京都北山 桃山を登山 金剛山、大峰山、大台ヶ原山を遠望

いつの間にやら、12月も28日に。
年内に片付けないといけない用事がまだまだ山積みです。
あと数日で今年、2015年が終わろうとしているなんて信じられません。
少し前の記事でも申し上げましたが、とくに悪天候でもなければ、例年通り、大晦日は大文字山のどこかでだらだら過ごしているでしょう。

さておき、2015年11月の話。
紅葉の様子見がてら、京都市北区鷹峯の光悦寺さんを参詣。
境内の展望地から「鷹峯三山」を眺めているうちに、久々に「天峯(天ヶ峰)」を登りたくなりました。
光悦寺さんが鷹峯三山の天峯(天ヶ峰)と見なしていらっしゃる山は、一般的には「桃山」と呼ばれている標高点466m峰で、付近の沢山(沢ノ池)や吉兆山(吉兆寺山、吉兆谷山)と併せ、ハイカーの間では親しまれています。
桃山の山頂付近、通称「桃山見晴台」からの眺めは素晴らしく、眼下に広がる京都の街並みを俯瞰すれば、その背には京都東山や醍醐山地の連なりをも一望できます。
東山側からの眺望と異なり、大阪方面こそ見えないものの、空気が澄んで遠くまで見えやすい日には、南に金剛・生駒はおろか、遥か彼方には大峰・台高の高峰まで見晴らすことができ、低山ながら、この周辺山域では西賀茂氷室の寺山と並ぶ好展望地と言えるでしょう。

今回の記事は、

京都北山 早朝の沢ノ池・沢山 京都一周トレイル 2015年9月

鷹峯三山 天峯(桃山)ハイキング 護法ヶ谷から吉兆山へ

2015.12.24

上の記事の続きです。

京都市 桃山見晴台の景色

この日は光悦寺さんを起点としたこともあり、よく知られる原谷側からの登山ではなく、天神川(紙屋川)起点付近の農林橋を渡らず、千束から吉兆谷川を遡るように東海自然歩道を進み、坂尻の下にあたる護法ヶ谷から桃山に取り付きました。
やや荒れた道のりでしたが、吉兆山と桃山の鞍部に出て、紅葉・落葉が進む尾根を伝って見晴台へ。

京都北山 桃山(天峯、天ヶ峰)の見晴台(展望地) 京都市 2015年11月
桃山(天峯、天ヶ峰)の見晴台(展望地)。右奥に大文字山が見えています。

桃山の見晴台は京都市北区と右京区の区境付近に所在しており、標高としては約410~420m前後。
東は大文字山から南は生駒山あたりまで見渡すことができます。
前回の記事で京都の中心市街地、京都東山、醍醐山地方面を撮影した写真を掲載しましたので、今回は南向きの眺めを。

南向きの展望

京都北山 桃山の見晴台から南向きの展望 京都市北区・右京区 2015年11月
桃山の見晴台から南向きの展望。京都北山。

写真の中央に大峰山脈、右端に生駒山、左端に京都タワーまで収めています。
眼下には京都市西部~南部方面を俯瞰。
上の構図より右(西)、大阪の高層ビル群などは見えません。
いちおう、生駒山の右遠方に和歌山県最高峰の龍神岳や、その周辺峰の姿が僅かに見えていますが、木々に遮られるため、現状では分かりにくいです。

雲が多く、霞んだ印象も受ける空ですが、うっすらとはいえ大峯の高峰まで見えていました。
さらに、よくよく目を凝らして眺めてみると、大峰山脈の左には台高山脈まで見えているようです。

金剛山を遠望

鷹峯三山 桃山の見晴台から生駒山、葛城山、金剛山を遠望 京都市 2015年11月
「鷹峯三山」桃山の見晴台から生駒山、葛城山、金剛山を遠望する。京都北山。

主な山距離標高山頂所在地備考
陣の峰
(ジノムネ)
98.8km1177.6m奈良県五條市
奈良県吉野郡野迫川村
標高点1151m峰98.5km1151m奈良県五條市
奈良県吉野郡野迫川村
矢放峠の上
山天の高107.1km1317.1m奈良県五條市
奈良県吉野郡十津川村
裸岳104.7km1259.2m奈良県吉野郡野迫川村
奈良県五條市
金剛山
(葛木岳)
70.3km1125m奈良県御所市金剛山地最高峰
葛城山
(大和葛城山)
66.2km958.8m大阪府南河内郡千早赤阪村
奈良県御所市
生駒山41.6km642.0m奈良県生駒市
(大阪府東大阪市)
生駒山地最高峰
交野山29.5km341m大阪府交野市河内富士
国見山28.4km284m大阪府枚方市
鳩ヶ峰19.1km142.4m京都府八幡市
金剛山の手前に重なるため、大文字山から望むと山頂の場所が特定できない大和葛城山。
かろうじてですが、桃山からであれば山頂付近が確認できます(ただし、相変わらず金剛山とも重なっているため、きわめて分かりにくいです)。
とくに示していませんが、交野山のすぐ右に見えているピークが交野市最高峰の旗振山です。
遠くから眺めても、交野山より少し高く感じますね。
また、桃山の見晴台から枚方市の国見山までの距離は28.4kmで、これは国見山の標高284mと数字の並びが同じです。

