大阪府吹田市の万博記念公園で建設が進められてきた大観覧車「REDHORSE OSAKA WHEEL(レッドホース オオサカ ホイール)」(以下、大観覧車オオサカホイール)。
この日本最大の観覧車(高さ日本一の観覧車)は大型複合施設「EXPOCITY(エキスポシティ)」内にあり、これまで眼前はもちろん、茨木市と箕面市に跨る彩都や枚方市の国見山など、やや離れた地点から建設光景を眺める機会がありました。
5月末にはゴンドラの設置も完了していましたが、先だっての報道によると、ついに完成したそうです。
いよいよ一週間後、2016年(平成28年)7月1日の一般公開を待つのみとなりました。
国見山から完成間近の大観覧車オオサカホイールを撮影した写真は上の記事に。
目次
大観覧車オオサカホイールは京都から見える?
この観覧車の高さは公称123mで、計算上、意外に遠くの山からでも見通せますが、北東向きは北摂山系の山々に遮られやすいため、私が暮らす京都市から見える地点はごく狭い範囲に限られます。
京都市内の平地部からは見えず、私にとって馴染みがある大文字山や稲荷山などの山々や、あるいは京都タワーや京都駅ビルといった高い建築物からも見えません。
京都府全域に話を広げると、大観覧車オオサカホイールが見える地点は増えますが、それでも明確に見通せる地点は限られています。
そんな中でも八幡市橋本の「あらかし公園」(八幡市立あらかし近隣公園)(展望地は北浄土ヶ原南公園と繋がる)は、京都府下から最も容易に大観覧車を遠望できるスポットとなっています。
標高こそ低いものの、見晴らしの良い展望地を有する「あらかし公園」は、八幡市でも鳩ヶ峰(男山)の西中腹~西麓に所在します。
京都府とは申し上げても大阪府枚方市との府境が近い地域であり、吹田市の観覧車まで大した距離ではありません。
京都府八幡市 あらかし公園の展望・眺望
六甲山、大阪方面を一望
京都府八幡市「あらかし公園」からの展望。
神戸の六甲山、大観覧車「レッドホース オオサカ ホイール」、大阪方面を一望する。
主な山、建築物 | 距離 | 標高 (地上高) | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
REDHORSE OSAKA WHEEL (オオサカホイール) | 16.2km | (123m) | 大阪府吹田市 | 日本一高い観覧車 |
六甲山最高峰 (六甲最高峰) | 40.5km | 931.3m | 兵庫県神戸市北区 兵庫県神戸市東灘区 | 六甲山地最高峰 |
「京都府下から最も容易に大観覧車を遠望できるスポット」とは申し上げても、やはり広角的な視野では上の程度です。
どの場所に所在するか、どのように見えるかを正確に把握していないかぎり、よほど目が良い方であっても日中に肉眼で確認するのは困難だと考えられます。
日中と異なり、夜間にライトアップされた観覧車は遠くからでも目立つため、この程度の距離であれば、さほど意識せずとも場所が分かるでしょう。
ただし、現状、ライトアップを確認できるのは日が暮れるのが早い季節に限られます。
計算上、あらかし公園からは大観覧車オオサカホイールと芦屋の花火大会(芦屋サマーカーニバル)を同じ構図に収めて撮影できますが、上記の理由から実際には撮影できません。
プリン山と呼ばれる近くの神社さんの階段道からであれば……、といったところでしょうか。
REDHORSE OSAKA WHEEL、太陽の塔
エキスポシティの大観覧車オオサカホイール、太陽の塔を八幡市の「あらかし公園」から遠望する。
撮影地点から「太陽の塔」(大阪府吹田市)まで16.2km。
これなら分かりやすいでしょうか。
大観覧車オオサカホイールは南北を向いて円を描いているため、東北東~北東にあたる「あらかし公園」から眺めると、丸い正円ではなく、ややいびつな楕円状に見えます。
