京都タワー展望室から大阪城、あべのハルカスを遠望撮影

2016年(平成28年)7月1日の夜、無告知でオレンジ色にライトアップされた京都タワーの謎を解明するため、翌日の7月2日に京都タワーを訪れました。
この日、お世話になった京都タワーの方々に感謝いたします。

2016年7月1日 京都タワーの塔体が翌0時までオレンジ色にライトアップ

2016年7月1日 京都タワーの照明が24時までオレンジ色に点灯

2016.07.02

7月1日の話は上の記事に。

せっかくですので、京都タワービルの最上階(9階)まで上り、リニューアルした展望室(展望台)の眺めも楽しんでいくことに。
京都タワーの展望室は全方位を見渡すことができますが、私の興味は主に南に向けられます。
2日の午後は空気が澄んでおり、7月上旬としては珍しく、京都側から遠く奈良の高峰まで見えていました。
週末の京都タワーは観光客さんらで混雑しており、さすがに展望室での写真撮影は控えようと思いましたが、三脚を立ててもいいですよと係員さんのほうからおっしゃるので、邪魔にならないよう手早く数枚だけ撮影を。

京都タワー展望室 南向きの眺望

京都タワー展望室から南向きの眺望 八幡の鳩ヶ峰、奈良の大峰山、大阪のハルカスなど
京都タワー展望室から南向きの眺望。奈良の大峰山脈や大阪のハルカスさんなど。

八幡の鳩ヶ峰(男山)の右遠方に、大阪でも北東部寄りにあたる京橋周辺のビル街が見えています。
右端で見切れている山が天王山で、その天王山に遮られるため、中之島や梅田、大阪港周辺の高層ビル、それに大阪湾などは京都タワーから見えません。

京都新聞さんが7月9日付でタイムリな報道を。

観光客の心つかめ! 京都タワー大変身中 : 京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20160709000107 (リンク切れ)

京都タワーの展望室には、今年4月1日から大型のタッチパネル式観光案内モニターが導入されており、展望室から見えている風景や施設についての説明が表示されます。
さすがに遠くの山並みまで詳細に解説されるとは思えませんが、自身では触れていないので分かりません。

あべのハルカス

京都タワー展望室からOBPビル群、あべのハルカスを遠望 2016年7月
京都タワー展望室からOBPビル群、あべのハルカスを遠望する。

主な建築物距離(地上高)所在地備考
あべのハルカス44.0km(300m)大阪府大阪市阿倍野区日本一高いビル
The Kitahama40.4km(209.4m)大阪府大阪市中央区北浜タワー

京都タワーの展望室から「あべのハルカス」を見通せることは、まだ「あべのハルカス」が建設中だった2012年(平成24年)11月の時点で記事としておきましたが、その後、分かりやすい写真を撮影する機会がなく。
この日も本当に空気が澄んだ好条件の日と比べると大した見え方ではありませんが、夏場としてはましな部類でしょうか。
方角や場所が分かっている方であれば、ハルカスさんは肉眼でも発見できる可能性が高いです。

飛行機の下、あるいは「TWIN21 OBPパナソニックタワー」の右がクリスタルタワーで、その間に大阪城の天守閣の一部が見えています。

大阪城、OBPビル群

京都タワー展望室から大阪城、クリスタルタワーを遠望 2016年7月
京都タワー展望室から大阪城、クリスタルタワーを遠望する。
撮影地点から大阪城天守閣(大阪市中央区)まで39.6km。

検証用にリサイズを控えめにした写真も掲載しておきます。
西半分しか見通せない大阪城はともかく、守口市大日の3連タワーマンション(サンマークスだいにち)や高槻市前島の煙突は分かりやすいですね。
京都駅から見て、守口や高槻の向こうが大阪市方面で、いわゆる「京橋」は京都から大阪へ入る玄関口だと分かります。

京都タワー展望室の窓に「あべのハルカス50km 大阪城45.2km」と描かれており、これが何を指すのか分かりかねますが、もし京都タワーから対象までの直線距離を示しているのであれば数値は誤りです。
京都市内からであれば、大文字山からハルカスさんまでの直線距離が約50kmで、京都タワーからハルカスさんまでの直線距離は約44kmにすぎません。
大阪城までの距離も見るに、どうやら約6kmほどの「ずれ」が生じているようですが、理由(原因)は分かりません。
この件は私が示している値が正確で、念のため他所でもダブルチェックしています。

視点を左に。

和泉山脈

京都タワー展望室から和泉葛城山を遠望 手前に紅白の電波塔 2016年7月
京都タワー展望室から和泉葛城山を遠望する。手前に紅白のNTT電波塔が。

主な山距離標高山頂所在地
三国山
(一乗ヶ岳)
73.8km885m大阪府和泉市
和歌山県伊都郡かつらぎ町
(大阪府河内長野市)
大石ヶ峰
(大石ノ峰)
76.1km860m大阪府岸和田市
大阪府和泉市
和歌山県伊都郡かつらぎ町
葛城山
(和泉葛城山)
76.9km858m和歌山県紀の川市
大阪府岸和田市
大阪府貝塚市

