私事、例年、大晦日を大文字山の登り納めの日としています。
ところが、所用があり、どうやら今年は12月31日の日中に大文字山を登れそうにないことが発覚。
そこで、2013年(平成25年)12月29日、つまり昨日、ひと足早めての登り納めとしました。
…などと書いておきながら、時間が空けば大晦日も登るかもしれませんが。
京都市側から見て、金糞岳など西美濃の周辺峰は雲が多く、もちろん、その向こうにそびえる白山の姿を望むことはできなかったものの、美しく雪化粧した伊吹山や、御池岳をはじめとした鈴鹿山脈の山々の姿を如意ヶ岳(如意ヶ嶽)から望むことができ、今年の見納めとすることができました。
目次
京都市左京区 如意ヶ岳の展望・眺望
鈴鹿最高峰の御池岳や藤原岳を遠望
如意ヶ岳から鈴鹿最高峰の御池岳や藤原岳と箕作山系を遠望する。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
鈴ヶ岳 | 55.0km | 1130m | 滋賀県東近江市 滋賀県犬上郡多賀町 | |
鈴北岳 | 55.7km | 1182m | 滋賀県東近江市 滋賀県犬上郡多賀町 三重県いなべ市 | |
御池岳 | 55.9km | 1247m | 滋賀県東近江市 | 鈴鹿山脈最高峰 |
天狗岩 | 58.1km | 1171m | 滋賀県東近江市 三重県いなべ市 | |
藤原岳 | 58.6km | 1140m | 滋賀県東近江市 三重県いなべ市 | 標高の値は 10mDEMによる |
箕作山 | 33.8km | 372m | 滋賀県近江八幡市 滋賀県東近江市 | |
小脇山 | 33.0km | 373..4m | 滋賀県東近江市 滋賀県近江八幡市 | |
赤神山 (太郎坊山) | 33.7km | 350m | 滋賀県東近江市 | 標高の値は 10mDEMによる |
如意ヶ岳から望むと箕作山が小脇山より左に見えるのが不思議ですね。
箕作山は箕作山系の中核であり、箕作三山の真ん中に座る印象が強いです。
鈴鹿の霊仙山、近江八幡の鶴翼山を遠望
京都の如意ヶ岳から霊仙山と鶴翼山(八幡山)を遠望する。
撮影地点からソノド(霧ヶ峰)(岐阜県大垣市)まで59.8km。
霊仙山(滋賀県犬上郡多賀町)まで57.8km。
近江八幡の鶴翼山を見ると、ロープウェイ八幡城址駅(山頂駅)、山頂(瑞龍寺門跡さん)、八幡山城「西の丸」跡などが写っています。
向こうから大文字山や如意ヶ岳が見えるので、こちらから向こうが見えても不思議ではありませんが、冬場ということもあり、なかなか明瞭に写っています。
「向こうから大文字山や如意ヶ岳が見える」の一例は上の記事に。
伊吹山を遠望
京都の如意ヶ岳から湖北の伊吹山や琵琶湖の奥島丘陵を遠望する。
撮影地点から滋賀県最高峰の伊吹山(滋賀県米原市)まで68.6km。
湖東の奥島丘陵越しに湖北の伊吹山を見通せます。
撮影地点から長命寺山は見えにくいですが、津田山(奥島山)や御所山の姿は見えています。
上の3枚の写真……、御池岳と霊仙山、伊吹山はそれぞれ別の地点から撮影しています。
木々と送電線の合間、見える場所が限られているからです。
このあたりの山域について詳しい方であれば、そのような面倒なことをしなくても、「あと少し、千石岩や皇子山のゴルフ場まで下れば一望できるのでは?」と思われるでしょうが、そちらは滋賀県大津市にあたります。
如意ヶ岳の展望地は京都市左京区に所在しており、どこから撮影したかという観点においては差が生じるため、このような窮屈とも言える場所を選びました。
ごく一部の物好きな方々の間では、撮影地点(立脚点)の座標には正確性が求められます。
琵琶湖の南端域を見晴らせる地点に場所を移します。
近江大橋、湖南の阿星山を遠望
如意ヶ岳から阿星山、金勝アルプス、琵琶湖、近江大橋などを望む。
撮影地点から仙ヶ岳(三重県亀山市、鈴鹿市、滋賀県甲賀市)まで52km。
阿星山(滋賀県湖南市、栗東市)まで21.7km。
視点を左に。
鈴鹿の鎌ヶ岳や鎌尾根を遠望
如意ヶ岳から鎌ヶ岳、鎌尾根を望む。
撮影地点から鎌ヶ岳(三重県三重郡菰野町、滋賀県甲賀市)まで53.9km。
視点を左に。
鈴鹿の雨乞岳やイブネを遠望
如意ヶ岳から雨乞岳、イブネ、綿向山を望む。
撮影地点から雨乞岳(滋賀県東近江市、甲賀市)まで50.5km。
遠目にも雨乞岳は雪が深く感じますが、さすがに霊仙山ほどではないでしょうか。
綿向山や割山(ミズキノ)が黒く見えるのは、日の陰に入っているからであって、けっして無雪だからではありません。
上の3枚の写真は管理道のガードレール脇、藤尾分岐(如意ヶ岳・長等山・藤尾分岐)の展望地から撮影しています。
