2015年(平成27年)5月上旬の話。
この日は他の方を伴って京都の北山へ。
あくまでも個人的な見解に過ぎませんが、ある山で見られる地エビネの一部は人為的に増やされたものではないかと疑っていました。
そこで、ラン科の植物について造詣が深く、とくにエビネについて専門的な知識をお持ちの先生に同行をお願いし、一度、調査していただくことに。
お忙しい中、ありがとうございました。
京都北山のエビネ
京都北山の地エビネ(エビネラン)。
ここはシカに新葉を食べられています。
エビネ(海老根)のお花。
ハイキングコース上で目立つため、一部の株が踏みつけられていました。
コース上で踏まれている株をコース脇へ移植。
長い時間を要する作業です。
この山のエビネは、少し離れた他の山でも見られる自生のエビネと同系統で、いわば北山産エビネの特徴が出ているそうです。
人為的に移植されたと考えられる株についても、もはや半自然と呼んで差し支えないでしょうとのこと。
勉強になりました。
エビネの移植後
2015年5月下旬
上の写真を追加で掲載しておきます。
しばらく後に再訪し、移植した株の定着を確認しました。
2016年5月下旬
京都北山のヤマシャクヤク
また別の日の話。
この日はAさんと京都北山のヤマシャクヤク自生地へ。
この山のヤマシャクヤクは、よく知られている魚谷山のヤマシャクヤクより、例年、1週間ほど花期が遅く。
その魚谷山のヤマシャクヤクが、今年は4月末には開花が進んでいたことから、当地のヤマシャクヤクも開花が早まるだろうと予想できましたが、やはり今年は異様に展開が早く、私たちが訪れた日には、すっかり散りが進んでいました。
それでも何株かは汚れのない綺麗なお花を咲かせており、まるで私たちが訪れるのを待っていたかのようです。
残るお花、それに静かな山歩き……、涼しい風が吹く山上でのお昼寝を楽しみました。
ヤマシャクヤク(山芍薬)のお花とフタバアオイ(双葉葵)の葉。京都北山。
上の写真の右奥にフタバアオイの葉が写っています。
京都西山と異なり、京都北山ではフタバアオイはめったに見かけません。
ミヤコアオイは数多く見ますが、フタバアオイは珍しく、少なくともこの山では初めて見ました。
この自生地を毎年のように訪れているにもかかわらず、どうやら今まで見落としていたようです。
上の写真に写る以外のお花も咲いてはいましたが、ヤマシャクヤクはおおむね散っていました。
エビネや他のラン科植物、それにクリンソウなども開花が早まっているため、ヤマシャクヤクの開花が早いのも当然と言えますが、それにしても早すぎです。
暖冬の影響が指摘されますが、個人的には4月上旬から中旬にかけての長雨の影響も受けているのではないかと見ています(→その後の展開や、翌年の展開を見るかぎり、春先の長雨が問題ではなく、暖冬や温暖化の影響が大きいと判断します)。
参考までに2012年(平成24年)5月に撮影した写真を。
この年は今年よりもさらに遅い時期に訪れましたが、ちょうど見頃で、あたり一面、真っ白なヤマシャクヤクのお花で覆われていました。
私が知るかぎり、京都における最大級のヤマシャクヤク自生地です。
京都府に限らず、他県の群落も観察するかぎり、あまり知られていない山のヤマシャクヤク群生地は広がりやすいです。
人為的な採集圧に晒されたり、大きな環境の変化が無ければ、どちらかと言えばヤマシャクヤクは増加しやすい植物だと考えています。
ニリンソウ(二輪草)のお花と葉。
他にはタニギキョウ、ミヤマハコベ、ヤマツツジなどが咲いていました。
2015年5月
京都府
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