京都 小倉山から初日の出を拝む 嵯峨嵐山ハイク 2016年1月

数字以外、何が変わるというわけではありませんが、2016年(平成28年)となりました。

初日の出 京都・嵯峨嵐山の小倉山から元旦のご来光を拝む 2016年1月1日
京都・嵯峨嵐山の小倉山から元旦のご来光を拝む。2016年1月1日撮影。
奥醍醐山の向こうから初日の出。右手前には桂川(大堰川)に架かる渡月橋。
よく見ると、桂川の水面を朝日が照らしています。

今年は申年ということもあり、神猿さんで知られる近江坂本の日吉大社さんを参拝がてら、そのまま、申年の山と言える比叡山(日枝山)をナイトハイクし、新年の夜明けを迎えようと考えていました。
ただ、大晦日の夕方から雨が降り始めたこともあり、夜明け時には湿気や雨雲が残った空模様になる可能性も高く、そのことを思うと、今ひとつ高い山を登る気力が湧きません。
どうするか優柔不断に悩んでいたら、日付が変わる直前に寝落ちしてしまい、ふと気付けば新年に……。

すっかり雨は止んでいたため、慌てて準備を済ませ、近所の神社さんに初詣し、これからどうするか考えます。
大文字山の現地にいらっしゃった某氏によると、年が変わる前後、つまり、2016年1月1日0時前後には大文字山に降る雨は雪に変わっていたそうで、さらに、比叡山ドライブウェイは積雪でタイヤ規制、ノーマルタイヤでは夢見が丘(夢見ヶ丘)止まりとの情報も得ます。
暗くてよく分かりませんが、比叡山のみならず、愛宕山も山の上では雪が積もっていることでしょう。
ひとまず、比叡山は諦め、他にお猿さんの山はないかと思案。
京都東山にもお猿さんと関わる山があることは把握していますが、これは昨年の年末から小ネタを仕込んであるので後回しにします。

疾走するサル(猿) 亀山公園(嵐山公園 亀山地区) 京都市右京区 2015年1月
亀山公園(嵐山公園 亀山地区)を疾走するお猿さん。

そこで、京都でお猿さんといえばココ! 嵯峨嵐山の山を目指すことにしました。
今からでは嵐山城跡の山には間に合いそうもなく、当ウェブサイトではお馴染みの小倉山を選びます。
先に触れた「小ネタ」とも関わりますが、私は昨年末の12月30日も嵐山(の法輪寺さん)を訪れており、わずか2日後の再訪となりますが、なんだか随分と前の話のような気がしてしまいます。
少し寄り道していたこともあり、阪急嵐山駅に到着した頃には彼は誰時も近く。
あたりは薄暗いものの、すでに東の空は明るさを見せ始めています。
嵐山の渡月橋の付近から眺めた感じ、比叡山と大文字山の上には雲が出ているようにも見えましたが、幸いなことに、小倉山から見て新春の朝日が姿を現す醍醐山の上には雲が見当たりません。
あとは山上の展望地に間に合うかどうかです。

渡月橋の奥では初日の出を待っていらっしゃると思わしきカメラマンの方々がたむろなさっていましたが、路上駐車した車のライトは歩行者に向いて眩しく、吸ったタバコはポイ捨て、ひどい有り様です。
帰りに同じ場所を通ってみたら、カメラマンさんらが捨てたものとは限りませんが、タバコの吸い殻が路上に大量に放置されていました。

さておき、亀山公園(嵐山公園 亀山地区)の奥から急いで小倉山を登ります。
小倉山の展望地は初日の出の観賞スポットとしては(私の中では)定番中の定番ですので、すでに混雑が予想されます。
これまた幸いなことに、撮影適地とも言える隅が空いており、そこに陣取りました。

新年の夜明け直前 小倉山の展望 桂川(大堰川)に架かる渡月橋に朝靄 2016年1月1日
2016年、新年の夜明け。小倉山の展望。醍醐山地、京都タワー、桂川(大堰川)。渡月橋には朝靄。

主な山、建築物距離標高
(地上高)
山頂所在地
西千頭岳
(千頭岳三角点峰)
19.0km601.8m京都府京都市伏見区
醍醐山17.8km454m京都府京都市伏見区
本宮ノ峰
(奥醍醐山)
19.0km476.0m京都府京都市伏見区
稲荷山12.4km233m京都府京都市伏見区
京都タワー9.4km(131m)京都府京都市下京区

7時過ぎ、ご来光が姿を現す直前、暁の空を撮影しました。
この時点で写真の右下に写る渡月橋は薄い朝靄に包まれており、小倉山から見下ろすと幻想的な雰囲気でしたが、渡月橋の上に並んで初日の出を待つ方々は霧の中と感じたでしょうか。
展望地から眺めていたかぎり、日の出時には朝靄もおおむね失せたようです。

写真では場所すら分かりにくいですが、京都タワーの塔体はライトアップしていたようで、7時頃までは明るく光っていました(光っているように感じました)。
初日の出のイベント(元旦初のぼり)の関係かもしれません。

そろそろです。
醍醐山と本宮ノ峰(奥醍醐山)の間、分かりやすく申し上げれば、伏見の稲荷山より、さらに向こうの山の陰から朝日が姿を現すでしょう。

初日の出を京都・嵯峨嵐山の小倉山から望む 2016年1月1日
2016年の初日の出を嵯峨嵐山の小倉山から望む。

小倉山の展望地から見て、初日の出の時刻は7時8分頃
醍醐山地の稜線の向こうから朝日が姿を現し、詰めかけた方々の間から歓声があがります。
すがすがしい新年の始まりとなりました。

