雪の大文字山 積雪する京都を一望 京都で雪が少なかった年は?

2014年(平成26年)1月18日の夜遅く、私が帰宅中に降り始めた雨はすぐに雪に転じ、明けて19日の早朝には京都市内の広い範囲で薄く積雪しました。
山の上は雪が降ったり止んだりだろうと予想されますが、雪雲の合間を縫い、少しは晴れ間も覗きそうな正午の前後を狙って大文字山をスノーハイキング。

大文字山の山頂(三角点)から積雪する京都を俯瞰する 2014年1月
大文字山の山頂(三角点)から積雪する京都を眺望する。

右端に京都御苑、左端に京都タワーを収めています。
目安として、雙ヶ岡(双ケ丘)、二条城、平安神宮さんの大鳥居の位置を示しておきます。
右奥の愛宕山や、左奥の京都西山の山々は雲に隠れており、山上ヶ峰(北松尾山)など、嵐山の周辺峰のみかろうじて望むことができました。

念のために申し上げておきますが、「大」の字の火床ではなく、三角点が設置される山頂で撮影しています。

大文字山から雪積もる京都盆地、山科盆地を望む 2014年1月
大文字山の山頂から雪積もる京都盆地、山科盆地を望む。

超広角的な視野で撮影しているので分かりにくいですが、左には山科盆地が写っています。
雲が多く、中央遠くの大阪方面はさっぱり見えません。

私が大文字山を登った時間帯には、すでに主だったコースの雪は踏まれており、如意ヶ岳寄りのややマイナなコースは踏み跡が見当たらなかったものの、歩きやすい新雪に過ぎず、とくにアイゼンやチェーンスパイク類の必要性は感じません。
しかし、火床の階段付近や、よく踏まれた雪が凍結した斜面など、慣れていない方であれば下りで足を滑らせるであろう箇所も見受けられました。
よくありがちな光景です。

大文字山の火床から雪積もる京都を一望する 2014年1月
大文字山の火床から雪積もる京都を一望する。

こちらは山頂ではなく「大」の字跡で撮影しています。
右端には岩倉盆地、左端には岡崎のあたりを収めていますが、岩倉盆地側(宝が池側)は見切れ気味ですので参考程度に。
相変わらず愛宕山は雲で隠れていましたが、盆地には僅かに日も差していました。

昔より積雪する頻度は低くなりましたが、京都市内の平地部にも年に何度か雪が降ります。
もちろん、同じ市内でも京都北山の奥深くには根雪が残ります。

補足しておきます。
少し調べてみましたが、京都(京都地方気象台の地上気象観測施設)で1cm以上の最深積雪を観測できなかったのは、過去20年間(1995年1月1日~2014年12月31日)では2002年、2007年、2013年の3回。
いずれの年も0cmの積雪を記録しており、京都で雪が全く降らなかった年(降雪量が0cm、雪日数が0日の年)はありません。
2002年1月1日~12月31日の雪日数は25日、2007年1月1日~12月31日の雪日数は13日、2013年1月1日~12月31日の雪日数は32日。
したがって、「京都は雪が降らない」などというのは誤りです。
ただし、これは年単位(1月1日~12月31日)で調べていますので、寒候年単位(前年8月1日~7月31日)で見ると、また異なる結果になる可能性もあります。
補足終わり。

追記。
寒候年だと、過去20年間(1994年8月1日~2014年7月31日)で、1cm以上の最深積雪を観測できなかったのは、2002年、2003年、2013年の3回でした。
少し分かりにくいですが、たとえば、2002年の寒候年は2001年8月1日~2002年7月31日です。
追記終わり。

追記。
2015年1月1日~2022年12月31日の8年間、あるいは2014年8月1日~2022年7月31日の8年間は全て1cm以上の積雪を記録しています。
追記終わり。

