大阪の夜景 河内飯盛山から宝塚観光花火大会を遠望 2014年8月

2014年(平成26年)8月6日の話。
この日は大阪府大東市と四條畷市の市境に所在する飯盛山を登山しました。
大阪府泉南郡岬町の飯盛山(和泉飯盛山、泉南飯盛山)と区別するため、ハイカーの間では「河内飯盛山」と呼ばれることが多い山です。
生駒山地でも北部寄りの山域に属し、低山ながら見晴らしの良い山としても知られており、私も昔からよく訪れています。
山上の展望地からの夕景や夜景も美しいですが、この日は花火大会の観賞を目的としての上山でした。

河内飯盛山から「宝塚観光花火大会」と北摂、大阪の夜景を望む 2014年8月
大東市・四條畷市の河内飯盛山から「宝塚観光花火大会」と大阪の夜景、北摂の夜景を望む。
撮影地点から花火の打ち上げ地点(兵庫県宝塚市)まで29.5km。

宝塚観光花火大会を動画で遠望撮影

短い(74秒)ですが、動画も。音声は省いています。
強い風が吹いているため、ときおり画面が揺れますが、ご容赦ください。

意外に思われるかもしれませんが、実は京都市に所在する山の上から「いたみ花火大会」(伊丹の花火大会)の打ち上げ地点付近を見通すことができます [1]
ですが、私が知るかぎり、京都市に所在する山の上から「宝塚観光花火大会」(宝塚の花火大会)の打ち上げ地点付近は見えません。
両者の打ち上げ地点は東西に10kmも離れていませんが、この距離の差が明暗を分けています。
宝塚で上がった花火を部分的に望むのではなく、全体的にとらえるためには、京都市から近い山域であれば北摂山系や生駒山地に属する山を選ぶ必要があります [2]
もちろん、より南にあたる金剛山地や和泉山脈の山々から望むこともできるでしょう。

大文字山から「第63回亀岡平和祭 保津川花火大会」と京都の夜景を望む 2014年

大文字山から保津川花火大会(亀岡平和祭)を遠望 京都の花火

2014.08.21

前日や、保津川花火大会の開催日だった翌日ほどではないにせよ、今年の「宝塚観光花火大会」当日はどちらかと言えば条件も良く、打ち上げ花火を遠くから観賞する絶好の機会ではありましたが、あいにく夕方まで立て込んでおり、残念ながら遠出はかないそうもありません。
京都から交野山など生駒山地の北部まで足を延ばすのが精いっぱいでした。
どこへ向かうか迷いましたが、今年に入ってから一度も訪れていないことに気付き、久々に河内飯盛山を登ることに。
時間帯的にサンセットハイク、トワイライトハイクとなります。

大阪府大東市・四條畷市 飯盛山の展望・眺望

あべのハルカスと大阪の夕景

河内飯盛山から夕暮れ時の大阪平野南部や和泉山脈、あべのハルカスを遠望 2014年8月
河内飯盛山から夕暮れ時の大阪平野南部や和泉山脈、あべのハルカスを遠望する。

主な山、建築物距離標高
(地上高)
山頂所在地備考
岩湧山40.5km897.1m大阪府河内長野市
三国山
(一乗ヶ岳)
43.5km885m大阪府和泉市
和歌山県伊都郡かつらぎ町
(大阪府河内長野市)
葛城山
(和泉葛城山)
46.8km858m和歌山県紀の川市
大阪府岸和田市
大阪府貝塚市
三峯山51.6km576.2m和歌山県紀の川市
大阪府泉佐野市
雲山峰 61.0km489.9m和歌山県和歌山市
あべのハルカス15.7km(300m)大阪府大阪市阿倍野区日本一高いビル

近くの平地部はシャープな見え方で、和泉山脈の中央部も浮かび上がるように見えていますが、紀泉アルプスより西……、和泉山脈の西端部、淡路島方面はもやもやした空模様。
それもそのはず、この時間帯、大阪湾では雨が降っていました。
「あべのハルカス」と紀泉アルプスの雲山峰のちょうど間あたりには、関西国際空港、りんくうゲートタワービルも微かに写っていますが、広角的に撮影した写真では分かりにくいです。

とくに示していませんが、岩湧山の左後方に写っている山影は高野山の周辺峰。
岩湧山の手前には大平和祈念塔(PLの塔、PLタワー)がはっきり見えていましたが、広角で撮影した写真をリサイズしてしまうと場所が分かりませんね。
余談ながら、河内飯盛山からは、いわゆる「PLの花火」を遠望できます。
距離としてはせいぜい25km前後ですので、宝塚の花火大会を望むより近く感じるでしょう。

大阪から京都タワーを遠望

大阪の河内飯盛山から京都タワーを遠望 2014年8月
河内飯盛山から京都盆地方面、京都タワーを遠望する。
撮影地点から京都タワー(京都市下京区)まで30.3km。

この日は風が強く、揺らぎも大きく、少し遠くを撮影するとぶれてしまいます。
河内飯盛山から見て、京都タワーまでの距離と宝塚の花火大会までの距離は同等ですね。

今回の記事に掲載している写真については、すべて山頂の北、「飯盛山史蹟」碑が建つ展望地から撮影しています。
老朽化に伴い、山頂近くの展望台は以前より立入禁止となっていますが、高度は下がるものの、山頂の北の展望地は視界が広く、とくに問題とはなりません。
しいて挙げれば、その高度の差が原因となり、山頂近くの展望台と、山頂北の展望地とでは、明石海峡大橋の橋桁の見え方に違いが……。

