大岩山の展望 大阪のハルカスや高層ビル群を遠望 伏見・山科

2014年(平成26年)9月の話。
この日は大岩街道から深草トレイルに入り、大岩山の大岩神社さんを参拝後、山上の展望所を訪れました。
雨上がりの竹藪山ではヤブカ(ヒトスジシマカ)の猛襲に悩まされましたが、標高は低いながらも広い視界を誇る大岩山展望所から、京都はもちろん、遠く大阪方面まで一望でき、その眺めの良さに見惚れます。

深草トレイル大岩山展望所コース(大岩神社参道)、大岩街道の上山口に建つ鳥居 2014年9月

大岩神社から大岩山展望所へ 深草トレイル(京都一周トレイル)

2014.10.05

大岩街道を起点として大岩山の大岩神社さんを登拝した話は前回の記事に。
今回はその続きで、主に大岩山展望所から見晴らせる遠景についての話です。

京都市伏見区 大岩山展望所の眺望

あべのハルカスを遠望

「深草トレイル」大岩山展望所から「あべのハルカス」、紀泉アルプスを望む 2014年9月
「深草トレイル」大岩山展望所から大阪の「あべのハルカス」、和歌山の紀泉アルプスを遠望する。

主な山、建築物距離標高
(地上高)
山頂所在地備考
雲山峰88.3km489.9m和歌山県和歌山市紀泉アルプス最高峰
大福山89.7km427m和歌山県和歌山市
大阪府泉南郡岬町
あべのハルカス42.3km(300m)大阪府大阪市阿倍野区日本一高いビル

大岩山展望所から見て「あべのハルカス・りんくうゲートタワービル・紀泉アルプスの俎石山」の3者は一直線上に並んでおり、これは過去に私が俎石山の北展望台から撮影した写真を、ちょうど反対側から望む構図となります。

俎石山から「あべのハルカス」、「りんくうゲートタワービル」を望む 2012年12月

桃の木台~俎石山を登山 関西国際空港、あべのハルカスを遠望

2013.01.14

ただし、「あべのハルカス」の陰となるため、大岩山展望所から俎石山の山頂は見えません。

大阪のビル街を一望

「深草トレイル」大岩山展望所から大阪の高層ビル群を一望する 2014年9月
「深草トレイル」大岩山展望所から大阪の高層ビル群を一望する。

京都の大岩山から大阪方面に対する遠景。
あべのハルカスから梅田スカイビルまで収めています。
梅田スカイビルの左にはグランフロント大阪のビル群が写っており、その後方にはコスモタワーが写っています。
やや分かりにくいでしょうから、そちら方面を撮影した写真を。

大阪都心部の高層ビル群

大岩山展望所から主に大阪都心部(梅田、中之島)のビル街を望む 2014年9月
大岩山展望所から主に大阪都心部(梅田・中之島)のビル街を遠望する。

主な建築物距離(地上高)所在地備考
The Kitahama39.0km(209.4m)大阪府大阪市中央区北浜タワー
中之島フェスティバルタワー39.3km(199m)大阪府大阪市北区
関電ビルディング39.7km(195.5m)大阪府大阪市北区
大阪府咲洲庁舎49.0km(256m)大阪府大阪市住之江区コスモタワー
梅田スカイビル38.8km(173m)大阪府大阪市北区

これなら分かりやすいでしょうか。
京都の多くの山から見えることでおなじみ、淀川に架かる鳥飼大橋も写っていますね。
とくに目立つアーチ橋は鳥飼大橋ではなく、鳥飼大橋に併設される大阪モノレールの淀川橋梁です。

現在、超高層マンションとしては日本一の高さを誇る「The Kitahama」を縦書きで表記するとレイアウトが崩れやすいため、今まで当ウェブサイトに掲載する写真においては俗称である「北浜タワー」と表示していました(ただし、記事の本文中では「The Kitahama」と表記していました)。
ですが、よく似た名称の「パークタワー北浜」が竣工したため、混同を避けるためにも、今後は写真においても正しく「The Kitahama」、ないし「ザ・北浜」と表示するほうが良さそうです。

