雪の京都タワー、将軍塚青龍殿、東寺五重塔を大文字山から望む

すっかり間が空いてしまいましたが、京都に大雪が積もった2015年(平成27年)1月2日の話。
法然院さんの裏山たる善気山を経て新雪が積もる大文字山の火床へ。
眼下に広がる京都の雪景色を眺望し、積雪時のお約束とも言える他山の「雪文字」を撮影しました。

大文字山の火床、雪積もる「左はらい」から日の出と弘法大師堂を望む 2015年1月

雪の大文字山から「五山送り火」の雪文字を望む 京都

2015.01.10

大文字山の火床から残る「京都五山送り火」の字跡を撮影した話は上の記事に。

当初は人が少なかった火床ですが、やがて、入れ替わり立ち替わりに多くの方々が登っていらっしゃいます。
顔見知りの方々と正月の挨拶などを交わしていると、そのうち、Aさんのお姿も。
Iさんも大文字山にいらっしゃるそうで、氏と落ち合うべく、Aさんと連れ立って山頂(三角点)へと向かいます。
ところが、私がバリエーションコースを選んだため、間が悪いことに途中でIさんと入れ違いになってしまいました。
急いで火床へ戻らなくてはいけませんが、その前に少しだけ山頂でも写真を撮影しておきます。

大文字山の山頂(三角点)から京都盆地、山科盆地の雪景色を望む 2015年1月
大文字山の山頂から京都盆地、山科盆地の雪景色を望む。京都市左京区。

改めて申し上げるまでもなく、火床からの展望と異なり、大文字山の山頂は山科や醍醐方面に対しても開けています。
右奥に愛宕山、左奥に奈良方面を収めていますが、遠くは霞んでおり、奈良や大阪は曖昧な見え方に過ぎません。
上空は晴れ間も覗いていますが、あいにく、写真に写る平地の大半が日陰に入っており、「雪の白さ」のようなものも分かりにくいです。

今回の記事で掲載している写真は全て大文字山の山頂から撮影しています。
私たちが山頂に滞在していた時間帯は、ちょうど京都盆地が日陰となり、雪景色の写真としては今ひとつ。
当初は掲載する気が無く、このまま次の話へ移る予定でしたが、現地で話した「京都タワーに雪は積もるか?」の解決のため、参考程度に。

大文字山の山頂から雪積もる大護摩堂「青龍殿」(将軍塚大日堂)を望む 2015年1月
大文字山の山頂から雪積もる大護摩堂「青龍殿」(青蓮院門跡 将軍塚大日堂)、東海道新幹線を望む。

華頂山(都市計画基本図では「花頂山」の表記)の山上、青龍殿の真新しい大舞台も雪が積もると分かりやすいですね。
写真の右寄りには東海道新幹線の京都駅ホーム、そして、京都駅から延びる高架が見えています。
中央には走行中の新幹線が、右端付近には京都駅に停車する新幹線が写っているのがお分かりでしょうか。

大文字山の山頂から雪積もる山科盆地、巨椋池跡、久御山周辺を望む 2015年1月
大文字山の山頂から雪積もる山科盆地、巨椋池跡、久御山ジャンクション周辺を望む。

霞んでいますが、遠くには生駒山が見えています。
写真の左下がぼやけていますが、これは大文字山に積もった新雪が強風で舞い上がるさまです。

手前には山科盆地、その後ろには東山三十六峰の南端部、それに大岩山。
中央付近で目立つ稲荷山、西野山(二石山、二谷山)の向こうには、かつての巨椋池跡。
それに京滋バイパス、久御山ジャンクションの周辺。
京都南部の平地部までしっかり雪が積もるのはやや珍しいと言えるでしょうか。
かえすがえすも日陰に入っているのが惜しいです。

大文字山の火床から雪積もる京都を一望する 2014年1月

雪の大文字山 積雪する京都を一望 京都で雪が少なかった年は?

2014.01.22

昨年の記事に超広角的な構図で撮影した写真を掲載しています。

大文字山の山頂から雪積もる京都タワー、東寺五重塔、東本願寺を望む 2015年1月
大文字山の山頂から雪積もる東寺さんの五重塔、東本願寺さんの御影堂を望む。

東寺さんの五重塔や、東本願寺さんの御影堂にはしっかり雪が積もっています。
東本願寺さんの御影堂の手前は修復作業中の御影堂門、左は同じく修復作業中の阿弥陀堂。
覆い屋(素屋根)の上にも雪が積もってはいますが、元から白いため分かりにくいです。

五重塔の右には紅白の塔、京都タワーが目立っています。
他の建築物同様、大雪が降れば、京都タワーの上部にも雪が積もるのでしょうか。
雪が降っても、それが積もることはなく、そのまま下に落ちてしまう、あるいは解ける構造に見えますが、はたしてどうでしょうか。
大文字山の現地から肉眼での確認は難しく、積もっているのか、それとも積もっていないのか、謎のままでした。
撮影した写真を見ても、リサイズしてしまうと分かりにくいですね。

「京都タワーに雪は積もる?」 大文字山から雪が乗った京都タワーを望む 2015年1月
「京都タワーに雪は積もる?」
大文字山の山頂から赤い屋根に雪が乗った京都タワーを望む。