手前の赤白の塔はNTTコミュニケーションズ京都南ビルの電波塔で、その左がNTTドコモ京都ビルの電波塔です。
電波塔の高さ込みであれば地上高100mを超えているのではないかと推測しています。
航空法の規定により、高さ60m以上の鉄塔には赤白の昼間障害標識の設置が必要になる場合がありますが、NTTドコモ京都ビルの電波塔がその塗色ではない理由は?
昼間障害標識は赤白等間隔であることが求められますが、京都タワーは例外的に現在のカラーリングが認められています。

京都タワーから和泉山脈の中核部の山々が見えるということは、逆もまたしかりで、向こうからこちらも見えます。
そのことを証明するため、過去に三国山の東側の山域から「日中に」京都タワーを撮影していますが、写真は未整理のまま放置しています。
空気が澄んだ夜であれば、ライトアップされた京都タワーを遠くから撮影するのはそう難しい話ではありませんが、明るい時間帯の撮影例は珍しいかもしれません。

視点を左に。

金剛山、生駒山

京都タワー展望室から金剛山、生駒山、京セラ本社ビルを遠望 2016年7月
京都タワー展望室から金剛山、生駒山、京セラさんの本社ビルを遠望する。

主な山距離標高山頂所在地備考
金剛山
(葛木岳)
63.5km1125m奈良県御所市金剛山地最高峰
生駒山35.1km642.0m奈良県生駒市
(大阪府東大阪市)
生駒山地最高峰
高ヶ峰22.8km305.6m大阪府枚方市
京都府京田辺市
サンドイッチ山22.4km310m大阪府枚方市標高の値は
5mDEMによる
交野山22.8km341m大阪府交野市河内富士

枚方市最高峰サンドイッチ山の手前に京セラさんの本社ビルが見えています。
写真の最前には任天堂さんも写っていますね。
かなり分かりにくいですが、京セラ本社ビルの左遠方に写る巨大な紅白の鉄塔はKBS京都ラジオ電波塔(京都放送久御山送信所)でしょうか。

国見山のササユリ(笹百合) 大阪府枚方市 2016年6月

津田~国見山~サンドイッチ山~穂谷 ササユリ 枚方市最高峰

2016.06.04

どちらかと言えば知名度が低そうなサンドイッチ山の話は上の記事に詳しく。

視点を左に。

大峰山脈

京都タワー展望室から大峯・山上ヶ岳や稲村ヶ岳を遠望 2016年7月
京都タワー展望室から大峯・山上ヶ岳や稲村ヶ岳を遠望する。

主な山距離標高山頂所在地
阿弥陀ヶ森84.8km1680m奈良県吉野郡天川村
奈良県吉野郡川上村
大普賢岳86.3km1780.1m奈良県吉野郡天川村
奈良県吉野郡川上村
奈良県吉野郡上北山村
竜ヶ岳84.4km1725m奈良県吉野郡天川村
山上ヶ岳83.2km1719.4m奈良県吉野郡天川村
稲村ヶ岳84.5km1726.1m奈良県吉野郡天川村
ぼやけた印象を受ける和泉山脈の稜線とは異なり、不思議なことに山上ヶ岳や稲村ヶ岳は明瞭に見えていました。
気温が上昇する7月上旬としては異例と言えるかもしれません。
この日、吉野山や山上ヶ岳を登山された方は、時間帯によってはクリアな空を楽しめたでしょう。

ただ、残念ながら、写真では稲村ヶ岳の右に連なる(大普賢岳から南に連なる)弥山や八経ヶ岳の山頂域は雲との境目が曖昧です。
よくよく目を凝らして写真を見てみると、どうも八経ヶ岳の山頂は雲の中に隠れているようです。
いずれ、これら高峰が浮かび上がるように見える日にも京都タワーを上りたいものです。

京都駅ビル「大空広場」から最上部だけ明るい京都タワーと比叡山を望む 2016年3月

京都駅ビルから奈良の大峰山脈と京都タワー、逆さ比叡山を撮影

2016.07.10

この後、京都駅ビルに場所を移し、駅ビル屋上の「大空広場」から山上ヶ岳や稲村ヶ岳を撮影しておきました。

京都駅ビルから京都タワーを見上げる 京都市下京区 2016年7月
京都駅ビルから京都タワーを見上げる。京都市下京区。

京都タワーの地上高は131mで、展望室の地上高は100m。
現状、京都市内で一番高い建造物ということもあり、周りを遮られることなく京都を一望できます。
また、京都駅ビル「大空広場」の曇ったガラスと異なり、京都タワー展望室のガラスはクリアで、遠くまで綺麗に見晴らせます。
撮影した写真を見返しても、ガラス越しに撮影したとは分かりにくく、このあたりはさすがに有料の展望台でしょうか。

京都タワー(OpenStreetMap日本)

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「京都タワー(キョウトタワー)(きょうとたわー)」
地上高131m
京都府京都市下京区

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    Maro@きょうのまなざし

    京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!