和泉山脈 方面

大岩山展望所から和泉山脈、あべのハルカス、京都南部方面を眺望 2014年9月
大岩山展望所から和泉山脈、あべのハルカス、京都南部方面を眺望する。

主な山距離標高山頂所在地備考
高城山76.1km649m大阪府泉佐野市
大阪府貝塚市
犬鳴山
三峯山79.3km576.2m和歌山県紀の川市
大阪府泉佐野市
四石山84.3km384.4m大阪府泉南市
大阪府阪南市
和歌山県岩出市

和泉山脈でも西部寄りの山域を望むことができます。
写真には地名を表示していませんが、写真の左端、高城山よりさらに左に見えているピークは五本松(ハイランドパーク粉河)のあたりで、撮影時の等倍では五本松展望台らしき展望塔もはっきり写っています。
これより左(東)は河内飯盛山、生駒山に遮られるため、和泉山脈の中央、核心部とも言える山域はほぼ見えません。

伏見桃山城、中書島、淀 方面

大岩山展望所から伏見桃山城と宇治川、鳩ヶ峰、コスモタワーを望む 2014年9月
大岩山展望所から伏見桃山城と宇治川、鳩ヶ峰、コスモタワーなどを望む。
撮影地点から鳩ヶ峰(京都府八幡市)まで11.8km。
伏見桃山城(模擬天守)(京都市伏見区)まで1.9km。

鳩ヶ峰(男山)の手前に京滋バイパスと淀のマンション。
宇治川を挟んで横大路運動公園の一部も見えています。

京都西山 方面

眩しい西日と京都西山に下りる「天使の梯子」を大岩山展望所から望む 2014年9月
眩しい西日と京都西山に下りる「天使の梯子」を大岩山展望所から望む。
撮影地点からポンポン山(京都市西京区、大阪府高槻市)まで15.5km。

とくに山名は表示していませんが、ポンポン山は中央やや左寄り、太陽の下のピークで、ポンポン山との間に見えている目立つビルは京セラさんの本社ビルです。

西山の山々の上には雲が出ており、雲と稜線の合間に夕日が見えるかどうかは微妙なところ。
大岩山展望所は夜景の名所でもあることから、日没まで待つべきか迷いましたが、展望所にもヤブカが多く、これ以上は耐えられそうになかったため、ここで諦めて下山することに。
下りは深草トレイル大岩山展望所コースのうち、「深草トレイルマップ」 に見える”2″~”3″のコースを利用しました。
この日は大岩神社さんの参道でもある”1″のコースを利用して登り、桃山ポンプ所の横を抜ける”2″~”3″のコースを利用して下ったことになります。

私が滞在していた時間帯、展望所は貸し切りでしたが、下山時、入れ替わるように、歩いて登っていらっしゃる方や、原付バイクで上っていらっしゃる方など、おそらく夕景目当てであろう方々がちらほらと。
道すがら、山の向こうに沈む夕日が見え、これなら、あと少し、山の上に残っておけばよかったかなと思いましたが、後悔先に立たずです。

追記

「京都一周トレイル 伏見・深草ルート」について

「深草トレイル 大岩山展望所コース」の一部が、「京都一周トレイル東山コース 伏見・深草ルート」として、いわゆる「京都一周トレイル」と重なることになりました。

京都市:京都一周トレイル東山コース 伏見・深草ルートの開設について
https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000174398.html (リンク切れ)

開設日は2014年11月15日の予定。
展望所からの素晴らしい景色もあいまって、これから、ますます注目されることになるでしょう。
機会があれば、皆さんも訪れてみてください。

関連記事 深草トレイル 大岩山展望所の風景

すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。

大岩山展望所(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「大岩山展望所」周辺の地図を表示
「大岩山(オオイワヤマ)(おおいわやま)」
標高182m
京都府京都市山科区(山体は伏見区に跨る)

