京都市 船岡山で環水平アーク、日暈を観測 2015年5月22日

今日、2015年5月22日は東海地方や関東地方などの広い範囲で環水平アーク が観測されました。
私も初夏の空を見上げてみたら、太陽の下に虹模様の横縞が見えており、すぐに環水平アークだと気付きます。
そのときは明瞭に見えていましたが、どうにも街中で撮影するのは気が進まず、急ぎ船岡山へ向かうことに。

ところが、山を駆け登っている間に、太陽の周りに見えていた内暈(日暈、ハロ)や、太陽の下に見えていた虹色の帯はすっかり失せてしまい、やはり、一期一会だったかと。
次の用事も入っていたため、諦めて下山しようとしたら、13時10分頃、再度、京都の空に環水平アークが浮かびました。
しかしながら、先ほどより曖昧な見え方で、色も薄く、長さも短く、さほど撮影意欲が湧きません。
ピクニックや散歩で船岡山の山頂公園(三角点広場)を訪れていた方々が近くにいらっしゃったので、「太陽の下の空に虹のような模様が見えているのがお分かりですか? あれは虹ではありませんが、やや珍しい現象なのですよ」と申し上げると、皆さん興味津々のご様子。
サングラスをお持ちの方がいらっしゃったので、そちらを順番にお借りしながら、太陽の周りに見える内暈ともども、木立の枝越しに一緒に眺めます。
13時20分頃には見えなくなってしまいましたが、皆さん、「今まで見たことがない」「見ることができて良かった」と口々におっしゃり、喜んでいただけたようでなによりでした。

環水平アーク、下部ラテラルアーク、内暈(日暈) 京都市 2015年5月22日13時15分撮影
京都の船岡山で環水平アーク、下部ラテラルアーク、内暈(日暈)を観測。
2015年5月22日13時15分撮影。

環水平アークとは別に下部ラテラルアークが分離しているように見えますが、私には両者の区別が難しく、境目がはっきりとは分かりません。
また、写真は上の1枚しか撮影しておらず、あくまでも記録程度のものです。
時間帯によっては、より明確に見えていましたし、他の方のお話によると、同じ京都市内でも長時間にわたって観測できた場所もあったようです。
京都市でも東部寄り、あるいは京都府の南部寄り、大阪府の北東部寄りでは13時40分頃の観測例が見受けられます。

上の写真は超広角的なレンズで撮影していますが、街並みや特徴ある構造物などが写っておらず、環水平アークや内暈がどれくらいの長さ、大きさに感じたか、写真では分かりにくい、伝わりにくいでしょうか。
参考程度に、今日の夕方、大文字山から同じレンズを用いて撮影した展望写真、風景写真を掲載しておきます。
焦点距離は同じですので、大文字山からの景色に親しまれている方であれば、重ねてイメージしやすいかもしれません。
大雑把に申し上げて、大文字山から見て、生駒山の上空から西山の上空まで虹の帯が伸びている光景を思い浮かべていただければ。

大文字山の山頂から超広角の展望風景 醍醐山地、山科盆地、生駒山、京都西山 2015年5月
大文字山の山頂(三角点)から超広角(焦点距離14mm)の展望風景。
飛行機雲の残滓、山科盆地、京都盆地、醍醐山地、生駒山、京都西山など。

左端に醍醐山地の千頭岳、中央に生駒山、右端に京都西山(老ノ坂山地)のポンポン山、小塩山を収めるように撮影したつもりでしたが、急いで撮影したため、やや右寄り(西寄り)にずれてしまいました。
左端に写っているのは千頭岳の西1.4kmに所在する標高点552m峰で、地形図ではこのあたり
かつての京都国際カントリー倶楽部さんのゲートの外側にあたります。
京都国際CCさんの跡地にはメガソーラーが建設されるようで、昨年、2014年12月の時点でゴルフ場の施設の解体撤去作業が始まっていました。

大文字山の火床から超広角の展望風景 月、夕日、愛宕山、京都西山、鳩ヶ峰 2015年5月
大文字山の火床から超広角(焦点距離14mm)の展望風景。
沈む夕日、お月さま、京都盆地、愛宕山、京都西山、鳩ヶ峰(男山)など。

鳩ヶ峰は写っていますが、それより遠く、大阪の高層ビル群は見えないに等しく。
西向きや北向きは条件よく、京都西山や京都北山の稜線は浮かび上がるような見え方で、杉ノ峠の鉄塔(花脊の鉄塔)や皆子山も明瞭に見えていましたが、南向きは今ひとつ。
また、南の空にたなびく飛行機雲は異様に長く、なかなか消えないものの、西の空をゆく飛行機は肉眼でも見えるほどで、飛行機雲も短かったのが印象的でした。

以下はおまけ。

大文字山の山頂(三角点)を音羽山、千頭岳を望む 眼下には防護ネットが 2015年5月
大文字山の山頂(三角点)から音羽山、千頭岳を望む。
植生回復用でしょうか、山頂から覗き込むと、眼下には目立つ防護ネットが……。

モチツツジ(黐躑躅)の花 西日差す大文字山 京都東山 2015年5月
モチツツジ(黐躑躅)のお花。西日が差す大文字山。

以前の記事でも申し上げましたが、私は大文字山(や如意ヶ岳)ではミヤコツツジを見たことがありません。
ミヤコツツジはモチツツジとヤマツツジの自然交雑種で、両種が近くで混生する環境(過去に混生していたと考えられる環境)では珍しい植物ではなく。
京都東山、北山の周辺であれば、比叡山や松ヶ崎の山で見ることができます。
他府県に話を広げれば、たとえば、六甲山系にミヤコツツジが多いことは知られています。
大文字山にもモチツツジとヤマツツジは広く分布していますが、両種は住み分けているようで、私が見たところ、雑種化する気配がありません。

余談ですが、今年も「哲学の道」や銀閣寺道周辺のホタル(蛍)が飛び始めています。
植物の開花だけではなく、今年は平地の虫の出もわずかに早いようです。
ただ、山野草のように1週間や10日も早い、という印象は受けません。
植物と昆虫、あるいは、山と平地ではサイクルが異なるのでしょう。

京都・船岡山から月暈と冬の夜空を撮影 クリスマスイブ moon halo 2015年12月24日

京都 船岡山 月暈と星 冬のダイヤモンド クリスマスイヴの夜空

2015.12.26

この年の冬に、船岡山から綺麗な月暈と冬の大三角を撮影した写真は上の記事に。

船岡山(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「船岡山」周辺の地図を表示
「船岡山(フナオカヤマ)(ふなおかやま)」
標高111.6m(111.7mから改定)(三等三角点「船岡山」)
京都府京都市北区

「大文字山(ダイモンジヤマ)(だいもんじやま)」
標高465.3m(465.4mから改定)(三等三角点「鹿ケ谷」)
京都府京都市左京区(山体は山科区に跨る)

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ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!