伏見 稲荷山荒神峰 大阪のハルカスや和歌山の雲山峰を遠望

秋の大型連休、いわゆるシルバーウィークの期間中、2015年9月20日の話。
この日は京都側の山の上から遠くまでクリアに見えやすい日でした。
当初は京都西山から京都東山のライトアップを撮影しようと考えていましたが、出端を挫かれる出来事が起きたため、あえなく断念。
代わりに嵯峨嵐山の小倉山から東山を撮影することにしましたが、まだ時間も早く。
ちょうど訪れやすい場所にいたため、軽く稲荷山をハイキングでもと伏見稲荷大社さんへ。

今回の記事は、

清水寺、高台寺、東山区役所などから夜空に向けて照射される5色の光を小倉山から撮影

嵯峨嵐山 小倉山から「京都東山 天空のライトアップ」を遠望

2015.09.22

上の記事の続きのようなものですが、時系列としては今回の記事が先です。

秋の観光シーズンの真っ只中、伏見稲荷大社さんは想像を絶する混雑。
有名どころは避ければよかったと後悔しますが、観光客さんらに紛れて参拝し、京都一周トレイルから稲荷山を登ります。
夏富士さながら、御神山たる稲荷山(三ヶ峰)を登拝なさる方々が隙間なく連なるように列を成していらっしゃり、遅々として進まなかったものの、四ツ辻(いわゆる見付の峰)から岐れ、荒神峰の展望地へ向かうと人も減ります。
たまに物好きな外国人さんらが登っていらっしゃるくらいで、おおむね貸し切りに近い状態で稲荷山荒神峰からの眺望を楽しむことができました。

展望地からは眼下の京都盆地南部はもちろん、遠くには大阪の超高層ビル「あべのハルカス」の姿が浮かび上がるように見えており、その後方には和泉山脈や紀泉アルプスの稜線も明瞭に見えていました。
ぼんやり遠くを眺めていると、英語圏らしき外国人さんが集団で登っていらっしゃり、私に対して、あっち(遠く)が大阪か、こっち(眼下)が京都かとお尋ねに。
そうですよと肯定すると、「オーサカ」「オーサカ」と喜んでいらっしゃいました。
なぜだか理由は分かりませんが、稲荷山荒神峰から大阪方面が見えることは日本の方より外国の方のほうがよくご存じのようです。

京都伏見 稲荷山荒神峰の展望地から紀泉アルプス、あべのハルカスを遠望 2015年9月
稲荷山荒神峰から紀泉アルプス、あべのハルカスを遠望する。京都市伏見区。

主な山、建築物距離標高
(地上高)
山頂所在地備考
四石山85.6km384.4m大阪府泉南市
大阪府阪南市
和歌山県岩出市
雲山峰89.5km489.9m和歌山県和歌山市紀泉アルプス最高峰
大福山90.8km427m和歌山県和歌山市
大阪府泉南郡岬町
俎石山90.3km419.9m大阪府阪南市
大阪府泉南郡岬町
和歌山県和歌山市
あべのハルカス43.5km(300m)大阪府大阪市阿倍野区日本一高いビル
りんくうゲートタワービル76.1km(256.1m) 大阪府泉佐野市

9月としては、なかなかの好条件です。
荒神峰から「あべのハルカス」を撮影した写真は過去の記事でも何度か掲載していますが、和歌山県側の山まで明瞭に望む機会はめったになく。
写真の右手前で目立つ赤と白の煙突は南部クリーンセンター、その後方に淀のマンション、両者の間には京都競馬場が所在しますが、稲荷山から馬場の地表は見えません。

上の写真では分からないと思いますが、大福山の右手前、鳩ヶ峰(男山)の後方には「りんくうゲートタワービル」の上部がうっすら写っています。
ただでさえも曖昧なうえ、山の陰となっているため、なおさら分かりにくく。

伏見稲荷大社 荒神峰から「あべのハルカス」、「りんくうゲートタワービル」を遠望 2015年9月
伏見稲荷大社さんの裏山たる稲荷山荒神峰から「あべのハルカス」、「りんくうゲートタワービル」の上部を望む。

やや大きめにリサイズ、トリミングしてみましたが、これでも分かりにくいでしょうか。
りんくうゲートタワービルの先が僅かに見えているだけであり、りんくうタウンの大観覧車や関西国際空港などは見えません。

稲荷山から「あべのハルカス」カウントダウン「99」を望む 京都市伏見区 11月28日

稲荷山 荒神峰の夜景 京都伏見 ハルカスのカウントダウン遠望

2013.12.01

かつて、決定的好条件の日に撮影した遠望夜景の写真には、りんくうゲートタワービルが明確に写っています。
上のリンク先の記事に写真を掲載していますので、興味がある方は。

最後に短いですが動画でも。35秒。

稲荷山荒神峰の展望地から大阪の「あべのハルカス」や和歌山の紀泉アルプスを動画で撮影。

八幡市の鳩ヶ峰(男山)の手前、宇治川の後方に京滋バイパスを行き来する車も写っていますね。
ひときわ目立つ超高層ビルが「あべのハルカス」、その奥の山影が和歌山市最高峰の雲山峰です。

荒神峰から和泉山脈の山々は見えますが、その左(北東)に所在する生駒山が見えません。
四ツ辻から少し下がったあたりから生駒山を見通せますが、そちらは眼下の京都南部が見えにくくなります。

実は、この日、私が荒神峰から撮影した写真には、あべのハルカスだけではなく、他の興味深い建築物や山影も写っていました。

時間と整理の都合で記事を分けます。

京都伏見 稲荷山荒神峰から大阪の高層ビル群、梅田スカイビルを遠望する 2015年9月

伏見稲荷大社 荒神峰から大阪の高層ビル群、淡路島を遠望

2015.09.27

続きは上の記事に。

関連記事 2015年9月 秋の稲荷山から遠景を

すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。

稲荷山(地理院 標準地図)

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稲荷山荒神峰はかつての田中社神蹟とされています。
稲荷山四ツ辻から「権太夫大神」方面への階段を登り、道なりに進めば荒神峰の展望地。

「稲荷山(イナリヤマ)(いなりやま)」
標高233m
京都府京都市伏見区(稲荷山の山体は山科区に跨る)

「伏見稲荷大社」
京都府京都市伏見区稲荷山官有地 付近

ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!