下から見て気付いた方もいらっしゃるでしょうが、今朝も、つまり、2015年(平成27年)1月18日の明け方も大文字山の火床には薄く雪が積もりました。
白い「大」の字を見ると、年始の京都を覆った大雪を思い出しますが、あれからもう2週間。
相変わらず速報性の欠片も無い記事が続きますが、ご容赦ください。
さておき、長々と引っ張った2015年1月2日の話も今回で終わりです。
新雪がたっぷり積もる新春の大文字山を登り、山頂(三角点)から眼下に広がる雪景色を堪能します。
積雪する大文字山から京都タワーなどを撮影した話は前回までの記事に。
京都でも大阪平野寄りの平地部までしっかり雪が積もるのはやや珍しく。
しかしながら、京都盆地が日陰に入ってしまった影響か、どうにも写真映えしません。
先ほど、火床から京都の街並みを眺めた時間帯は日も差していたのに、なかなかままならないものです。
雪化粧した京都を大文字山の火床(京都市左京区)から望む。
これでも大部分が日陰に入っているようですが、少しは明るく感じます。
手前の丘陵は吉田山、その右と後方には京都大学さん。
相国寺さんの手前に出町柳の三角州(堆積地形としての三角州ではありませんが、私たち地元民は「出町の三角州」と呼んでいました)(近年は俗に「鴨川デルタ」とも)、その左には鴨川に架かる加茂大橋(賀茂大橋)。
中央に京都御苑、右奥に「左大文字」、船岡山、左奥に「鳥居形」、雙ヶ岡(双ヶ丘)。
遠くには半国山や愛宕山が見えていますが、愛宕山の山頂域は雲の中に隠れて見えません。
上の写真と、下の比叡山の写真のみ、前回の記事で登頂する前、最初に大文字山の火床を訪れた際に撮影しています。
大文字山の火床から雪が深そうな比叡山(四明岳)を望む。
真っ白な比叡山は見えていましたが、それより左(西)、京都北山の高峰は雲で覆われており、皆子山はもちろん、天狗杉(花背山)や桟敷ヶ岳といった山々の姿も見えません。
上の写真を撮影した後、火床まで登っていらしたAさんと出会い、一緒に山頂へ向かいました。
ところが、Iさんと入れ違いとなったことに気付き、急いで火床に戻ることに。
火床ではIさんが寒そうに私たちを待っていらっしゃいました。
戻ってきた火床から京都北山や西山、それに遠くの大阪まで見渡してみると、山頂に滞在していた時間帯と同様、京都は相変わらず日陰に入ったままです。
ですが、先ほどまでと異なり、大阪方面が少しは見えやすくなっており、それに、雲が流れたことにより、皆子山などの山々も見えるようになっていました。
あまりお待たせしては申し訳ないと思いつつも、大阪方面や皆子山を撮影してから下山することにします。
その間も多くの方々が大文字山を登っていらっしゃり、正月早々、皆さんお好きだなと半ば呆れますが、それはお互い様というものでしょう。
雪積もる大文字山の火床から京都南部、大阪の高層ビル群を望む。
左奥に超高層ビル「あべのハルカス」、右奥にコスモタワー、左下に大護摩堂「青龍殿」(青蓮院門跡 将軍塚大日堂)を収めています。
分かりやすいOBPキャッスルタワー、中之島フェスティバルタワーの位置も示しておきます。
中央付近で目立っているのはNTTドコモ京都ビルとNTTコミュニケーションズ京都南ビル(赤白の塔)。
雪積もる大文字山の火床から梅田スカイビル、コスモタワーを望む。
撮影地点から大阪府咲洲庁舎(コスモタワー)(大阪市住之江区)まで55.6km。
左奥に「The Kitahama」(北浜タワー)、中央から右にかけて中之島や梅田など大阪都心部のビル街を収めています。
鳩ヶ峰(男山)や天王山の山麓、八幡市や大山崎町あたりの平地部までしっかり雪が積もっているようですね。
関電ビルディングの右に梅田阪急ビル。
梅田スカイビルの左にグランフロント大阪のビル群。
大文字山から見える中之島や梅田のビルについて知りたい方は、上の記事に掲載している、大文字山の山頂から撮影した写真もご覧ください。
ただし、火床からと山頂からでは、ビル群の見え方、距離が異なります。
