彩都の大型クレーン 大観覧車OSAKA WHEELからどこが見える?

つい先ほど、2016年(平成28年)1月19日0時過ぎの話。
寒い寒いと思ったら、ようやく京都(や大阪、奈良)でも初雪を観測したとのこと。
昨年の冬(2014年12月17日)より33日遅く、観測史上(統計開始以来)、京都では最も遅い初雪の観測日となりました。
もっとも、湿った雪が僅かに降る程度で、現状、積もるほどではなさそうです。
以下の記事本文は京都や大阪の降雪とは無関係です。

今回の記事は、

彩都西「やまぶき大橋」 箕面市と茨木市の市境 川合裏川 2016年1月

茨木・箕面 国文都市4号線 彩都西~やまぶき大橋~彩都大橋

2016.01.17

の続きです。
長々と続けてきた彩都トンネルの話も今回で最終回。

大阪府箕面市の(府道4号茨木能勢線~)粟生間谷地区と彩都の西端部を結ぶ「彩都トンネル」。
2015年(平成27年)4月に私の行く手を阻んだトンネルが2016年1月12日に開通したと聞き、開通直後の14日に北摂の彩都(国際文化公園都市)を訪れることに。
運用後の様子、状況を見物がてら、大阪モノレール彩都西駅を起点として、彩都西部地区のメインストリートといえる国文都市4号線を歩きました。
いわゆる「彩都」は茨木市と箕面市に跨っており、東の茨木側を起点として「やまぶき大橋」を渡り、西の箕面側へと入ります。
彩都の西端にあたる「もえぎ橋」から彩都トンネルを抜けた先は「彩都大橋」。

彩都大橋と彩都トンネル西口

彩都大橋と彩都トンネル西口 国文都市4号線 箕面市大字粟生間谷 2016年1月
彩都大橋と彩都トンネル西口。国文都市4号線。箕面市大字粟生間谷。

「彩都大橋」「彩都トンネル」を称しますが、いずれも彩都の地区外にあたります。
彩都大橋の下には府道4号茨木能勢線が通り、さらに府道4号と並走するように勝尾寺川も流れるため、彩都西部地区の橋と比較すると全長も長く、なかなか立派な構造の橋梁です。

大橋の上から遠くに見える生駒山などを撮影し、トンネルを引き返します。
できればトンネルから府道4号へ下り、トンネルが山中を通る粟生間谷基地局の山の上を歩きたいと考えていましたが、いかんせん時間が足りません。
ゆっくりと散策、探勝できる日は訪れるのでしょうか。

彩都トンネル東口から「せせらぎ橋」へ

彩都トンネル東口へ戻り、いよいよトンネルともお別れ。
そのまま東に国文都市4号線を直進すると、行きのコースをそのままピストンすることになり、やまぶき大通りから彩都西駅へと戻ります。
ここを左折し、北の車道を上れば川合裏川に架かる「せせらぎ橋」方面へ。
この車道のガードレール脇は大阪平野や大阪湾方面に対する見晴らしが良く、見える方角は微妙に異なりますが、その先の「せせらぎ橋」の上も好展望地。
できれば「せせらぎ橋」を経由して彩都やまぶき、彩都西駅へ戻りたかったのですが、どうやら関係車両以外は通行禁止のようです。
彩都西端部の計画住宅地も少しずつ造成が進んでいる様子。
付近にいらっしゃった警備員さんに「上の『せせらぎ橋』まで行きたいのですが」とお伺いしてみると、この先は歩行者であれば通行できるとのこと。
「車が頻繁に行き来しており、危ないので気を付けてください」と警められますが、せっかくですので上を目指します。

ガードレール脇は相変わらず見晴らしが良かったものの、遠くの空は白んで見えにくい日。
大阪の高層ビル群や生駒山は明瞭に見えていましたが、肉眼では金剛山すら霞んだ印象を受けました。
車両のみならず、工事関係者さんらも行き来なさっていたため、邪魔をしないように先を急ぎます。

彩都中区配水地 せせらぎ橋の西 2016年1月
彩都中区配水地。せせらぎ橋の西。

このあたりは彩都でも標高が高いエリアで、舗装された車道ではありますが、思いのほか山を上ります。
彩都なないろ公園の裏山にあたり、僅かながら公園の展望広場よりも標高が高く。
この「彩都なないろ公園の展望広場よりも標高が高い」ということを証明する写真を偶然にも撮影することになりました。

川合裏川 せせらぎ橋の西側から鉢伏山、彩都中部地区の開発風景を望む 2016年1月
せせらぎ橋の西側から鉢伏山と鷲峰山、彩都中部地区(彩都あかね)の開発風景を望む。

