昨日、2015年(平成27年)4月16日は夕方でも雨宝院さんを訪れる方々が多く。
境内に敷かれた花びらの絨毯や、緑の桜を目当てとなさっていたのでしょう。
ところが、今日、4月17日の雨宝院さんは閑散としたもので、そろそろ桜の季節も終わりが近付いていることを予感させます。
雨宝院さんのショウゲツ(松月)も色変わりが進んでいます。
ショウゲツは色変わりする八重桜で、つぼみの時点では色が濃く、開花が進むと色が薄くなります。
私は咲き始めの色濃い時期がとくに好みですが、盛りの時期の色合いも美しく。
わずかにお花を残していた観音桜や歓喜桜も、風が吹くたびに桜吹雪となり境内に舞い散ります。
クサボケ(草木瓜)、ツバキ(椿)のお花はそろそろ終わり、代わってキリシマツツジ(霧島躑躅)の赤いお花が咲き始め。
ボタンのお花もこの週末にかけてが見頃でしょう。
境内ではオウバイ(黄梅)、ヤマブキ(山吹)、シロヤマブキ(白山吹)、ホウチャクソウ(宝鐸草)なども咲いています。
観賞できるお花は以前とやや異なりますが、今も変わらぬ「花の寺」です。
色変わりが進み、紅色が濃くなってきた雨宝院さんのギョイコウ(御黄衣)。
緑の桜として知られるギョイコウ、咲き始めは黄緑色ですが、日が経つにつれ、花片が大きく反りかえり、基部に紅が差し美しく。
色変わりは八重桜全般で見られる特色のようなものですが、長きにわたって楽しめるため、毎日のように眺めても飽きることがなく、一過性の儚さを愛でるソメイヨシノとは異なる美しさがあります。
晴れてはいましたが、薄い空の色では写真映えしません。
近年、ギョイコウは多くの場所で見かけるようになりましたが、古くから育てていらしただけあって、雨宝院さんの個体はとくに立派です。
雨宝院さんを訪れた後、昨日は千本ゑんま堂さんへ。
なにやら催しがあったらしく、お寺さんの方や、お年を召した方々が集まっていらっしゃいました。
私にまで快く桜のお茶やお菓子などを振る舞ってくださり、申し訳なく。
ありがとうございました。
千本ゑんま堂さん(引接寺)のフゲンゾウ(普賢象)も今が盛り。
えんま堂さんが誇る銘桜、フゲンゾウも色変わりが進んでいました。
淡い紅色のお花は、これから白くなりますが、まだまだ見頃です。
葉の色も相まって、なんとも言えない気品があります。
「葉状となる2本の雌しべを普賢菩薩さんが乗る象の鼻に見立てた」というのが一般的な説明ですが、個人的にはゾウさんの牙のようだと見ています。
この葉化雌ずいは必ず現れるものではなく、出ないお花もあります。
千本ゑんま堂さんのニソンインフゲンゾウ(二尊院普賢象)。
咲き始めで半開です。
菊咲きの桜であるニソンインフゲンゾウ、私は咲き始めの色濃い時期が好みです。
例年、フゲンゾウが全体的に白くなる頃、ニソンインフゲンゾウが満開となります。
ニソンインフゲンゾウや、平野神社さんのツクバネなど、菊咲きの桜はとくに花期が遅く、いわゆるサクラとしては(同等の環境であれば)最後に咲きます。
年によってはゴールデンウィークの終わりまで楽しむことができますが、今年はその前に見頃を終えるでしょう。
以上、2015年4月16日、17日の話。
引接寺(千本ゑんま堂)(OpenStreetMap日本)
「雨宝院(西陣聖天宮)」京都府京都市上京区聖天町 付近
「千本ゑんま堂(引接寺)」
京都府京都市上京区閻魔前町 付近
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