昨晩、つまり2016年(平成28年)5月18日は大文字山の山麓にあたる銀閣寺道の周辺でホタル(蛍)を見物。
他には地元の観察員の方しかいらっしゃらず、その方とお話ししながら、のんびりと「蛍狩り」を楽しむことができました。
時期的に少し早いかと思いましたが、思いのほか数が多く。
観察員の方がおっしゃるには16日の雨上がりがさらに多く飛んでいたそうです。
平地におけるホタルの発生時期は、山における山野草の開花時期ほど暖冬や温暖化の影響は受けないようですが、それでも今年の初観測日は昨年より数日早かったそうで、近年としては最速では、とのことでした。
貴重なお話、ありがとうございました。
「哲学の道」(琵琶湖疏水分線)付近のホタル(蛍)。光跡。京都市左京区。
地元の方々らが「哲学の道」や疏水を綺麗に保ち、ホタルを見守っていらっしゃいますが、せっかく増えたホタルを捕まえる人がいることに頭を悩ませていらっしゃいました。
私自身、近くに寄ったホタルを子どもらが手の内に収める姿を過去に何度も見ています。
私が「子どもは悪気なく捕まえているのですよね」と申し上げたら、「だから注意もしにくい」「獲ったら駄目とは言えない」と。
何事にかぎらず、その場の雰囲気を壊さないように諌める行為というのは難しいものです。
そういったことにも気を配っていらっしゃるのかと感心しながらも、やはり、みんなで考えていく必要がある問題だとも。
「蛍狩り」とは申しますが、現代においては実際に捕まえるのではなく、「紅葉狩り」などと同様、あくまでも風情ある光景を楽しむに留めたいものです。
話は大きく変わりますが、午後はセッコクの様子を見てきました。
例年、平地のホタルの時期と、山のセッコクの花期は重なる印象を受けます。
セッコク(石斛)。岩場のお花。京都府。
ラン(蘭)の仲間でも、いわゆる長生蘭、デンドロビウムの一種です。
セッコクの白いお花も見頃を迎えていました。
一昔前は5月末に満開だったのが、いまや5月中下旬には満開に。
昨年、今年と、春の山野草の花期は、それ以前の年と比較すると1週間ほど早まっています。
この植物を個人的には「セッコク」と呼んでいますが、京都府レッドデータブックでは「セキコク」を採用しています。
昨年の記事のタイトルでは「セッコク」としましたが、今年は「セキコク」も併記しておきましょう。
『本草和名』や『倭名類聚鈔』によると、古くは「以波久須利(イワグスリ)」と呼ばれていたようです。
昨年(2015年)の話は上の記事に。
岩壁に自生するセッコク(セキコク)。着生蘭(岩生蘭)。京都府。
険しい岩肌に張り付いてますね。
昔は京都の多くの山で見ることができた(らしい)セッコクも、今となっては手軽に観察できる地点は限られています。
京都市内の山としては有名な○○○山に咲くセッコクを採集した昔話……、もちろん、大昔のお話で、採集圧(盗掘)の意識が低かった時代ですが、その貴重とも言える体験談をインターネット上で公開なさる方がいらっしゃいました。
山行記録を興味深く拝読し、この頃に自分が生まれていたら……、などと妄想したこともありますが、いつの間にやら、その方のウェブサイトごと消滅していました。
昔と現在で変わらない価値観もあれば、「蛍狩り」もそうですが、明らかに変化したものもあります。
過去に許されていた行為が、現代でも通じるとは限りません。
知らないとサクラソウ科の植物とは思えません。
上の写真に写る花は6弁花ですが、基本的には5弁花です。
あたりは綺麗な水の流れでしたが、写真では伝わりません。
黄色いミゾホオズキのお花が目立ちますが、右のほうに小さな小さなミズタビラコのお花も写っています。
ミゾホオズキやミズタビラコ、それにタニギキョウは、これからの季節、京都の多くの山・谷で観賞できます。
控えめなお花ばかりですが、やや草花が減る時期ということもあり、いずれのお花も見掛けると嬉しくなります。
京都の昨日18日の最高気温は29.6℃で、今日19日の最高気温は29.3℃。
かろうじて真夏日はまぬがれましたが、日差しを浴びる環境下では夏そのものの暑さ。
14日に京田辺市の山(~枚方市・生駒市の山)を登りましたが、今年初めてヤブカ(ヒトスジシマカ)の襲撃を受けました。
まったくもって余談で、今回の話とは無関係ですが、その2016年5月14日に京都市左京区岩倉の北東端部でツキノワグマが目撃されています。
私が17日に付近の山を歩いた際は熊の気配は感じなかったですが、瓢箪崩山や箕ノ裏ヶ岳を登る方はご注意を。
17日の話は上の記事に。
2016年5月
京都府
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