醍醐山の向こうから姿を現したご来光を小倉山から望む 京都タワーの位置 2016年1月1日
醍醐山の向こうから姿を現したご来光を小倉山から望む。位置関係を分かりやすく。

醍醐山の山頂は標高点454m峰を採用しています。
醍醐寺さんが醍醐山(上醍醐)の山頂と見なしていらっしゃる地点とは異なります。
また、現地で確認するかぎり、標高点454mの地点より、0.05~0.06kmほど北の地点のほうが僅かに高いように思えます。
いずれにせよ、醍醐山の山上はなだらかで、そのことが遠くから見ても分かります。

初日の出を京都市の小倉山から望む 山名表示無し 2016年1月1日
山名表示無し。朝日が眩しくて京都盆地の街並みはさっぱり分かりませんね。
日輪(太陽)の上に、天使のリングのような雲の「輪」が。

日が昇ってしまうと興味が失せたのか、新年早々、このようなことをしている場合ではないと我に返るのか、皆さん、そそくさと下山なさいます。
その後も山の上に残る方は、ひそかに眺望を楽しみたい方でしょうか。
元日らしい寂然たる雰囲気を取り戻した山の上で、残っていらっしゃった地元の方と少しばかりお話を。
小倉山にはよく登っていらっしゃるようですが、小倉山から見える遠くの山の名前については少し不安があるようでした。
そこで、あの山が湖南の阿星山、あの山が山城の鷲峰山……、などと、短い時間ながら、私に分かるかぎりのことをお伝えします。
別の展望地から眼下に見える北嵯峨の風景、雪を頂く愛宕山……、展望や遠景、それに、その方のご趣味などについて少しお話を楽しみますが、やがて私ひとりに。

正月の小倉山から積雪する愛宕山を間近に見上げる 京都市右京区 2016年1月

元旦登山 小倉山から嵯峨富士、都富士を望む 遍照寺山はどこ?

2016.01.04

展望地から撮影した写真は上の記事に。

嵯峨野が霧で包まれないか、山の上から眺めていましたが、雲海が生じるには程遠く、そろそろ私も下山することに。
そのようなことを考えていたら、小倉山から亀山への下りで私自身が濃い霧の中に入ってしまいます。
それもわずかな間のみで、すぐに抜けましたが、亀山公園の展望台から後ろを振り返り、小倉山方面を見てなっとく。

亀山公園(嵐山公園)の保津川展望台から山上ヶ峰、小倉山の山間峡谷、大悲閣などを望む
亀山公園(嵐山公園)の保津川展望台から山上ヶ峰と小倉山の山間峡谷、大悲閣などを望む。
遠方には山上ヶ峰(北松尾山)の姿も。

小倉山の中腹が煙っていますね。あの中を歩いていたのでしょう。
(山としての)嵐山の山腹には大悲閣(千光寺さん)が見えていますが、時間帯によってはガスの中だったかもしれません。
それはそれで幻想的で美しい光景でしょうね。

この保津川・保津峡展望台からは小倉山の山頂や展望地は見えません。
小倉山でも展望地の下にあたる南東の中腹域が見えています。
「亀山公園の展望台から小倉山の展望地が見えない」、あるいはその逆を立証するのは容易で、亀山の展望台から手を振ったり、旗を振っても、小倉山の展望地からは確認できず、逆もまたしかりです。

新年早々、気持ちの良い初日の出ハイキングでした。
小倉山の現地で場所を融通してくださった方々に感謝いたします。

申年の元日に京都東山・新日吉神宮を参拝 2016年1月1日

東山三十六峰 今熊野山と阿弥陀ヶ峰 新日吉神宮と申年の猿

2016.01.08

…私の元日の話はこれで終わりではなく、この後、お猿さんの神社さんを参拝し、お猿さんの山を登りましたが、それはまた別の話。
今年もよろしくお願いいたします。

追記がてら、念のために申し上げておきますが、小倉山の展望地はさほど広くもなく、初日の出を拝める人数は限られています。
後先考えず、大手のサイトさんで広めた結果、なにかしらのトラブル等が発生したとしても、当方では責任を負いかねますので悪しからず。

関連記事 2016年1月1日 小倉山 初日の出ハイキング

小倉山(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「小倉山」周辺の地図を表示
「小倉山(オグラヤマ)(おぐらやま)」
標高296m
京都府京都市右京区

便宜上、当ウェブサイトでは桂川左岸(右京区以北)を「京都北山」、右岸(西京区以南)を「京都西山」と定義しているため、愛宕山や小倉山は「京都北山」に区分しています。

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2 件のコメント

  • はじめまして、大阪在住の中島と申します。
    サイトを拝見しましてご連絡させていただきました。
    6/2.3に外国人の観光客の方が京都で朝日か夕日を撮影できるスポットを教えて欲しい
    と申されまして、建物などに邪魔されず撮影できるところを探しております。
    もし可能でありましたら是非おおしえいただけましたら幸いです。
    何卒宜しくお願いいたします。

    • はじめまして、中島様。
      見知らぬ方、ましてや観光でいらっしゃる方に対し、どこそこが良いのではないかと無責任に薦めることはできません。
      ありふれた面白みのない意見を申し上げるとすれば、東山山頂公園で夕日をご覧になるのが手軽で良いかもしれませんね。

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    Maro@きょうのまなざし

    京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!