大文字山、如意ヶ岳からの「初日の出」観賞スポットとしてすっかり有名になりましたが、昔は元旦でも物好きな方がひとりふたりいらっしゃるのみでした。
個人的には「(ガードレール脇の)近江大橋展望地」などと呼んでいますが、定められた呼称があるわけではありません。
「初日の出スポット」でも「琵琶湖南端展望所」でも「ガードレール脇の展望所」でも好きに呼べば良いと思いますが、先にも示したように、琵琶湖が見える地点は他にもありますから、あまりに雑な「琵琶湖展望地」という呼び方だけは避けるほうが無難でしょう。
まあ、実際のところ、知り合いの間では、「あの、ほら、あそこだよあそこ、ガードレールの切れ目のところの」などと口頭では申し上げていますが……。
積雪する如意ヶ岳から大文字山へ
大津航空無線標識所
雪積もる如意ヶ岳の山頂付近、国土交通省大阪航空局の大津航空無線標識所(大津VOR/DME)。
もちろん、許可なく立ち入ることはできません。
所在地は京都市左京区ですが、施設の呼称としては大津。
地下タンクの油漏れがどうとかいう話もありましたね……。
如意ヶ岳(如意ヶ嶽)から大文字山の間、山道の積雪状況。
山の中に西日が差しています。
如意ヶ岳の山頂付近は夕方でも雪が積もっていましたが、雨社さんから大文字山へと近付くにつれ、コース上は雪がべちゃべちゃに解けた状態に。
急ぐまでもなく日没までには大文字山の三角点を踏めるだろうと考えていましたが、歩きにくい道のり、少しペースを上げたほうがよさそうです。
日没の少し前にはなんとか大文字山を登頂。
しかしながら、大阪方面は雲が多く、金剛山地はおろか、生駒山すらうっすらした見え方です。
幸い、西向きは好条件、剣尾山や半国山が浮かび上がるように見えていたため、昨日はそちらと併せて夕日を撮影することにしました。
2013年も大文字山で登り納め
京都の夕景と夕日
大文字山から沈む夕日と京都西山、北摂、丹波の山々、京都盆地を望む。
撮影地点から剣尾山(大阪府豊能郡能勢町)まで37.3km。
ポンポン山(京都市西京区、大阪府高槻市)まで19.6km。
とくに示していませんが、ポンポン山は夕日の下のピークです。
以前も申し上げましたが、大文字山からは西向きの遠くの山を望むことができません。
せいぜい、兵庫県三田市と川辺郡猪名川町の境に所在する昼ヶ岳や、篠山市に所在する飛曽山あたりを望むのが限界です。
ただし、それらの山は(広角で撮影した写真では)ピークの確認が難しく、上の写真には山名を表示していません。
こちら方面、笠ヶ岳や千ヶ峰といった、北播磨を代表する高峰であっても、愛宕山や牛松山に遮られるため、その姿を大文字山から眺めることはできません。
そのため、遠望という観点において、普段は撮影意欲が湧きませんが、昨日は大文字山の山頂(三角点)から深山のレーダ雨量計が浮かび上がるように見えていたこともあり、そちらを撮影することに。
北摂最高峰の深山を遠望
大文字山から深山のレーダ雨量観測所を望む。
撮影地点から飛曽山(兵庫県篠山市)まで44.5km。
深山(京都府南丹市、大阪府豊能郡能勢町)まで39.7km。
飛曽山は弥十郎ヶ嶽の北東1.7kmに所在する標高点663m峰です。
弥十郎ヶ嶽やシドロ北峰、丈山といった周辺峰を望むことはできませんが、飛曽山の稜線のみ望むことができます。
手前には嵯峨でも鳥居本から大覚寺さんのあたりにかけてが写っています。
よく見ると、「五山送り火」は「鳥居形」の火床も写っていますが、暗くて分かりませんね。
雪が積もれば字跡をはっきり望むことができます。
先にも述べたように、昨日の大阪方面は雲が多く、「あべのハルカス」も見えないに等しく。
先約もあり、あの数字の撮影にこだわることなく、早めに引き上げることにします。
日没後の山中ではぬかるんだ雪が凍てついており、慎重に火床まで下ります。
弘法大師堂にお参りし、今年も大文字山では多くの出来事があった、なにより遥か彼方の四国まで遠望できたのが一番大きな成果だったと思い返し、橙色に染まった夕焼けを木々の合間に眺めながら下山しました。
今年もありがとうございました。
大文字山(地理院 標準地図)
「如意ヶ岳(ニョイガタケ)(にょいがたけ)」標高472m
京都府京都市左京区(山体は滋賀県大津市に跨る)
「大文字山(ダイモンジヤマ)(だいもんじやま)」
標高465.4m(→465.3m)(三等三角点「鹿ケ谷」)
京都府京都市左京区(山体は山科区に跨る)
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