル」の彩都側の口から直線で約0.4km未満の距離。
しかしながら、粟生間谷東から大きく回り込んできたため、軽く3km以上も歩いています。
すっかり日没も近く。

粟生高原自然歩道

粟生高原自然歩道 KDDI基地局と素盞嗚尊神社の分岐 2015年4月
粟生高原自然歩道。KDDI基地局と素盞嗚尊神社さんの分岐。
左の奥に見えているのが基地局です。

粟生一宮 素盞嗚尊神社

粟生一宮 素盞嗚尊神社 大阪府箕面市 2015年4月
素盞嗚尊神社さん(粟生一宮 素盞嗚尊神社)にお参り。
1922年(大正11年)の『大阪府全志 巻之三』に「三島郡豊川村大字粟生 素盞鳥尊神社は字菩提山にあり、速素盞鳥尊を祀れり。由緒は詳ならず。明治五年村社に列せらる。」と見えます。
「鳥」は原文ままで、私の書き間違いではありません。
遷座(移転)していなければ、かつて、このあたりの小字は菩提山だったようですね。

素盞嗚尊神社さんの付近で、ある楽器を演奏なさる方がいらっしゃったり、宝蔵寺さんの付近で不思議な光景を目にしたり、興味を惹かれる出来事もありましたが、今回の記事では控えておきましょう。
この後、しつこく「彩都なないろ公園」に戻り、夜景を撮影してから京都に戻りました。

彩都なないろ公園の夜景 天保山大観覧車、りんくうの星、飛行機の光跡 2015年4月

彩都なないろ公園の夜景 展望台から大阪の夜景を一望 箕面

2015.05.01

その話は上の記事に。

彩都トンネルについて追記

トンネルの開通時期について

2015年10月に「彩都なないろ公園」を再訪した際、地元の方に「彩都トンネル」の開通時期についてお尋ねしたところ、「来年(2016年)からと聞いている」とのことでした。
バイパスとして、あるいは将来的に高速道路(新名神)への抜け道としても期待されるのでしょうか。

2016年1月 彩都トンネルが開通

2016年(平成28年)1月13日追記。「彩都トンネル」が開通したとのことです。
トンネルの開通日、ならびに国文都市4号線(市道彩都中央線)延伸区間の供用開始日は2016年1月12日でしょうか。
もし、私がこの記事を書いた時にトンネルが開通していれば、彩都の西端から粟生間谷西や勝尾寺の麓へ通り抜けることができ、例の基地局を探すにあたり、わざわざ粟生間谷東から遠回りする必要もなかったでしょう。

彩都トンネル 開通 彩都口(東口・北口) 裏川「もえぎ橋」 2016年1月
2016年1月、彩都トンネルが開通。彩都口(東口)。裏川に架かる「もえぎ橋」。

1月14日に現地を訪れて確認しましたが、トンネルの付近にいらっしゃった警備員さんがおっしゃるには開通日は1月13日とのこと。
ただ、その後、お会いした地元の方が12日には車両が通行できたとおっしゃっていました。

開通した彩都トンネルの東口(~彩都なないろ公園、彩都西駅) 2016年1月

箕面 彩都トンネル開通 彩都西~粟生間谷・勝尾寺 2016年1月

2016.01.15

詳しくは上の記事に。

関連記事 2015年 彩都なないろ公園の展望広場

すべて同時期の記録です。併せてご覧ください。

彩都なないろ公園 展望広場(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「彩都なないろ公園」周辺の地図を表示
「彩都なないろ公園 展望台」
標高約210m

「素盞嗚尊神社」
大阪府箕面市大字粟生間谷 付近

ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!