黄緑色の京都タワーを撮影 大文字山でミヤコツツジを

京都タワーの塔体が黄緑色にライトアップされた2015年(平成27年)5月31日の話。
けっして条件が良いとは言えない時期の展望にはさほど惹かれなかったものの、夕方から少し時間が空いたため、急ぎ大文字山へ。
登り始めた時間が遅く、火床にたどり着く頃には日が沈んでおり、夕日は撮影できません。
京都タワーのライトアップは日没頃からと事前にアナウンスされていましたが、すでに京都タワーの塔体は照らされているようで、ほのかに輝いて見えます。
目当ての京都タワーと併せ、眼下に広がる京都の街並み、夕景を撮影。

黄緑色にライトアップされた京都タワーを大文字山の火床から望む 2015年5月
「2015年世界禁煙デーin京都」に伴い黄緑色にライトアップされた京都タワーを大文字山の火床から望む。
京都の夕景、右手前には平安神宮さんの大鳥居、遠くにはポンポン山など京都西山(老ノ坂山地)の山並み。

京都タワーの塔体が黄緑色に照らされているのは、「2015年世界禁煙デーin京都」に伴うイベントです(イエローグリーンリボン)。
2015年5月30日、31日の両日に、京都タワー、京都府庁、京都市役所がライトアップされ、30日は高台寺さんもライトアップされました。

日が沈んだとはいえ、まだ明るさを残す時間帯だからでしょうか、黄緑色というよりも、どうも青色のように感じますが、過去のブルーライトアップとは異なる色です。
火床は多くの学生さんらでにぎわっていましたが、中には「京都タワーが緑色!」と声をあげる方がいらっしゃったので、その方の目には緑色と写ったのでしょう。
大文字山の火床から京都タワーまで、せいぜい6km未満の距離とはいえ、普段の白色とは異なる色だと肉眼で気付くのはなかなかのものです。

「2015年世界禁煙デーin京都」に伴い黄緑色に照らされた京都タワーを遠望
大文字山の火床から黄緑色に照らされた京都タワーを遠望する。

この後、山頂(三角点)まで登るかどうか思案しましたが、遠く大阪方面の見え方が今ひとつだったため、火床止まりで下山しました。
後で知りましたが、この夜、山頂には夜景好きさんがいらっしゃったようで、無理をしてでも上へ向かえばよかったです。
その方が撮影なさったお写真を拝見するかぎり、暗くなれば京都タワーははっきり緑色だと分かったようですね。
京都タワーよりも、その方とお会いできなかったことが残念至極な夜でした。

以下は余談。
そもそも私の話は余談や雑談だけで成り立っている、というのはさておき。

モチツツジ(黐躑躅)に対するキアゲハの吸蜜行動 大文字山の山頂 2009年5月
モチツツジ(黐躑躅)のお花に対するキアゲハの吸蜜行動。
大文字山の山頂(三角点)にて。2009年(平成21年)5月に撮影。

ヤマツツジ(山躑躅)の赤い花 大文字山の火床 2011年5月
ヤマツツジ(山躑躅)の赤いお花。大文字山の火床にて。2011年(平成23年)5月に撮影。

大文字山にはヤマツツジとモチツツジが広く分布していますが、分布域がやや離れているためか、両種の自然交雑種であるミヤコツツジ(都躑躅)が見当たりません。
花期でないと見分けるのは困難なため、今年も5月は何度か大文字山の山中を歩き、ミヤコツツジを探してみましたが、残念ながら空振りに終わりました。
ミヤコツツジはヤマツツジとモチツツジの中間的な性質を持ち、花色は濃い紫色か、薄い朱色、がくはヤマツツジよりは長いものの、モチツツジよりは短くなる傾向がありますが、個体差や変異の幅が大きく、一概に申し上げることはできません。

野生化したヒラドツツジ(平戸躑躅)と考えられる花 大阪府 2012年5月
野生化したヒラドツツジ(平戸躑躅)と考えられるお花。
大阪府南部にて。2012年(平成24年)5月に撮影。

上は和泉山脈の山中、標高約600m地点で撮影したお花ですが、野生化したヒラドツツジの仲間だと考えられます。
ヒラドツツジはケラマツツジとモチツツジ(あるいはキシツツジ)などの交配種(雑種の選抜)で、これも掛け合わせによって色合いの差が大きいですが、ミヤコツツジと同じような花色が出る品種(オオムラサキ、コムラサキ)があります。
上の写真に写るお花は私が知るミヤコツツジの花色とよく似ていますが、すぐ近くには白色のヒラドツツジも混生しており、誰かが植栽したか、何らかの理由で広がったヒラドツツジでしょう。

ミヤコツツジ(都躑躅)のような濃い紫色の花を付けたモチツツジ 滋賀県 2015年5月
ミヤコツツジのような濃い紫色の花を付けたモチツツジ。滋賀県。

つい先日、滋賀県の山を登っていたら、上のお花を見付けました。
モチツツジとしては色が濃すぎるお花で、遠目にはミヤコツツジかと思いましたが……。

モチツツジ? ミヤコツツジ? 花は濃い紫色 がくは長い 2015年5月
お花はミヤコツツジのように紫色が濃く、やや小ぶりな印象を受けるものの、がくの長さはモチツツジと同等で、どうやらモチツツジ(の変異)のようです。
ミヤコツツジの可能性も捨てきれないため、来年以降、この山におけるモチツツジとヤマツツジの分布も調べてみたいと思います。

私が見落としているだけで、広い大文字山(や如意ヶ岳)のどこかにはミヤコツツジが咲いており、どなたかお気付きの方がいらっしゃるかもしれません。
もし、どこかで見た、聞いたということがあれば、ご教示いただければ幸いです。
以前も申し上げましたが、比叡山の周辺では確認しています。

以上、2015年5月の話。

追記。
翌年(2016年)も大文字山ではミヤコツツジを見付けることができずじまいでしたが、京都府の他の山でミヤコツツジを観察できました。

京都北山 ミヤコツツジ(都躑躅) 赤紫がかったピンク色の花 2016年5月

京都北山 ミヤコツツジ(都躑躅)の花 エビネも 5月の植物

2016.05.26

その話は上の記事で。

大文字山(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「大文字山」周辺の地図を表示
「大文字山(ダイモンジヤマ)(だいもんじやま)」
標高465.3m(465.4mから改定)(三等三角点「鹿ケ谷」)
京都府京都市左京区(山体は山科区に跨る)

ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!