六甲北摂と夕日

河内飯盛山から大阪平野北部と六甲山系や北摂山系、夕日を観望 2014年8月
河内飯盛山から大阪平野北部と六甲山系や北摂山系、夕日を観望する。

主な山距離標高山頂所在地
太平山33.3km681.2m兵庫県西宮市
岩原山32.5km573m兵庫県宝塚市
畑山37.0km528.7m兵庫県西宮市
国見山37.1km404m兵庫県西宮市
兵庫県神戸市北区
秀ヶ辻山36.6km403.2m兵庫県西宮市
兵庫県神戸市北区
大峰山32.5km552.3m兵庫県宝塚市

さほど珍しい現象でもありませんが、夕日が2つ重なっているかのように見えます。
写真の左手には六甲山系の山々が連なりますが、六甲山最高峰(六甲最高峰)は黒い雲で隠れていました。
大阪湾同様、どうやら六甲山もお天気がよくないようです。

写真中央に「メロード吹田」、その手前に「サンマークスだいにち(大日)」、両者の間に淀川が流れており、右端には淀川に架かる鳥飼大橋が写っています。
「サンマークスだいにち」は高層マンションが3棟建っているはずですが、河内飯盛山の上から見ると、まるで2棟しか建っていないような錯覚に陥ります。

上の写真の構図、この方角の遠方、武庫川観光ダム一帯から花火が上がります。
「宝塚歌劇場」のすぐ近く、宝塚駅の南東0.4km~0.5kmのあたりが打ち上げ地点。
六甲山が雲に隠れて見えにくいこともあり、宝塚でも雨が降り始めるのではないか、花火も中止されるのではないかと不安になりましたが……。

宝塚の打ち上げ花火を遠望

河内飯盛山から「宝塚観光花火大会 音楽と花火で綴る『たからづか物語』」を望む 2014年
河内飯盛山から「宝塚観光花火大会 音楽と花火で綴る『たからづか物語』」を望む。

無事に開催されました。
サブタイトルに「音楽と花火で綴る」とありますが、この距離では音楽は届きません。

花火のすぐ右手前に重なるように見えている、航空障害灯が点いた高層マンションは、左が「ファミール宝塚グランスイートタワー」、右が「ジオタワー宝塚」。
後者は宝塚ファミリーランドの跡地に建てられた高層マンションで、2棟(EAST,WEST)建っていますが、上の写真では分からないでしょう。

河内飯盛山から宝塚観光花火大会を観賞 大阪府大東市、四條畷市 2014年8月
河内飯盛山と宝塚観光花火大会の打ち上げ地点の間には、大阪府門真市、守口市、大阪市東淀川区、吹田市、豊中市、兵庫県伊丹市が所在します。
よくよく見ると、宝塚の高層マンションの手前で大阪国際空港(伊丹空港)も明るく光っており、空港から離陸する飛行機の光跡(軌跡)も併せて撮影できないか試してみることに。

河内飯盛山の遠望夜景 宝塚観光花火大会と大阪国際空港から離陸する飛行機の光跡 2014年
河内飯盛山の遠望夜景。宝塚観光花火大会と大阪国際空港から離陸する飛行機の光跡。

1枚だけですが、飛び立つ飛行機の光跡も撮影できました。
動画撮影時に飛び立ってくれなかったのが惜しかったです。

大阪の河内飯盛山から宝塚観光花火大会の打ち上げ花火を遠望 2014年8月
大阪の河内飯盛山から宝塚観光花火大会の打ち上げ花火を遠望する。

時間的な余裕もなく、このあたりで切り上げることにします。
…下山後に気付きましたが、ここだけの話、わざわざ河内飯盛山を登らなくても、四條畷神社さんの上、河内飯盛山の上山口あたりからでも宝塚の花火を見通せます。
打ち上げ地点を望むことはできませんが、上がった花火は肉眼でも見えていました。
北摂や大阪の夜景と併せて広い視界で楽しむためには山の上まで登る必要があります。

以上、2014年8月6日の話。

追記。
翌2015年(平成27年)の「宝塚観光花火大会」は京都府宇治市の山の上から眺めました。

京阪宇治駅のホームから京都西山に沈む夕日を望む 『響け!ユーフォニアム』記念ヘッドマーク

宇治の大吉山から遠くの花火大会を ユーフォニアムの思い出

2016.07.28

その話は上の記事に。

河内飯盛山(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「河内飯盛山」周辺の地図を表示
「飯盛山(イイモリヤマ)(いいもりやま)」
別称として「河内飯盛山(カワチイイモリヤマ)(かわちいいもりやま)」
標高314m
大阪府大東市(山体は四條畷市に跨る)

脚注

  1. 「京都市から伊丹が見える? そんな馬鹿な」と思われた方は、地理について、むしろ一定以上の知識をお持ちの方でしょう。[]
  2. 限定されますが、宇治市や城陽市の山からも見えます。[]

ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!