大岩山の山頂(標高点182m)は京都市山科区に所在しますが、「大岩山展望所」は京都市伏見区に所在します。

Facebookでもコメントできます。

2 件のコメント

  •  Maroさん、こんにちは。お世話になります。Maroさんが『2012年12月に俎石山の北展望台から撮影された写真』をあらためて拝見させていただきました。はじめて拝見させていただいた時は、「すごい!」と感じたのですが、(その後、私も俎石山に登る回数も増えた結果)、当然のこととして、「過去の私の最高の好条件」からすると、まだまだです。(もっともっと遠くが見えます。) 最高の条件の日にMaroさんに来ていただいて写真を撮っていただければ、すごくうれしいですが、それは不可能なので、自分で写真を撮れるようになれればと思ったりします。とはいっても写真に関しては私は、ド素人もいいところなので、どういうレベルのカメラで、どう撮影すれば、Maroさんの写真のような見事な写真が撮れるのか、もし可能ならアドバイスいただける(そういう記事を掲載してもらえる)とうれしいです。(かなり訓練しないと簡単には無理ですよね。当方、10年前に買ったデジカメしか持ってないです。)
    また、大阪のビル群の写真のコメント、可能な限りのビル名の表示もお願いしたいです。職場がOBPのビルなので、ツイン21ビルや京橋辺りのビル 等々も気になります。

    • こんばんは。
      2012年12月に俎石山などを縦走した日に撮影した写真、今、見返してみても、やはり、北向きの空は霞んでおり、決定的とも言える好条件の日の見え方には程遠いと感じますね。
      ただ、この日はあくまでも剣山地を望むことを主な目的として紀泉アルプスを訪れており、四国方面についてはおおむね期待どおりだったと言えます。
      ごく特殊な例を除き、一般的な展望や遠望については、確認が容易な地元の方や近辺の方の手に委ねるのが適切というのが私の考えですが、紀泉アルプスについては思い入れがあるため、北向きは北向きで、また、好条件の日にも訪れたいものです。

      私は写真撮影についても大した知識は持ち合わせておらず、プロフィールでも述べているように、趣味と呼べるかどうかあやしい程度のもので、いわば、ただの記録画像に過ぎません。
      他人様にアドバイスできるようなことはなにもないのですが、好条件の日に遠くの山々まで見えている、せっかくだから、これを記録として写真に残しておきたい、そのためには何が(どれくらいの焦点距離のレンズが)必要かということを以下に参考程度に。

      俎石山の北展望台から見て、右端に逢坂山から左端にポンポン山までを収めるためには35mm判換算で200mm相当のレンズが、右端に如意ヶ岳から左端に武奈ヶ岳(比良山地)までを収めるためには35mm判換算で300mm相当のレンズが必要となります。
      私は野鳥も撮影するため、明るく高価なレンズが必要な場合もありますが、風景の撮影だけであれば、とくに明るいレンズは必要ではありません。
      近年は35mm判換算で300mm相当のレンズを載せたコンデジも出ていますので、そういった軽いカメラでも撮影できるかもしれません。
      かさばりますが、デジボーグなど、望遠鏡を利用した組み合わせも考えられます。
      …実はマスメディアの方からも、私がどのような機材を用いて撮影しているのか教えて欲しいというようなお問い合わせをいただいたことがありますが、私自身が用いているのは大した機材ではありません。
      機材よりも、まず、機会があるかどうかが重要だと考えています。

      大阪のビル群は……、過去の大文字山の記事で、梅田阪急ビルなどの名称も詳細に表示した写真を掲載していますが、よく考えてみたら、今まで、京橋周辺のビルについては取り上げたことがありませんね。
      機会があればそちらも。

  • コメントする

    コメント本文の入力のみ必須。お名前(HN)とメールアドレス、ウェブサイトの入力は任意。
    管理人の承認後、お名前(HN)と本文のみ公開されますが、メールアドレスは管理人にのみ伝わり、他者に公開されることはありません。
    入力した本文の内容を確認後、よろしければ「コメントを送信」ボタンを押してください。
    当コメントフォームはGoogle reCAPTCHA により保護されており、訪問者が人かロボットかを識別しています。
    Google reCAPTCHA の動作に必須なため、ブラウザの設定でJavaScript を有効化してください。

    このサイトは reCAPTCHA で保護されており、Google の プライバシーポリシー利用規約が適用されます。

    Loading Facebook Comments ...

    ABOUTこの記事をかいた人

    Maro@きょうのまなざし

    京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!