主な山距離標高山頂所在地備考
鉢伏山1.0km299m大阪府茨木市
大峰山31.6km506.3m京都府綴喜郡宇治田原町最高点は約510m
空鉢峰
(鷲峰山)
36.5km682m京都府相楽郡和束町

写真では左端に写るなだらかな山が茨木市の鉢伏山です。
「鉢伏山」はお鉢を返したような形の山に見られる山名ですが、その例に漏れず、この鉢伏山も優しい山容。
山頂は以前より見晴らしが良くなっており、彩都西駅を起点とした軽いハイキングとしてお勧めです。

万代彩都物流センター、プロロジスパーク茨木の工事風景を鉢伏山から望む 彩都あかね 2016年4月

茨木市 鉢伏山から彩都物流センター建設工事を望む 彩都あかね

2016.04.24

後に鉢伏山を訪れた日の話の上の記事に。

鉢伏山の南東麓……、写真では右端に写る彩都中部地区(彩都あかね)で建設中の施設や大型クレーンが目立ちます。
この写真の撮影地点からであれば、建設中の施設の最上部より、宇治田原の大峰山のほうが明確に高く見えることを覚えておいてください。

撮影地点の少し先が「せせらぎ橋」ですが、残念ながら、橋の手前(西、右岸)はバリケードで厳重に封鎖されており、これは歩行者といえども突破できそうになく。
それならそうと警備員さんは事前に教えて欲しいものだと思いましたが、通れないものは仕方ありません。
「せせらぎ橋」からであれば、川合裏川の堤防沿いに徒歩数分で「彩都なないろ公園」まで下ることができますが、諦めて彩都トンネル東口まで引き返します。
さらに国文都市4号線を経由して、彩都の丘学園さんの交差点を左折、北上し、彩都なないろ公園の駐車場へ。
大きなタイムロス……、思えば、昨年は開通前の彩都トンネルに遮られ、今年は「せせらぎ橋」に遮られ、造成中のニュータウンならではの出来事といえます。

箕面市 彩都なないろ公園

彩都なないろ公園(国文都市6号公園) 大阪府箕面市 2016年1月
彩都なないろ公園(国文都市6号公園)。

実は「彩都なないろ公園」を平日に訪れたのは初めてです。
冬の寒空のせいでしょうか、この日はドッグランを除けば人の気配が少なく。
どなたか独りで青空カラオケ的なことを楽しんでいらっしゃいました。

彩都なないろ公園 ダブルフリーフォールすべり台 2016年1月
彩都なないろ公園のダブルフリーフォールすべり台。

過去に何度か彩都なないろ公園を訪れていますが、このハードな急傾斜の滑り台が空いている、それどころか周りにも誰もいらっしゃらない光景は新鮮です。
よほど特別な事情がないかぎり、私は見知らぬ方が写り込む写真は撮影しないため、この人気の滑り台も今まで撮影せずじまいでした。

建設中の大観覧車「OSAKA WHEEL(オオサカホイール)」を遠望

エキスポシティに建設中の大観覧車オオサカホイールを彩都なないろ公園から撮影 2016年1月
エキスポシティに建設中の大観覧車「レッドホース オオサカ ホイール」を彩都なないろ公園から遠望撮影する。

万博記念公園の遊園地跡地(エキスポランド跡地)にオープンした大規模商業施設「EXPOCITY(エキスポシティ)」周辺が見えています。
そのエキスポシティに建設中の大観覧車「OSAKA WHEEL(オオサカホイール)」。
昨年10月に訪れた際は観覧車の建設は始まっておらず、おそらく、このあたりに造るのだろうと見当を付けるのみでした。
私が事前に予想していたとおりの地点……、彩都なないろ公園から見て、市立吹田サッカースタジアムやエキスポシティの右手前に観覧車の建設が進んでおり、すでに脚部が組まれています。
完成すれば展望広場から日本最大の観覧車(高さ日本一の観覧車)が見えるでしょう。

大観覧車「OSAKA WHEEL(オオサカホイール)」の高さは約120mの見込みですが、いわゆる「高さ」(地上高)と「標高」(海抜)は異なります。
昨年、近くで見た天保山大観覧車の高さが112.5mで、あれより高いと考えると驚きです。

追記。
正式名称が「REDHORSE OSAKA WHEEL(レッドホース オオサカ ホイール)」で確定したようです。
2016年4月の報道によると、高さ123mで、2016年7月1日に開業予定。
追記終わり。

