如意ヶ岳から琵琶湖や鈴鹿南部を眺望 大文字山から大峰山も

2012年(平成24年)12月の話。
この日は午後からAさんと大文字山の最深部ともいうべき御領山(白川御領山)をハイキング。
「(大文字山の)北斜面」や「御所山」などと呼ぶ方もいらっしゃるようですが、複雑に入り組んだ尾根や谷が交錯するうえ、尾根からの見晴しもよくないため、とくに読図が難しい山域です。
幾分昔の話となりますが、他県からいらっしゃった学生さんが遭難なさったこともありました。
オリエンテーリング、読図講習にも利用されると聞いていますが、それも納得できます。

個人的な趣味として、失われつつある小規模な石切場の跡(白川石の切り出し)を調査するため、茂った藪、荒れた道にもめげず、一時期、このあたりを根気よく探索していました。
その頃は藪や倒木が多く、冬場以外に歩く気が起きない山域でしたが、今はコースによっては藪もすっかり払われ、目印となるテープや、あまり感心できない行為ですが、木々への「落書き」も増えました。

14時半頃に大文字山の山頂(三角点)に到着。山頂の温度計で約2度。
お天気がよくない、なんだか今にも雨が降りそうな空模様のわりには、大阪の「あべのハルカス」はもちろん、奈良の大峰山(大峯)も条件よく見えていました。

京都市 大文字山から大峰山を遠望

京都・大文字山から大峰山脈を遠望 大峯・山上ヶ岳、大峰山・八経ヶ岳 2012年12月
大文字山(京都市左京区)から大峰山脈を遠望する。
撮影地点から近畿地方最高峰の八経ヶ岳(奈良県吉野郡天川村、上北山村)まで94.3km。

山上ヶ岳や八経ヶ岳、弥山といった、大峰山脈を代表する高峰の姿を確認できます。
曖昧な見え方ですが、この日は展望や遠景には期待していなかったこともあり、これで満足。
三脚や望遠レンズは持って登らなかったため、手持ち撮影です。

写真を撮影しているうちに、遠くが色薄くなっていきます。
しかしながら、天気予報どおりであれば、伊勢湾方面の条件が良いのではないか、もしかすると、如意ヶ岳(如意ヶ嶽)から鈴鹿山脈まで遠望できるのではないかと考え、急いで近江大橋方面の展望地へ向かいます。

京都市 如意ヶ岳から琵琶湖を展望

京都・如意ヶ岳から琵琶湖、鈴鹿山脈南部、湖南の山々を望む 2012年12月
如意ヶ岳(京都市左京区)から琵琶湖、鈴鹿山脈南部、湖南の山々を望む。
撮影地点から鎌ヶ岳(三重県三重郡菰野町、滋賀県甲賀市)まで53.9km。

好展望地として知られる藤尾分岐(如意ヶ岳・長等山・三井寺・藤尾分岐)のガードレール脇からは、琵琶湖南端の向こうに鈴鹿山脈中南部の連なりが明瞭に見えていました。
眼下には大津を望み、琵琶湖に架かる近江大橋を渡って対岸は草津や栗東方面。
湖南の阿星山の手前に見えている山塊は金勝アルプス。

琵琶湖を眺め、文字山の山頂まで戻ってみると、すっかり靄って遠くが見えなくなっていました。
大峰山はもちろん、大阪の高層ビル群すら満足に望めないほど。
つい1時間前には八経ヶ岳まで見えていたなんて、とても信じることができません。

その後、山頂から火床へ下る道すがら、大文字山の山中でも雨が降り始めます。
火床の弘法大師堂で雨が止むのを待ち、急いで下山。

最後は雨に降られましたが、十分に大文字山を楽しめる一日となりました。
ありがとうございました。

大文字山(地理院 標準地図)

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「大文字山(ダイモンジヤマ)(だいもんじやま)」
標高465.4m(→465.3m)(三等三角点「鹿ケ谷」)
京都府京都市左京区(山体は山科区に跨る)
「如意ヶ岳(ニョイガタケ)」
標高472m
京都府京都市左京区(山体は滋賀県大津市に跨る)

ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!