京都 日野山パノラマ岩の夜景と展望 あべのハルカスを遠望

2014年(平成26年)1月16日の夕暮れ時の話。
この日は……、いえ、この日も、と申し上げるべきでしょうか、1月14日に引き続き、16日も宇治市と京都市伏見区の市境に所在する日野岳(日野山)をサンセットハイキング、トワイライトハイキング。
好展望地として知られる「パノラマ岩」からは、遠く和泉山脈や淡路島、それに、明石海峡大橋の主塔の向こうに沈む夕日の姿を拝むことができました。

日野岳から明石海峡大橋主塔の向こうに沈む夕日を望む 京都市伏見区 2014年1月

日野岳 明石海峡大橋に沈む夕日と四国を望む 京都市・宇治市

2014.01.30

日野岳から遠く四国(の一部)や明石海峡大橋(の主塔)を眺めた話は前回の記事に。
今回はその続きで、2014年の年明けから何度か登った「日野岳(ひのだけ)」シリーズの最終回とも言える内容です。

以下は日没後に撮影した写真となります。

京都市 日野岳(日野山)パノラマ岩の展望・眺望

大阪の夜景、遠方に淡路島 方面

日野岳(日野山)から大阪の夜景と「あべのハルカス」を望む 2014年1月
京都の日野岳「パノラマ岩」から大阪の夜景と「あべのハルカス」を望む。

右端に梅田スカイビル、その後方に淡路島南部の諭鶴羽山地、左端に「あべのハルカス」、その後方に和泉山脈西端部の山々を収めています。

前回の記事でも少し触れましたが、中央に見えるビル群に遮られるため、淡路島と本州本土の間、紀淡海峡に浮かぶ友ヶ島を望むことはできません。
もし、建築物がなければ、友ヶ島の標高が高い地点を望むことができるでしょう。
ただし、撮影地点である「パノラマ岩」の標高は335m前後であり、「パノラマ岩」から見て(大気差を考慮しなければ)約66km先で水平線に達するため、いずれにせよ、約100km離れた紀淡海峡の海面そのものを望むことはできません。

この335m前後という標高は、奇しくも大文字山の「大」の字の火床の標高と同等ですが、同じ京都市内の東部に所在する山とはいえ、両座は南北に約10kmも離れているため、そこから見える景色は、近景、遠景、いずれも異なります。
たとえば、次の写真に写る観覧車は大文字山の火床から見えません。
両山の間に所在する逢坂山の展望地からは見通せます。

梅田スカイビル、コスモタワー、諭鶴羽山を遠望

日野岳「パノラマ岩」から大阪の高層ビル群、淡路島南部の山々を望む 2014年1月
日野岳「パノラマ岩」から大阪の高層ビル群、淡路島南部は諭鶴羽山地の山々を望む。

主な山、建築物距離標高
(地上高)
山頂所在地備考
諭鶴羽山121.4km607.9m兵庫県南あわじ市淡路島最高峰
柏原山112.1km568.9m兵庫県洲本市
大阪府咲洲庁舎50.3km(256m)大阪府大阪市住之江区コスモタワー
梅田スカイビル40.3km(173m) 大阪府大阪市北区

写真中央、赤い観覧車が目立っていますが、これは「HEP FIVE」の観覧車ですね。
梅田スカイビル、コスモタワーと淡路島最高峰が同じ構図に収まるのは醍醐山地の山から撮影した写真ならではでしょう。

実は、スカイビルの左手前(淀川の手前)に、ひらかたパークの観覧車「スカイウォーカー」も写っていますが、場所が分かりにくいです。
イルミネーションによりライトアップされる夜であれば……。

「淡路富士」先山を遠望

日野岳「パノラマ岩」から淡路富士を望む 京都市伏見区 2014年1月
日野岳「パノラマ岩」から淡路富士を望む。

主な山距離標高山頂所在地備考
高倉山107.1km266m兵庫県淡路市
三角点422.6m峰111.3km422.6m兵庫県洲本市点名「念仏堂」
先山111.3km448m兵庫県洲本市淡路富士
感応寺山114.2km278m兵庫県南あわじ市

狭く限られた範囲を撮影しているにもかかわらず、淡路島の3つの地方公共団体(淡路市、洲本市、南あわじ市)、すべての市の山が写っている点に地理的な面白さを感じます。
高倉山より右手は前回の記事で写真を掲載した妙見山方面へと続きます。

「淡路富士」先山は約100km離れた大峰山脈の山々から望むこともできますが、日野岳のように110kmを超える距離から遠望できる山はさすがに限られています。
たとえば、私にとって馴染みがある湖南アルプスの山々を例にとると、好展望の山として知られる笹間ヶ岳、堂山からはそもそも望むことができず、太神山からであれば、計算上は望むことができますが、現地は木々が多く、現状ではその合い間に覗くことも難しいでしょう。
決定的好条件の日に金勝アルプスから……、といったところでしょうか。