さらに追記。

あらかし公園から大阪の高層ビル群、梅田スカイビルを遠望 京都府八幡市 2016年6月

あらかし公園から大阪のハルカスと大観覧車を遠望 八幡市

2016.06.24
枚方八景 国見山の展望 愛宕山や比叡山など京都方面の景観 2016年6月

枚方市 国見山から吹田の大観覧車を遠望 カラスアゲハ 大阪

2016.06.09

枚方市の国見山や八幡市の「あらかし公園」から完成直前の大観覧車を撮影した写真を上の記事に。
追記終わり。

追記 オオサカホイールのライトアップを彩都から動画で

2016年8月にも彩都を訪れ、大観覧車と花火大会を観賞しました。約3分。音声無し。
この動画じたいは別の場所から撮影していますが、大観覧車オオサカホイールのライトアップは彩都やまぶき交差点からピンポイントで綺麗に見通せます。

エキスポシティの大観覧車、守口市市制施行70周年花火大会を彩都から遠望

彩都西の夜景 守口市花火大会と万博公園の観覧車を遠望 大阪

2016.08.31

当日の話は上の記事に。

「レッドホース オオサカ ホイール」からどこが見える?

「オオサカホイールからどこが見える?」か、大観覧車から眺望できる風景・景色について、2016年1月時点での予想を。
2016年6月に東北東と北東の予想を追加。

・西~西南西
近くに大阪国際空港(伊丹空港)が見える
六甲山、神戸、淡路島北部が見える
ゴンドラが最高点近くまで上がれば明石海峡大橋の主塔が見える可能性があるが、須磨浦の山に遮られるため大橋の橋桁は見えない
・南西
遠くに淡路島中部(淡路富士)や南部(柏原山)が見える
計算上では淡路島の向こうに四国の剣山地の高峰が見通せ、これはオオサカホイールから見える最遠望地点
・南南西~南
天保山、大阪港、大阪の高層ビル群、あべのハルカスが見える
遠くに紀淡海峡の友ヶ島、和歌山の紀泉アルプス、和泉山脈が見える
・南南東~南東
東大阪方面、生駒山が見える
遠くに金剛山や奈良吉野の大峰山脈が見える
・東
枚方方面、生駒山地北部が見える
遠くに鷲峰山など京都府でも山城南部寄り(南山城)の山々が見える
・東北東
宇治の仏徳山(大吉山展望台)から建設中の大観覧車が見えることを確認しました
よって、逆に観覧車から京都滋賀に跨る醍醐山地方面の山も見えます
計算上では宇治の山の遠方に鈴鹿山脈の雨乞岳周辺まで見通せ、これは東向きの最遠望地点
・北東
京都の市街地や京都北山・東山の大半の山々は見えません
ゴンドラが高く上がれば比叡山の山頂域のみ見えますが、西山越しとなるため、それが比叡山だとは分かりにくいでしょう
・北~北西
眼前眼下に「太陽の塔」が見えますが、北摂の山々が近くにそびえるため、それを越えて遠くを見るのは難しいでしょう

「どこからオオサカホイールが見える?」も似たようなものですが、観覧車の最上部だけでも見えればよいのか、ホイールの全景が見える必要があるのかなどで変わります。

大吉山展望台(仏徳山)から京都西山、北摂方面を望む オオサカホイールを遠望 2016年6月

宇治 大吉山ハイク 万博記念公園の大観覧車と太陽の塔を遠望

2016.06.30

2016年6月上旬に宇治の大吉山展望台から撮影した写真は上の記事に。
この時点で未完成でしたが、5月末にゴンドラの設置は終わっていました。

彩都中部地区の大型クレーン群

彩都あかねの大型クレーン群と建設中の施設を彩都なないろ公園から撮影 2016年1月
彩都中部地区(彩都あかね)の大型クレーン群と建設中の物流施設を彩都なないろ公園から撮影する。
撮影地点からコウモリヶ岳(滋賀県甲賀市)まで44.4km。

大型物流拠点「万代彩都物流センター(仮称)」(左)とマルチテナント型施設「プロロジスパーク茨木」(右)の建設光景。
広報資料によると「プロロジスパーク茨木」は6階建て。

目安として信楽のコウモリヶ岳の位置を示していますが、かつて、その右には宇治田原の大峰山が見えていました。
ところが、視界を遮るかのように施設の建設が進み、ついには大峰山が見えなくなってしまいました。
先ほど、せせらぎ橋の西側から撮影した写真では大峰山のほうが高く見えており、すなわち、せせらぎ橋の西側の標高が彩都なないろ公園の展望広場より高いことを示しています。