高槻市の山に遮られるため、淀川(三川合流点)を渡った対岸、鳩ヶ峰の北に所在する天王山から大観覧車オオサカホイールは見えません。
あくまでも計算上では京都西山(老ノ坂山地)のポンポン山から大観覧車オオサカホイールの最上部のみ見えますが、木立に遮られるため、実際には見えない可能性が高いでしょう。
同様に、計算上では愛宕山系の地蔵山から大観覧車オオサカホイールの上部を見通せますが、残念ながら愛宕山の大阪方面展望地からは見えません。
標高にして80m未満の低所であるにもかかわらず、「あらかし公園」から大観覧車オオサカホイールを見通せるのは、間を北摂山系の山に遮られず、高い構造物や建築物も存在しないからです。
大観覧車オオサカホイールと「あらかし公園」を結んだ直線の延長線上には醍醐山地の日野岳(日野山)が所在します。
逆に、日野岳のパノラマ岩から鳩ヶ峰越しに大観覧車オオサカホイールを見通せます。
いつぞや、まだ観覧車が計画段階だった昨年4月の時点で予想しておきましたが、京都市内から大観覧車オオサカホイールのおおむね全景を見通せるのは醍醐山地の山となります。
具体的には日野岳、醍醐山(上醍醐)、西千頭岳の周辺の展望地からは見えることが確定しており、いずれも京都市伏見区の端にあたります。
大岩山や逢坂山まで北上してしまうと見える範囲(可視エリア)から外れます。
醍醐山地の南西端にあたる宇治市の仏徳山(大吉山展望台)から撮影した写真は上の記事に。
大観覧車オオサカホイールからどこが見える(どこから見える)の大雑把な話は上の記事に。
今回の記事で取り上げているのは京都市や京都府から大観覧車オオサカホイールが見えるか否かの話です。
エキスポシティは大阪平野の北端部に所在しており、広く東~南~西向きが開けていますので、大阪平野の外縁や淡路島から見える地点は多いでしょう。
あくまでも計算上の話であれば、四国の剣山地や鈴鹿山脈の高峰からも見えます。
視点を左へ。
大阪の高層ビル群、高槻CC第二工場の煙突
京都府八幡市「あらかし公園」から大阪の高層ビル群、梅田スカイビルを遠望する。
主な建築物 | 距離 | (地上高) | 所在地 |
---|---|---|---|
梅田スカイビル | 26.4km | (173m) | 大阪府大阪市北区 |
中之島フェスティバルタワー | 27.0km | (199m) | 大阪府大阪市北区 |
超高層ビルはグランフロント大阪など一部のみ名前を示しておきます。
中之島フェスティバルタワーの右に建設中の中之島フェスティバルタワー・ウエストと上部にクレーンが見えていますね。
もう京都側から見てもフェスティバルタワーや関電ビルディングと高さが並んでいます。
梅田スカイビルの右手前で目立っているのは高槻市前島のクリーンセンターの煙突(高槻CC第二工場の煙突)です(→2019年に第三工場も竣工し、名称もエネルギーセンターに変更)。
この煙突は頻繁に点滅するため、遠くの山の上からでも目立ちます。
東山山頂公園や稲荷山から鳩ヶ峰越しに見えているため、以前から気になる存在でしたが、昨年、この「あらかし公園」を訪れて確認しました。
その話は上の記事に。
視点を左へ。
あべのハルカス、スカイウォーカー、いのちの塔
ひらかたパークの大観覧車スカイウォーカー、あべのハルカスを「あらかし公園」から遠望する。
撮影地点から「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)まで30.2km。
大観覧車オオサカホイールだけではなく、「あらかし公園」は「あべのハルカス」も京都府としては近い距離から綺麗に見通せるスポットです。
ハルカスさんまでの直線距離は約30kmで、これはハルカスさんの地上高300mと数字の並びが似ています。
追記。
本記事の初稿を公開した時は見落としていましたが、上の写真の左端ぎりぎり(観覧車の左)には花博記念公園鶴見緑地の「いのちの塔」も写っています。
