ようやく体調も回復してきたので、昨日は京都北山へハイキングに。
この時期の魚谷山や桟敷ヶ岳はハイカーが多いため、誰とも出会わないであろう山を選びます。
昨年も同時期に同じ山を訪れ、北山でも屈指であろうクリンソウ群生地を楽しみましたが、今年はどうでしょうか。
京都北山におけるクリンソウ(九輪草)の大規模な群生地。
今年も昨年同様、あるいは昨年以上に足の踏み場もないくらい咲き誇っていました。
見頃を迎えたクリンソウのお花畑。京都北山。
あたり一面を覆い尽くすクリンソウ、なかなかうまく写真に収めることができません。
話は遡り……、
真っ赤なヤマツツジ(山躑躅)を眺めながら、快適な尾根歩きを楽しみます。
青空は覗いていましたが、昨日は雲が多めで、太陽は姿を現したり隠れたり。
日が当たると暑いものの、風も吹いていたため、どちらかといえば山の上は涼しく。
新緑の京都北山ハイキング。
下草や藪が失われたことにより、昔と比較すると明るく感じますが、北山らしさは失われました。
尾根から谷を下り……、
羽化して間もない個体でしょうか、身動きひとつしません。
透き通るように美しく新鮮な翅でした。
昨年、この時期に当地を訪れた際はヤマビルが姿を現さず、気にも留めなかったのですが、それからしばらく後に他の方と再訪した日はヤマビルを数多く見掛けました。
昨日もヤマビルの姿は見なかったものの、昨年と同様の展開であれば、来週あたりには姿を現すかもしれません。
もちろん、ヤマビルの行動が活発化するにあたり、気温や湿度などの気象条件に大きく左右されることは理解しています。
クリンソウの花茎が「切り落とされる」現象が魚谷山の群落でよく見られますが、このあたりのクリンソウ群生地は被害を受けていません。
当然ながら、この谷にもシカは入り込んでいるようですが……。
どちらを向いてもお花だらけで眩暈を起こしそうになります。
そろそろ下山しようとしたら、今さらのように谷間に日が差してきました。
クリンソウのお花。大きな株。
サクラソウの仲間らしく、日が当たると桜色だと感じますね。
北山のクリンソウは植栽により広がった例も多く、どこが本来の自生地であるか、昔からの記憶を正しくお持ちの方以外は分からなくなっています。
京都府ではクリンソウの植え戻しを「自然破壊を助長することもある」行為と見なしています。
愛宕山(竜ヶ岳)はもちろん、よく知られている山のクリンソウも数十年前の植え戻しが混在しており、この行為に関わった方からお話を伺ったこともあります。
「変わった色のクリンソウ」が咲く谷がありますが、あれも植栽です。
この環境であれば、斜面にヤマシャクヤクが咲いてもおかしくはなさそうですが、この谷の周辺では見当たりません。
以前はある種のラン科植物が咲いていましたが、近年は姿を見ません。
もっとも、付近で観察例があるため、私が見落としているだけで、今でも谷のどこかで咲いているのでしょう。
この谷ではトリカブトの葉が多く見られますが、キタヤマブシとしては葉の切れ込みが深く裂けています。
西日本型の他のヤマトリカブト(サンインヤマトリカブト)など、他のトリカブトとの中間的性質を示しているようにも見え、花期にも観察してみたいものです(が、とにかく暑い……)。
この時期ともなるとすでに背が伸びており、他のキンポウゲ科の植物とは間違えようがありません。
ラショウモンカズラ(羅生門葛)のお花。
写真を撮影するために近付いたら、シソ科の植物らしい香りが仄かに……。
2015年5月
京都府
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