息抜きがてら、セッコクのお花を眺めに。
古くより知られていた、主だった山々からは盗掘され尽くしたため、今となっては京都府におけるセッコクの自生地は限られています。
ここはハイカーの間では昔からよく知られている場所ですが、盛りであっても興味を示す方は少なく。
断崖絶壁に自生するセッコク(石斛)のお花。2015年5月。
日本に自生するラン(蘭)でも、いわゆるデンドロビウムの一種です。
今年は山野草の開花が妙に早く、5月のお花については例年より1週間から10日ほど花期が前倒しとなっている印象を受けます。
もしやセッコクもと思い、当地を訪れてみたら、案の定、すでに満開となっていました。
なかなか見ごたえがあります。
追記しておきますと、翌年もやはり開花期が早かった印象を受けました。
2016年のセッコクの話は上の記事に。
着生蘭(岩生蘭)らしく、岩場に咲くセッコクのお花。
京都府レッドデータブックでは「セキコク」の表記となっています。
今まで見落とされていた産地が確認されたため、2013年の府レッドリスト改定に伴い、絶滅寸前種から絶滅危惧種の指定に。
大文字山ハイカーさんにはおなじみであろう、山科の毘沙門堂さんには比叡山産のセッコクが移植されており、そちらは手軽に観賞できます。
例に漏れず、毘沙門堂さんのセッコクも今年は展開が早いようです。
さておき、どこぞの山へ。
京都北山のエビネはおおむね花期を終えているものと思われますが、上の写真の株だけ咲き残っていました。
ある理由があり、珍しく、昨年の越冬葉がシカに食べられずに残っており、今年、展開した新しい葉と混生しています。
そのせいでしょうか、開花こそ遅れていますが、お花を数多く付けています。
京都北山に多いベニバナヤマシャクヤクの白花型(白色型)の蕾(つぼみ)だと推測されますが、わずかに紅色が見えており、開花すれば花弁に紅が差す可能性があります。
深泥池に咲く白いカキツバタのお花に紫色の筋が差すのと似た現象だと考えていますが、プロセスは分かりかねます。
この周辺山域では紅花型のベニバナヤマシャクヤクは稀ですが、白花型のベニバナヤマシャクヤクはありふれています。
過去の記事で何度も何度も申し上げていますが、白花型のベニバナヤマシャクヤクと、いわゆる普通の白いヤマシャクヤクは異なります。
2015年5月
京都府
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