その高さは90mで、大阪市鶴見区に所在します。
追記終わり。
あらかし公園は京阪電鉄の橋本駅から橋本意足方面へ適当に坂を上っていけば10分程度で入り口に着きますが、橋本駅からであれば、京阪バスの「明野」停留所が最寄りです(「コミュニティバスやわた」の「あらかし近隣公園前」停留所のほうが近いですが、どの駅とも接続していません)。
公園下の入り口から山を少し登っていけば見晴らしの良い展望台に出ますが、後ろの小さな児童公園(北浄土ヶ原南公園)や住宅街とも隣接しており、実のところ、上の住宅街から入るほうが近いです。
住宅街が近く、迷惑行為が頻発したこともあり、現状、夜間は児童公園側の入り口が閉鎖されます。
展望台から後ろの児童公園側に抜け、さらに山手に「男山レクリエーションセンター」方面へ車道を進んでいくと、そのまま鳩ヶ峰や石清水八幡宮さんを登ることができます。
軽いハイキングやウォーキングの場合、「あらかし公園」は単体で訪れるのではなく、石清水八幡宮さんとセットで訪れるのが一般的でしょうか。
たとえば、男山ケーブルの男山山上駅(→2019年10月から石清水八幡宮参道ケーブルのケーブル八幡宮山上駅)の展望台から京都方面を眺めた後、そのまま西に山を下り、次は「あらかし公園」の展望台から大阪方面を眺めて帰る、などのプランが立てられます。
視点を左へ。
和泉山脈(岩湧山~和泉葛城山)
京都府八幡市「あらかし公園」から和歌山・大阪の和泉山脈方面に対する遠景。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
岩湧山 | 57.2km | 897.1m | 大阪府河内長野市 | |
南葛城山 (嵯峨谷ノ峰) | 59.3km | 922m | 大阪府河内長野市 和歌山県橋本市 | 和泉山脈最高峰 標高の値は10mDEMによる |
神野山 | 60.8km | 869m | 大阪府河内長野市 (和歌山県伊都郡かつらぎ町) | |
三国山 (一乗ヶ岳) | 60.1km | 885m | 大阪府和泉市 和歌山県伊都郡かつらぎ町 (大阪府河内長野市) | |
大石ヶ峰 (大石ノ峰) | 62.3km | 860m | 大阪府岸和田市 大阪府和泉市 和歌山県伊都郡かつらぎ町 | |
葛城山 (和泉葛城山) | 63.2km | 858m | 和歌山県紀の川市 大阪府岸和田市 大阪府貝塚市 |
和泉山脈でも東部山域から中核部にかけての連なりが見えています。
梅雨時としては空気が澄んでおり、どちらかと言えば遠くまで見えやすい日でした。
この後、急いで鳩ヶ峰も登りましたが、相変わらず時間の都合でアプローチが楽な低山……、丘陵しか歩けなかったのが残念です。
この後、鳩ヶ峰を登山した話は上の記事に。
視点を左へ。
生駒山
八幡市の「あらかし公園」(北浄土ヶ原南公園)から奈良の生駒山を遠望する。
撮影地点から生駒山(奈良県生駒市、大阪府東大阪市)まで22.0km。
鳩ヶ峰や「あらかし公園」は生駒山地の最北端(最北西端)に位置します。
淀川(三川合流点)を渡って対岸は北摂山系・京都西山の南東端で、八幡市や大山崎町のあたりは京都盆地と大阪平野を分ける地域でもあります。
京都府に所在しながら、あらかし公園から生駒山も大観覧車オオサカホイールも大した距離ではなく、そのことを裏付けていると言えるでしょう。
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あらかし公園 展望台(地理院 標準地図)
「あらかし公園」(八幡市立あらかし近隣公園)(北浄土ヶ原南公園)標高約70m~
京都府八幡市橋本意足
(※上は展望台の所在地で、隣接する北浄土ヶ原南公園の所在地は八幡市橋本北浄土ケ原)
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