やや大きめにリサイズし、トリミングした写真を。
わずかですが、展望台の上の赤い屋根にも白い雪が見えますね。
これを「積もる」と言ってよいのか分かりませんが、いちおう、京都タワーに雪は乗るようです。
ただし、左に見える東寺さんの五重塔を白く染める雪と比較すると、その積雪量はわずかなもので、やはり、構造的には積雪しない造りとなっているようです。

大文字山の山頂から京都東山、京都南部、京都西山の雪景色を望む 2015年1月
大文字山の山頂から京都東山、京都南部、京都西山の雪景色を望む。
撮影地点からポンポン山(京都市西京区、大阪府高槻市)まで19.6km。

右奥に小塩山、中央に京都タワー、左奥に「あべのハルカス」を収めています。
あべのハルカス、コスモタワー(大阪府咲洲庁舎)は参考程度に場所を示していますが、上の写真ではまず分からないでしょう。
私たちが山頂にいた時間帯は大阪方面は霞んでいましたが、この後、火床に戻る頃には少し見えやすくなっていました。

雪積もる大文字山の山頂から桂川に架かる上野橋、遠くに豊能富士を望む 2015年1月
大文字山の山頂から雪積もる上桂、桂川に架かる上野橋、遠くに豊能富士を望む。
撮影地点から「豊能富士」鴻応山(京都府亀岡市、大阪府豊能郡豊能町)まで29.1km。

桂川の河川敷も真っ白ですね。
角度の関係で場所が分かりやすい上野橋だけ示しておきました。

鴻応山の右、写真では右端付近に見えているピークは能勢妙見山奥ノ院の周辺峰です。
上の写真では見切れていますが、肝心の妙見山は鴻応山のすぐ左に山頂部のみ望むことができます。
長年、大文字山(や比叡山)から能勢の妙見山が見えると言い続けてきましたが、当初は与太話だとなかなか相手にしてもらえず、山でお会いする方々に理解してもらうまで苦労しました。

大文字山の山頂から雪積もる五山「鳥居形」の字跡、広沢池周辺を望む 2015年1月
大文字山の山頂から雪積もる五山「鳥居形」の字跡、広沢池周辺、遠くに深山を望む。

主な山距離標高山頂所在地備考
半国山32.9km774.2m京都府亀岡市丹波富士
深山39.7km790.6m京都府南丹市
大阪府豊能郡能勢町
飛曽山44.5km663m兵庫県篠山市辻富士
満燈山
(タキ谷)
40.4km562m兵庫県篠山市
京都府南丹市
標高の値は
10mDEMによる

大文字山の山頂からは、いわゆる「五山送り火」の山のうち、「鳥居形」の字跡のみ望むことができます。
同様の構図は2013年12月31日に撮影した写真2014年8月7日に撮影した写真 でも掲載していますが、雪も無く、火も点いておらず、それが「鳥居形」であるとは分からない写真でした。
このように、火床に雪が積もると明確に分かりますね。

「鳥居形」の手前に見えているのは大覚寺さん、大沢、広沢の周辺で、田畑も白く雪化粧。
「鳥居形」の左は嵯峨鳥居本、「鳥居形」の後方には嵐山・高雄パークウェイの愛宕山展望台が写っています。
この展望台の周辺は夜になると明るく照らされるため、遠く離れた大文字山からでも確認できますが、日中では分かりにくいでしょうか。

遠くには深山のレーダ雨量観測所、丹波篠山の「辻富士」飛曽山も見えていますが、やはり霞んでいます。
先だって記録として残した日とはまた別に、深山は昨年末にも訪れましたが、その日は嫌がらせのような吹雪……、厳密に申し上げれば、細かなアラレ(霰)の嵐が吹き荒れ、あっという間に薄く積雪しました。
山域の最高峰ということもあり、北摂山系の他の山と比較して雪が多く、悪天候となる日も多いようです。
「深山」の名前は伊達ではありませんね。

整理の都合で記事を分けます。

大文字山の火床から雪が深そうな比叡山(四明岳)を望む 2015年1月

冬の京都 大文字山 雪の火床から比叡山や皆子山、大阪を望む

2015.01.18

1月2日の話は上の記事で終わりです。

以下は余談。
先週末の話、同居人が深夜に高熱を発し、症状を見てインフルエンザだと判断、すぐに救急指定病院へ連れていきました。
40℃近い高熱を出していたにもかかわらず、イナビルの吸引(投与)後、約20時間後には解熱。
他に風邪のような症状もなく、ただただ高熱と激しい頭痛、倦怠感のみで、すぐに回復しました。
私も感染した可能性を考慮し、少し様子を見ていましたが、とくに問題はないようです。
ご心配なく。

関連記事 2015年1月2日 新雪スノーハイキング

大文字山(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「大文字山」周辺の地図を表示
「大文字山(ダイモンジヤマ)(だいもんじやま)」
標高465.3m(465.4mから改定)(三等三角点「鹿ケ谷」)
京都府京都市左京区(山体は山科区に跨る)

ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!