金剛山、葛城山の左奥に見えているのは伯母子山地や西吉野の山々の一部です。
一見すると、全てが一本の線で連なる長大な尾根のようにも見えますが、実はそうではありません。
「山天の高」は伯母子岳の東尾根の上に、裸岳は伯母子岳の北東尾根の上に所在しており、「陣の峰」は十津川水系の河川が合流して大きな十津川となる直前の山上です。
距離の問題は別として、京都の山からは紀伊山地西部の山々が見えにくいと感じるのが常ですが、雲は出ているものの、この日は伯母子山地の高峰まで見通せて幸いでした。

視点を左へ。

大峰山脈を遠望

京都北山 桃山の見晴台から大峰山脈、山上ヶ岳、八経ヶ岳を遠望 2015年11月
「鷹峯三山」桃山の見晴台から大峰山脈、山上ヶ岳、八経ヶ岳を遠望する。京都北山。

主な山距離標高山頂所在地備考
阿弥陀ヶ森92.8km1680m奈良県吉野郡天川村
奈良県吉野郡川上村
大普賢岳94.3km1780.1m奈良県吉野郡天川村
奈良県吉野郡川上村
奈良県吉野郡上北山村
山上ヶ岳91.2km1719.4m奈良県吉野郡天川村
稲村ヶ岳92.5km1726.1m奈良県吉野郡天川村
弥山98.5km1895m奈良県吉野郡天川村
八経ヶ岳
(八剣山)
(仏教ヶ岳)
99.2km1915.2m奈良県吉野郡天川村
奈良県吉野郡上北山村
近畿地方最高峰
奈良県最高峰
大峰山脈最高峰
明星ヶ岳99.5km1894m奈良県吉野郡天川村
奈良県吉野郡上北山村
奈良県五條市
熊ヶ岳67.0km904m奈良県宇陀市
奈良県桜井市
音羽三山
大峰山は肉眼では曖昧な見え方でしたが、標高も高く、覚えやすい山容のため、知っていれば見落とすことはありません。
京都盆地は左端に京セラさんの本社ビルやNTTコミュニケーションズ京都南ビルなどが写っており、その後方に広い巨椋池跡や京滋バイパスが見えています。
ただし、全体的に暗い写真ですので、京滋バイパスは分かりにくいでしょう。

視点を左へ。

大台ヶ原山を遠望

京都北山 桃山の見晴台から台高山脈、日出ヶ岳(大台ヶ原山)を遠望 2015年11月
「鷹峯三山」桃山の見晴台から日出ヶ岳(大台ヶ原山)、東寺五重塔を遠望する。京都北山。

主な山距離標高山頂所在地備考
水無山83.3km1431m三重県松阪市
奈良県吉野郡東吉野村
標高の値は
10mDEMによる
薊岳83.3km1406m奈良県吉野郡東吉野村
奈良県吉野郡川上村
日出ヶ岳
(大台ヶ原山)
102.9km1695.1m三重県多気郡大台町
奈良県吉野郡上北山村
三重県最高峰
台高山脈最高峰
経ヶ峰
(柞嶺)
100.2km1529.0m奈良県吉野郡上北山村
奈良県吉野郡川上村
キワダズコ98.5km1455.5m奈良県吉野郡川上村
奈良県吉野郡上北山村
白屋岳81.8km1177.0m奈良県吉野郡川上村
貝ヶ平山58.7km821.7m奈良県桜井市
奈良県奈良市
奈良県宇陀市
分かりにくいですが、日出ヶ岳や経ヶ峰といった台高山脈核心部の高峰の山頂域が見えています。
日出ヶ岳と経ヶ峰の間に三津河落山も頂きのみ写っていますが、やや広角気味に撮影した上の写真では分からないでしょう。
桃山の見晴台から見える最遠の山は日出ヶ岳だろうと考えていましたが、改めて調べてみると、僅かながら伯母子山地の山のほうが遠いですね。

京都盆地は東寺さんの五重塔や京セラさんの本社ビルが写っています。
ちょうど、右端に白屋岳や京セラさんの本社ビルを、左端に桧塚奥峰を収めて撮影したつもりでしたが、やや右に構図がずれ、桧塚奥峰が見切れてしまいました。
明神平の周辺峰でも薊岳や水無山が写っているのでよしとしておきましょう。

上の構図の左手には高見山地、京都タワーが遠望できます。
京都一周トレイル北山コースから外れているため、桃山は知名度の点で沢山に劣る印象を受けますが、登山口にあたる原谷や鷹峯へのアプローチも容易な山ですので、興味が湧いた方は登ってみてください。

整理の都合で記事を分けます。
桃山(天峯、天ヶ峰)の話題は次回で終わりですが、年内に〆るのは難しいかもしれません。

…などと書いておきながら、なんとか2015年のうちに〆ることができました。

桃山の「見晴台」を示す標 京都北山 2007年2月

桃山見晴台から大文字山と霊山を遠望 鷹峯・原谷 京都北山

2015.12.30

上の記事に続きます。
桃山「見晴台」を示す標の写真も掲載しておきました。

関連記事 2015年11月 鷹峯三山 光悦寺と桃山ハイク

すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。

桃山(天ヶ峰) 見晴台(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「桃山見晴台」周辺の地図を表示
「桃山(モモヤマ)(ももやま)」 別称として「天峯」「天ヶ峰」
標高466m
京都府京都市北区、右京区

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ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!