追記しておきますと、その後、滋賀県に所在する山の上から「淡路富士」先山(や四国の剣山)の撮影に成功しました。

この日は大阪方面の空気が澄んでいたこともあり、まだ明るさを残す時間帯からいつもの数字も条件よく見えていました。

ハルカス開業カウントダウン「50」の数字を遠望

日野岳から「あべのハルカス」全面開業カウントダウン「50」を望む 1月16日
日野岳「パノラマ岩」から「あべのハルカス」全面開業カウントダウン「50」を望む。

この「50」の数字は「あべのハルカス」がグランドオープンするまでの残り日数を示しています。

稲荷山から「あべのハルカス」カウントダウン「99」を望む 京都市伏見区 11月28日

稲荷山 荒神峰の夜景 京都伏見 ハルカスのカウントダウン遠望

2013.12.01

過去の稲荷山荒神峰の記事に詳しく。

私は1月6日に「パノラマ岩」から「60」を撮影しており、この夜は「50」となります。
実を言うと、「50」は約50km離れた大文字山から撮影しようと考えていたのですが、当日までにはそのようなことはすっかり忘れており、「パノラマ岩」から照らされた「50」の数字を見てようやく思い出した次第です。
もっとも、大文字山を登っていたならば、明石海峡大橋や淡路富士は撮影できず、結果的には忘れていたことが幸いしたとも言えるでしょう。

りんくうゲートタワービル、紀泉アルプスを遠望

日野岳から「あべのハルカス」と「りんくうゲートタワービル」を望む 2014年1月
京都の日野岳から大阪の「あべのハルカス」と「りんくうゲートタワービル」を望む。

主な山、建築物距離標高
(地上高)
山頂所在地備考
学文字山93.4km212m大阪府泉南郡岬町
藤戸山93.3km305m大阪府泉南郡岬町
飯盛山
(和泉飯盛山)
(泉南飯盛山)
92.4km384.5m大阪府泉南郡岬町
旗立山90.2km392m大阪府阪南市
大阪府泉南郡岬町
俎石山90km419.9m大阪府阪南市
大阪府泉南郡岬町
和歌山県和歌山市
大福山90.6km427m和歌山県和歌山市
大阪府泉南郡岬町
りんくうゲートタワービル75.8km(256.1m)大阪府泉佐野市
あべのハルカス43.3km(300m)大阪府大阪市阿倍野区日本一高いビル

紀泉アルプスや和泉山脈西部の山々のみならず、この夜は「りんくうゲートタワービル」まで撮影できました。
日中に「りんくうゲートタワービル」を京都市側から望むのは困難です。

京都の夜景、大阪の夜景を一望

日野岳「パノラマ岩」から京都の夜景、大阪の夜景を望む 2014年1月
日野岳「パノラマ岩」から京都と大阪の夜景を望む。

右端に六甲山を、左に「あべのハルカス」を、左端に雲山峰を収めています。
上空には真っ黒な雲、あまり見映えがよい写真ではないものの、眼下に広がる京都市伏見区、宇治市、久世郡久御山町方面の夜景、遠くには大阪の夜景や淡路島も写っており、そう悪いものではないでしょう。

この山の名前を「日野岳」とするか「日野山」とするか、相変わらず悩みどころ。
地理院地図に山名が表示されない山にかぎり、私は基本的には現地の呼称を優先しますので(現地現称)、当面は「日野岳」としておきますが、鴨長明の『方丈記』をしのんで、本記事にかぎり「日野山」をタイトルとしています。

日野岳 「長明方丈石」の上に建つ石碑 京都市伏見区 2014年1月

日野岳(日野山)ハイク 供水峠~パノラマ岩 鴨長明と遠景

2014.01.24

『方丈記』と日野山についてはシリーズの初回で詳しく。

供水峠 石仏と石清水(御供水) 2016年5月

天下峰を登山 京都府宇治市 豊臣秀吉 日野岳か日野山か

2016.05.13

「日野岳」と「日野山」の現地表記については上の記事で少しだけ。

関連記事 2014年1月 ナイトハイク 日野岳の風景

すべて同時期の山行記録です。併せてご覧ください。

日野岳(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「日野岳」周辺の地図を表示
「日野岳(ヒノダケ)(ひのだけ)」
あるいは「日野山(ヒノヤマ)(ひのやま)」
標高373m
京都府宇治市、京都市伏見区

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2 件のコメント

  • Maroさん、おはようございます。今頃、こちら同様、京都も夜に積もった雪に対して、雨が降り注ぎ、雪を溶かしているような状況でしょうか。この雨が上がれば、明日は、遠望の好機なんじゃないだろうか?!と考えています。あたりをつける ポイントって何かあるのでしょうか。結局は、好条件に巡り会うためには、「日々の努力、自分なりの研究、経験、頻繁に山に登り続けること」が大事ってことだと思いますが。「楽したらあかん」って怒られそうですね。
     家の屋根に積もった雪の落ちる音が、、、 何か気持ちが悪い。普段は他人事なのに、こういう時だけ、(比べものにならないですが) 雪国で生活している人の気持ちがわかるような気がします。
     京都もすごく寒いのでしょうね。Maroさん、御身体の方は大丈夫ですか。御自愛下さい。
    といっても、冬もあと たったの1カ月で終わって、桜の季節ですね。

    • こんばんは。
      山沿いを除き、京都市は湿ったみぞれが降っていた時間が長かったようです。
      今回はどちらかといえば太平洋寄りの地域のほうが影響が大きく、今から3年前、2011年2月だったでしょうか、和歌山市に雪を積もらせたあの低気圧を思い出しました。

      遠望は気象条件に大きく左右される、それも、観測地点だけではなく、対象となる地点や、間に所在する地、それぞれについて考える必要があります。
      たとえば、厳冬期に入ってしまうと、湖北や湖西、比良山地の山々を遠くから望む機会は極端に減ってしまいます。
      また、例年、2月ともなると、遠くの平地、あるいは低山を望むのは難しくなるため、そろそろ、大文字山から紀泉アルプスの山々を望む機会も減るでしょう。
      ただし、遠くの高峰を望むのはまた別問題です。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    Maro@きょうのまなざし

    京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!