山野草観察がてら、京都北山の谷筋をトレッキング。
昔は付近の林床にラン科植物が見られましたが、近年は見掛けなくなりました。
もっとも、今でも目撃例がちらほらありますので、根絶したわけではないようですが……。
私に見付かる必要はないので、人知れず残って欲しいものです。
京都北山。クリンソウ(九輪草)が群生する谷。
今年はお花の付きが良くないように感じます。
そういえば、谷沿いのハイキングコース脇で、昨年、一輪だけ咲くイチリンソウを見たなと考えながら歩いていたら……、
昨年と同じ場所で一輪だけ咲いていました。
直前に降った雨の影響でしょうか、一見すると花弁のようにも見える白い萼片が欠けています。
昨年は写真も撮影しなかったのですが、一輪だけ、というのが気になります。
孤独なイチリンソウ(一輪草)。京都北山。
ニリンソウ(二輪草)と異なり、明確に葉柄が認められます。
付近の落ち葉をかき分けてみると、他のイチリンソウの葉が埋もれていました(が、茎が折れています)。
お花を付けなかったのか、すでに花後なのか分かりません。
日当たりがよくない谷間とはいえ、花期としては遅すぎる気も?
ハイキングコースの反対側の湿った岩場をよく探してみると、こちらには若いイチリンソウの葉が多く見られましたが、やはりお花を付けていません。
恥ずかしながら、イチリンソウが自家受粉できるのかどうかすら知りませんが、もし、自家受粉できないのであれば、孤独な一輪だけのイチリンソウは、いずれ、この地で果てる可能性があります。
多くの仲間に囲まれていた先ほどのクリンソウと比べると、それはあまりにも寂しく。
ラショウモンカズラ(羅生門葛)とクマバチ(熊蜂)。京都北山。
ラショウモンカズラのお花にはクマバチやハナバチが集まっていました。
シソ科の植物だけあって、やや離れていても、その強い香りでラショウモンカズラは場所が分かります。
少し前のルイヨウボタンの記事で、「別の山を歩いていればタニギキョウのお花を見ることになるでしょう」とフラグを立てておきましたが、案の定、その直後に見ることができました。
ミズゴケ(オオミズゴケ)やチャルメルソウも多く見られる綺麗な沢ですが、谷の源頭まで遡上するとヤマビルが襲いかかってくるでしょう。
2016年5月
京都府
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