2013年5月2日、ゴールデンウィークの話。
この日は和歌山県海南市に所在する熊尾寺山を登山。
「和歌山県 朝日夕陽百選」にも選定されている「森林公園 雨の森」の展望台からは、遠く六甲山や四国まで見えており、美しい夕日を望むこともできました。
展望台から紀泉アルプス越しに六甲山や摩耶山を撮影した話は前回の記事に。
引き続き、今回も展望台からの眺めを紹介します。
当地は熊尾寺山の山頂から見て北、標高点423mの付近に所在し、雨の大明神さん(雨の森大明神さん)が祀られています。
熊尾寺山「森林公園 雨の森」展望台(和歌山県海南市)から海南、和歌浦、紀淡海峡、友ヶ島、淡路富士の夕景を望む。
撮影地点から「淡路富士」先山(兵庫県洲本市)まで43.8km。
「淡路富士」先山、それに、新和歌浦の章魚頭姿山(高津子山)、双子島、船尾山など、眼下には海南の街並み、右下手前に海南駅が写っています。
よくよく眺めてみると、高津子山の展望台らしき施設も写っています。
熊尾寺山「森林公園 雨の森」展望台から四国、紀伊水道、淡路島、海南港と夕日を望む。
撮影地点から大山(徳島県板野郡上板町、香川県東かがわ市)まで77.5km。
大麻山(徳島県鳴門市)まで68.0km。
いよいよ日没が近付いてきました。
計算上、この構図の左手には矢筈山や剣山といった剣山地の高峰が連なって見えるはずですが、木々に遮られるため、現状、こちらの展望台から望むことはできません。
そもそも、この時期の気象条件では約110km先に所在する剣山を望むのは困難でしょう。
遠望において、紀伊水道越えの難度は明石海峡越えのそれとは比較になりません。
「和歌山県 朝日夕陽百選」「森林公園 雨の森」展望台から沈む夕日を望む。
案の定、淡路島の上に見えていた雲の向こうに沈んでしまいましたが、ぼやけた失せ方ではなく、すっと隠れたため、これはこれで美しいものがありました。
「森林公園 雨の森」展望台から日没後の夕焼け、海南市、和歌山市、紀伊水道、淡路島などを望む。
中央が名草山で、その左手前あたり、黒江の山の上、送電鉄塔らしきなにかが点滅しており、タイミングを計って撮影していますが、広角で撮影、かつ、リサイズしてしまうと分かりませんね。
日没後の紀伊水道、海南の工場夕景を「森林公園 雨の森」展望台から望む。
四国、沼島、淡路島、紀伊水道、毛見崎、和歌山マリーナシティ、住友金属海南工場、海南火力発電所、海南港などが写っています。
「工場夜景」ならぬ「工場夕景」でしょうか。
昨年、向こうに見える諭鶴羽山の上から、逆にこちら、海南方面を撮影したことを思い出します。
今年もまた淡路島に渡りたいと考えながら、すでに真っ暗な山を駆け下りました。
けっして京都市では見ることができない、海の向こうに沈む夕日の光景……、和歌山ならではの素晴らしいサンセットハイク、ナイトハイクでした。
…そういえば、展望台にはベンチが備わっていたと記憶していますが、跡形も無く。
なにがあったのやら。
関連記事 「森林公園 雨の森」展望台からの夕景、夜景
すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。
- 熊尾寺山ハイク 雨の森展望台から淡路島を遠望 海南市 藤白山脈
- 雨の森展望台の夕日 紀伊水道の夕景 海南から四国遠望 夕陽百選
熊尾寺山(地理院 標準地図)
「熊尾寺山」標高542.9m(二等三角点「引尾」)
和歌山県海南市
熊尾寺山の読みについては、ハイカーの間では「くまおじやま」と読まれているようですが、個人的に、その読みには疑問が残ります。
二等三角点「引尾(ひきお)」の「点の記」を見てみると、1901年(明治34年)に三角点を設置した当時の所在地名は「和歌山県海草郡仁義村大字引尾字熊ノ尾寺」(→海草郡下津町大字引尾字熊ノ尾寺→海南市下津町引尾)であり、点名は大字の「引尾」に由来することが分かります。
山名は小字の「熊ノ尾寺」に由来するようですが、京都など各地の地名に見える「松尾(まつのお)」、それに、海南市と和歌山市を分ける「船尾山(ふのおやま)」のように、こちらも「くまのお」が適切な読みではないかと考えています。
その場合、「くまのおでら」であるか「くまのおじ」であるかは分かりませんが、一般的な地名の訓読み(大和言葉)としては前者でしょうか。
海南・紀伊路と言えば、いわゆる熊野王子(くまのおうじ)との関係も気になるところで、機会があれば地元の方からお話を伺いたいものです。
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