大文字山の火床から真如堂、くろ谷を望む 京都市左京区 2014年1月
大文字山の火床から真如堂(真正極楽寺)さん、くろ谷(金戒光明寺)さんを望む。

いわゆる「東山三十六峰」では紫雲山にあたる山域です。
真如堂さんの三重塔も北側は雪を被っていますね。

大文字山の火床から雪積もる京都盆地北部を望む 2014年1月
大文字山の火床から雪積もる京都盆地北部を望む。

見切れていますが、右奥に上賀茂神社さん、左端に吉田山を収めています。
雪解けが進んでいるため、今出川通が目立ちますね。
目安として、府立植物園の周辺、京大農学部グラウンド、下鴨神社さん(糺ノ森)、船岡山、相国寺さんの位置を示しておきます。
相国寺さんの手前に出町柳の三角州(鴨川デルタ)。

北西から迫りくる雪雲。
私が三角点に滞在していた正午より前は雪が止んでいましたが、火床に滞在していた13時過ぎは吹雪いたり止んだりの繰り返しとなりました。
その影響もあったのでしょう、日曜日の昼にもかかわらず、珍しく火床が貸し切りとなることも。

あと少し粘れば、雪化粧しているであろう愛宕山の山頂が見えそうな雰囲気もありましたが、15時には次の用事が入っていたため、残念ながら長居はできず、ここで諦めて下山しました。

2014年1月19日

追記。
翌年、2015年の正月早々、京都は61年ぶりの豪雪に見舞われました。

大文字山の火床、雪積もる「左はらい」から日の出と弘法大師堂を望む 2015年1月

雪の大文字山から「五山送り火」の雪文字を望む 京都

2015.01.10

京都の雪景色を大文字山から撮影した写真を上の記事に掲載しています。
今回の記事に掲載している写真より分かりやすいかもしれません

大文字山(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「大文字山」周辺の地図を表示
「大文字山(ダイモンジヤマ)(だいもんじやま)」
標高465.4m(→465.3m)(三等三角点「鹿ケ谷」)
京都府京都市左京区(山体は山科区に跨る)

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2 件のコメント

  • マロさん、今年も宜しくお願いいたします。
    雪の京都・・・ため息の出るような美しい景色。こんな素晴らしい街に住んでいることを誇りに思いますね。
    真如堂から東に向かった鹿ケ谷には私の母校があります。
    母校の教室や屋上から遠景を眺めたことがきっかけで、高い所から京都を見るのが好きになりました。
    今、市内の高所から山の中腹にある母校を見ると本当に懐かしい気持ちになります。
    理科の時間に大文字登山がありまして・・・ちょっと怠慢で、しんどくて途中でリタイアしたことが悔やまれます。
    以後、大文字山に登る機会はありません。今ならもっと無理でしょうね。
    今日は少し寒さも一服ですが、まだまだ油断はなりません。
    どうぞお体、ご自愛下さい。
    追伸。フェイスブックはされてないのでしょうか?。

    • こんばんは。
      お気遣いありがとうございます。

      どちらに限らず、さまざまな理由から、学校は高台、高所にある例が多いのですが、自身ではそういった環境で学んだ記憶が少なく、他の方からそういったお話を伺うと羨ましく思います。
      高い場所からただ遠くを眺めて過ごせるなんて、とても贅沢で素敵なことです。

      学生時代は長距離や山登りを苦痛と感じる方が多いでしょうね。
      理科となると、石の採取でしょうか。私も授業で行きました。
      半ば強制され、横並びで登るのと、自身の意思で考えながら登るのでは、やはり、体力的にも、気分的にも大きく異なると思います。
      大文字山の火床までであれば、下(銀閣寺さん)から約250m程度の登りです。
      季節を選び、軽装でのんびりのんびり登ればなんとかなるのではないかと思いますが、個人差が大きい分野ですので、絶対にどうこうとは申し上げることができません。
      ですが、機会があればお登りになって、ご自身の目でもご覧いただきたいものです。

      facebookに限らず、google+など、SNSの類はアカウントは取得しているものの、長らく放置しており、事実上の休眠アカウントとなっています。
      今はこのウェブサイトとtwitterのみです。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    Maro@きょうのまなざし

    京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!