雪積もる大文字山の火床から「あべのハルカス」、大護摩堂「青龍殿」を望む。
撮影地点から「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)まで49.5km。
左奥に「あべのハルカス」、中央にOBPビル群を収めています。
この時間帯は「あべのハルカス」が見えやすく感じましたが、より遠くに所在する紀泉アルプス(紀泉高原)の山々まで遠望できるほどではありません。
同じ大文字山からの展望でも、山頂からと火床からでは青龍殿の大舞台の見え方が異なりますね。
OBPビル群のうち、写真では中央に収めている「TWIN21」の両棟は分かりやすいと思いますが、京橋周辺の他のビルにも興味がある方は、上の記事に掲載している、天王山から撮影した写真を参考に、どのビルが何であるか考えてみてください。
ぼんやりですが、上の写真でも建築中の「KDDI大阪第2ビル」の上部にクレーンが写っています。
なお、「TWIN21」に遮られるため、現状、大文字山の主だった展望地から大阪城は見通せません。
大文字山から大阪城が見えるとおっしゃる方は誤りです。
年配の方々からお話を伺うかぎり、TWIN21の建設が進む1984年(昭和59年)頃までは大文字山から大阪城が見えたようです。
大文字山から緯度を少し北に上げた瓜生山の展望地(茶山の展望地)からは、「TWIN21 OBPパナソニックタワー」の肩越しに天守の一部を見通せます。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ナッチョ (天ヶ森) | 15.8km | 812.5m | 京都府京都市左京区 | |
皆子山 | 20.1km | 971.3m | 京都府京都市左京区 滋賀県大津市 | 京都府最高峰 |
標高点941m | 20.2km | 941m | 滋賀県大津市 | 皆子山東峰 |
より手前に所在する焼杉山の尾根と重なるため、ナッチョ(天ヶ森)の山頂は肉眼や広角では確認が困難です。
皆子山の右(東)に見えているピークは皆子山の東尾根に所在する標高点941m峰。
冬道としては古くより知られていましたが、近年になり、無雪期であっても東尾根を歩く方が増えました。
ピークハントのみを目的とする方にはもってこいでしょう。
追記。
当初、掲載していた写真では皆子山と東尾根(東稜)の連なりが分かりにくいようなので、明るめに補正した写真と差し替えておきました。
大文字山の火床から皆子山までは大した距離ではなく、空気が澄んだ日であれば問題なく見通せますが、火床の最上段まで登ってしまうと比叡山の陰に隠れて見えません。
「大」の字の中央(弘法大師堂)の左前、京都の街寄りに出っ張った場所がありますが、その出っ張りに立って比叡山の左奥を眺めればすぐに見付かるでしょう。
追記終わり。
比叡山に遮られるため、大文字山や如意ヶ岳(如意ヶ嶽)から蓬莱山など比良山地の主だった山々は見えません。
大文字山の火床からでは、上の写真に写る皆子山の東尾根、標高点941m峰を望むのが限界です。
「厳冬期の皆子山を撮影するまで待ってください」と駄々をこねてIさん、Aさんにお待ち願いましたが、なんとか無事に撮影し、この日の山歩きを終えることにします。
この夜、さらにどかどかと雪が降り、明けて1月3日には61年ぶりの積雪量となることも知らずに……。
京都で記録的な積雪となった1日3日の話は上の記事に。
関連記事 2015年1月2日 新雪スノーハイキング
- 雪の善気山、大文字山を法然院からスノーハイク 東山三十六峰
- 雪の大文字山から「五山送り火」の雪文字を望む 京都
- 雪の京都タワー、将軍塚青龍殿、東寺五重塔を大文字山から望む
- 冬の京都 大文字山 雪の火床から比叡山や皆子山、大阪を望む
大文字山(地理院 標準地図)
「大文字山(ダイモンジヤマ)(だいもんじやま)」標高465.3m(465.4mから改定)(三等三角点「鹿ケ谷」)
京都府京都市左京区(山体は山科区に跨る)
最近のコメント