下は2015年4月の記事。

彩都なないろ公園の夜景 天保山大観覧車、りんくうの星、飛行機の光跡 2015年4月

彩都なないろ公園の夜景 展望台から大阪の夜景を一望 箕面

2015.05.01

4月は大型クレーンが運び込まれる前で、展望広場から大峰山が見えていました。
写真はリンク先に。

下は2015年10月の記事。

彩都なないろ公園から山上ヶ岳、稲村ヶ岳を遠望 北摂から奈良の大峯を 2015年10月

彩都なないろ公園 大峰山脈、高野山、彩都中部クレーンを遠望

2015.11.27

10月には大型クレーンは運び込まれていましたが、まだ大峰山が見えていました。
写真はリンク先に。

そして、2016年1月、彩都なないろ公園の展望広場から宇治田原の大峰山が見えなくなりました。
地元の方であっても大阪平野に対する展望しか興味は湧かず、地味な京都方面の山が見えなくなったことに気付く方などいらっしゃらないでしょう。
せめて、私だけでも、かつて、この展望台から大峰山や無線中継所が見えていた事実を記憶しておこうと思います。

追記。
2016年4月に彩都あかね(彩都中部地区)を訪れ、建設中の物流センターや大型クレーンを動画などで撮影しました。

万代彩都物流センター、プロロジスパーク茨木の工事風景を鉢伏山から望む 彩都あかね 2016年4月

茨木市 鉢伏山から彩都物流センター建設工事を望む 彩都あかね

2016.04.24

その日の話は上の記事に。
追記終わり。

茨木市 大阪モノレール彩都西駅へ

彩都なないろ公園 北東向き 鉢伏山やバス車庫、そよかぜ橋を撮影 2016年1月
彩都なないろ公園ともお別れ。
北東を向いて鉢伏山や「そよかぜ橋」を撮影しています。
橋の向こうにはバスの車庫が見えます。

彩都なないろ公園は「20時~6時の利用を制限します」とのこと。
夜景撮影などで訪れる方はご注意を(→さらに19時以降、立ち入り禁止となりました)。

箕面市を離れ、茨木市の彩都西駅へ戻ります。
最後に彩都西駅から大阪方面を撮影しておきましょう。

あべのハルカス、大阪の高層ビル群を遠望

茨木市 大阪モノレール彩都西駅から大阪の高層ビル群、あべのハルカスを遠望 2016年1月
茨木市の大阪モノレール彩都西駅から大阪の高層ビル群、あべのハルカスを遠望する。

主な建築物距離(地上高)所在地備考
あべのハルカス23.3km(300m)大阪府大阪市阿倍野区日本一高いビル
The Kitahama18.5km(209.4m)大阪府大阪市中央区北浜タワー
中之島フェスティバルタワー18.2km(199m)大阪府大阪市北区

彩都西駅の標高は120mを超えており、京都タワーの展望台と標高的には大差なく。
間を遮る山もなく、大阪の高層ビル群まで容易に見通せます。
電車では直線的に移動できませんが、彩都から大阪市の梅田や中之島までは大した距離ではありません。
彩都西駅からは建設中の中之島フェスティバルタワー・ウエスト(西館)の姿も見えます。
とくに示していませんが、その左が中之島フェスティバルタワー、少し離れて右が関電ビルディングです。

右端に梅田スカイビルを収めて撮影したつもりでしたが、手持ちで急いで撮影したせいで、ぎりぎり見切れてしまいました。
私は人が多い場所では大きな機材を出さないので、写真は広角レンズで撮影した上の1枚のみです。
あと少しだけ視点を右に動かせば梅田スカイビルも問題なく見えます。

開通した彩都トンネルの状況を確認するために現地を訪れましたが、けっきょく、最後は展望地めぐりとなりました。
北摂の高台に開かれた彩都は見晴らしが良い場所が多く、京都の盆地で暮らす私にとっては惹かれるものがある土地です。
訪れるたびに見える景色が変化しているのも新興の計画都市ならではといえるでしょう。
大観覧車が完成する頃にまた訪れたいものです。

…と書いておきましたが、オープン初日の2016年7月1日に再訪しました。

オープン初日の大観覧車「オオサカホイール」と金剛山、太陽の塔を彩都せせらぎ橋から遠望 2016年7月

万博公園の大観覧車オオサカホイール ライトアップ初日遠望

2016.07.06

当日の話は上の記事に。

関連記事 2016年1月 彩都トンネル開通記念ウォーク

すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。

彩都なないろ公園 展望広場(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「彩都なないろ公園」周辺の地図を表示
「彩都なないろ公園 展望台」
標高約210m
大阪府箕面市

ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!