滋賀県の山 ササユリとキンコウカ、コバノトンボソウ

2014年(平成26年)6月の話。
湿生植物の観察がてら、Aさんと滋賀県の山をハイキング。
私たちにとっては馴染みがある山域で、さほど遠出することもなく、ちょっとした息抜きに適した山として重宝しています。

岩場をよじ登り、滝の上に立ったAさん 滋賀県 2014年6月

岩場をよじ登り、滝の上に立ったAさん。

偵察でしょうか、大型のスズメバチがこちらへ向かって……。
以前から、この山の滝周辺ではスズメバチをよく見掛けます。

ササユリ(笹百合)のお花 咲き残り 滋賀県 2014年6月

ササユリ(笹百合)のお花。咲き残り。

キンコウカ(金光花、金黄花)の群落 滋賀県 2014年6月

キンコウカ(金光花、金黄花)の群生地。滋賀県はキンコウカ分布の西限かつ南限。
ただし、同じ滋賀県下でも、分布の西限と見なされている地点と、おそらく南限だろうと考えられている地点は異なります。

昨年より数日早く訪れましたが、早かった分だけつぼみが目立ちます。
それでも、遠目にはおおむね見頃といえるでしょうか。
ノギランはまだまだこれからですが、気の早い株が少しだけお花を咲かせていました。

小鳥さんが集う沢 開けた岩場 滋賀県 2013年6月

滋賀県の山 カキランやイシモチソウ、キンコウカ 梅雨の合間

2013.06.26

このあたりは私たちや小鳥さんにとっては安息の地。
Aさんからお茶をいただき、一服します。

カキラン(柿蘭)のお花 咲き始め 滋賀県 2014年6月

カキラン(柿蘭)のお花。咲き始め。

わずか数年で個体数を大きく減らした印象を受けます。
ありふれたランですので、盗掘されるとは考えにくいものがありますが、綺麗だからという理由で摘む方もいらっしゃるかもしれません。
近年、当山域をトレイルランで走る方も少しずつ増えていると聞き及んでいますが、踏圧の影響を受けるほどの場所でもないように見えます。
葉などを観察するかぎり、動物による食害の可能性も低いでしょう。
年を通じて温度、湿度を記録しているわけではないため、断定はできませんが、他の湿地同様、乾燥化による環境の変化が大きいのかもしれません。

コバノトンボソウ(小葉の蜻蛉草)のお花 滋賀県 2014年6月

私が好きなコバノトンボソウ(小葉の蜻蛉草)のお花。

写真の右下にイシモチソウも写っていますね。
私たちが訪れたのは午後だったため、モウセンゴケのお花は閉じていました。
こちらの山ではトウカイコモウセンゴケも見ることができますが、咲く場所が限られており、よほど注意深く観察しないと見落とすでしょう。
もっとも、隣接する山では珍しいものではありません。

付近にはミミカキグサ、ネジキ、ハイイヌツゲ(イヌツゲ)などのお花も咲いていました。
Aさんにも協力してもらいましたが、かつては見ることができたウ○○○○○は今年も確認できず。
ですが、近年に至るまで観察例はありますので、山中のどこかに残っていると期待して。

ネジバナ(捩花)のお花 滋賀県 2014年6月

ネジバナ(捩花)(モジズリ)のお花。

梅雨時、山の上で水をたたえるダム湖 滋賀県 2014年6月

風の通りもよく、なかなか涼しく。

近江盆地や琵琶湖を眺めながら夕涼み 滋賀県 2014年6月

近江盆地や琵琶湖を眺めながら夕涼み。

1枚だけですが、風景の写真も。
午後は晴れ間が広がっていましたが、天気予報どおり、18時前にはひどく曇ってしまいました。
山の上は風も吹き、夕暮れ時には肌寒いくらいに。

よい気分転換になりました。ありがとうございました。

2014年(平成26年)6月
滋賀県

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Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!