2014年(平成26年)6月の話。
湿生植物の観察がてら、Aさんと滋賀県の山をハイキング。
私たちにとっては馴染みがある山域で、さほど遠出することもなく、ちょっとした息抜きに適した山として重宝しています。

岩場をよじ登り、滝の上に立ったAさん。
偵察でしょうか、大型のスズメバチがこちらへ向かって……。
以前から、この山の滝周辺ではスズメバチをよく見掛けます。

ササユリ(笹百合)のお花。咲き残り。

キンコウカ(金光花、金黄花)の群生地。
昨年より数日早く訪れましたが、早かった分だけつぼみが目立ちます。
それでも、遠目にはおおむね見頃と言えるでしょうか。
ノギランはまだまだこれからですが、気の早い株が少しだけお花を咲かせていました。
このあたりは私たちや小鳥さんにとっては安息の地。
Aさんからお茶をいただき、一服します。

カキラン(柿蘭)のお花。咲き始め。
わずか数年で個体数を大きく減らした印象を受けます。
ありふれたランですので、盗掘されるとは考えにくいものがありますが、綺麗だからという理由で摘む方もいらっしゃるかもしれません。
近年、当山域をトレイルランで走る方も少しずつ増えていると聞き及んでいますが、踏圧の影響を受けるほどの場所でもないように見えます。
葉などを観察するかぎり、動物による食害の可能性も低いでしょう。
年を通じて温度、湿度を記録しているわけではないため、断定はできませんが、他の湿地同様、乾燥化による環境の変化が大きいのかもしれません。

私が好きなコバノトンボソウ(小葉の蜻蛉草)のお花。
写真の右下にイシモチソウも写っていますね。
私たちが訪れたのは午後だったため、モウセンゴケのお花は閉じていました。
こちらの山ではトウカイコモウセンゴケも見ることができますが、咲く場所が限られており、よほど注意深く観察しないと見落とすでしょう。
もっとも、隣接する山では珍しいものではありません。
付近にはミミカキグサ、ネジキ、ハイイヌツゲ(イヌツゲ)などのお花も咲いていました。
Aさんにも協力してもらいましたが、かつては見ることができたウ○○○○○は今年も確認できず。
ですが、近年に至るまで観察例はありますので、山中のどこかに残っていると期待して。

ネジバナ(捩花)(モジズリ)のお花。

風の通りもよく、なかなか涼しく。

近江盆地や琵琶湖を眺めながら夕涼み。
1枚だけですが、風景の写真も。
午後は晴れ間が広がっていましたが、天気予報どおり、18時前にはひどく曇ってしまいました。
山の上は風も吹き、夕暮れ時には肌寒いくらいに。
よい気分転換になりました。ありがとうございました。
2014年(平成26年)6月
滋賀県
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