大文字山で紅葉と夕日を 大文字山にヤマビル? 晩秋の京都

2014年(平成26年)11月下旬の話。
この日は晩秋の如意ヶ岳(如意ヶ嶽)、大文字山で紅葉狩りハイキング。

灰山遺跡(灰山庭園)、あるいは五別所山 京都市左京区 2014年11月

五別所山、灰山、如意ヶ岳、大文字山 紅葉と鉱床 灰山城跡

2014.11.29

灰山庭園や採掘跡などを散策し、大文字山の過去から現在、そして未来へと思いを巡らせながら、如意ヶ岳の展望地へ。
三井寺分岐から琵琶湖や鈴鹿山脈などを眺望しました。

…その続きですが、少し時間を進め、この日、日没後に訪れた大文字山の火床まで話を飛ばします。

京都市左京区 大文字山、如意ヶ岳の展望

火床から紅葉する比叡山を望む

紅葉する大文字山の火床から瓜生山、比叡山、京都北山を望む 2014年11月
紅葉する大文字山(京都市左京区)の火床から瓜生山、比叡山、京都北山を望む。

主な山距離標高山頂所在地備考
皆子山20.1km971.3m京都府京都市左京区
滋賀県大津市
京都府最高峰
桟敷ヶ岳17.1km895.7m京都府京都市北区
四明岳
(比叡山)
5.2km838m京都府京都市左京区都富士
瓜生山1.8km301m京都府京都市左京区

すでに日没後、大文字山の火床から撮影しています。
夕日を浴びたオレンジ色が重なっているので紛らわしいですが、瓜生山や松ヶ崎、岩倉の山々も山麓に至るまで綺麗に色付いていますね。
この日は比叡山の山麓域で過ごそうと考えていましたが、大文字山からそちらを見下ろすのもよいものです。

この日、火床でお会いした方は、大文字山の山頂や四明岳の展望地から淡路島が見えることを「正しく」ご存じでした。
お話を伺った感じ、実際にご覧になったわけではないものの、その見え方をご自身で突き止めていらっしゃるご様子。
顔見知りの方々は別として、漠然とした知識ではなく、的確な知識をお持ちの方とお会いする機会は少なく、内心、驚いてしまいました。
繰り返し申し上げておきますが、火床から淡路島を望むことはできません。

話を戻して……。

如意ヶ岳から琵琶湖を望む

如意ヶ岳から琵琶湖、矢橋帰帆島、阿星山、鈴鹿山脈を望む 2014年11月
如意ヶ岳から琵琶湖、矢橋帰帆島、阿星山、鈴鹿山脈を望む 2014年11月

主な山距離標高山頂所在地備考
鎌ヶ岳53.9km1161m三重県三重郡菰野町
滋賀県甲賀市
宮越山
(水沢岳)
53.5km1029.3m三重県四日市市
滋賀県甲賀市
サクラグチ49.3km918.5m滋賀県甲賀市
宮指路岳52.4km945.5m三重県鈴鹿市
滋賀県甲賀市
仙ヶ岳52.0km961m三重県亀山市
三重県鈴鹿市
滋賀県甲賀市
御所平50.4km853m滋賀県甲賀市
三重県亀山市
標高の値は
10mDEMによる
ベンケイ49.7km761.2m滋賀県甲賀市
臼杵ヶ岳50.7km697m三重県亀山市
滋賀県甲賀市
阿星山21.7km693.0m滋賀県湖南市
滋賀県栗東市
鶏冠山16.8km490.8m滋賀県栗東市
滋賀県大津市

前回の記事に掲載した写真と同じ地点、つまり、管理道ガードレール脇の近江大橋展望地(藤尾分岐)から撮影していますが、前回の写真とはレンズが異なります。
鈴鹿山脈南部の稜線が分かりやすく写っているうえ、矢橋帰帆島に架かる帰帆南橋も分かりやすいため、こちらも。

琵琶湖の対岸、右端にはイオンモール草津さんが写っています。
開業直後から申し上げていますが、イオンモール草津さんの屋上駐車場から見る夜景はなかなか素晴らしく、近江大橋や音羽山を望むに適したスポットです。
今回の話とは直接関係ありませんが、2014年10月に開業したばかりのイオンモール京都桂川さんを、11月のはじめに訪れる機会がありました。
各地のイオンモールの屋上は好展望地であることが多く、さっそく、屋上駐車場から周りを眺めてみましたが、西向き以外は開けているようには見えず、私が期待するような展望は得られそうになく。
もっとも、その日は他の方とご一緒しており、端から端まで調べることもなく、加えて、夜だったこともあり、周りの状況も分かりにくく、見落とした可能性も否めません。

などと、山中をうろうろしていたら、相変わらず、日没に間に合うかぎりぎりに……。

大文字山から夕日を望む

大文字山から京都西山の向こうに沈む夕日と京都の夕景を望む 2014年11月
大文字山の三角点(山頂)から京都西山の向こうに沈む夕日と京都の夕景を望む。

なんとか間に合いました。
中途半端な太陽柱(サンピラー)が見えています。
もう2年近く前になるでしょうか、厳冬期の鈴鹿山脈で恐ろしく美しい太陽柱を観測しましたが、私は望遠レンズ越しに明石海峡大橋の主塔を撮影しており、凍てつくような寒さと暴風で指先を動かすことができず、広角レンズへの交換を断念したため、太陽柱の撮影は諦めざるをえなかった思い出が。

大文字山から見て太陽が落ちる位置がポンポン山に近付いてきましたね。
左端に「あべのハルカス」が写っていますが、やや分かりにくいです。

和泉山脈、あべのハルカスを遠望

大文字山から京都東山、遠くに「あべのハルカス」、和泉山脈を望む 2014年11月
大文字山の三角点(山頂)から京都東山、遠くに「あべのハルカス」、和泉山脈を望む。

主な山、建築物距離標高
(地上高)
山頂所在地備考
神野山79.4km869m大阪府河内長野市
(和歌山県伊都郡かつらぎ町)
三国山
(一乗ヶ岳)
78.8km885m大阪府和泉市
和歌山県伊都郡かつらぎ町
(大阪府河内長野市)
葛城山
(和泉葛城山)
82.1km858m和歌山県紀の川市
大阪府岸和田市
大阪府貝塚市
三峯山86.8km576.2m和歌山県紀の川市
大阪府泉佐野市
四石山91.7km384.4m大阪府泉南市
大阪府阪南市
和歌山県岩出市
あべのハルカス49.6km(300m)大阪府大阪市阿倍野区日本一高いビル

京都大学さんの花山天文台をはじめ、東山の山上の施設が見えていますね。
和泉山脈の中核部は肉眼でも見えていましたが、紀泉アルプス以西は肉眼では見えないに等しく、そこまで好条件の日ではありません。

この後、火床まで一気に駆け下り、本記事の冒頭に掲載している写真を撮影することに。
少しばかり無駄話に興じてしまったこともあり、下山時は真っ暗なナイトハイキングとなりましたが、よい息抜きができました。

余談・雑談

大文字山でヤマビル?

ヤマビル研究会さんのサイトを拝見していたら、

ヤマビル注意報:被害・生息情報
https://yamabiru.sakura.ne.jp/region.html

「大文字山、鞍馬寺(くらまでら)周辺」の名前が赤字で記載されていることに気付きます。
赤字は「2014年度の情報は赤字で記載しています」とのこと。
つまり、2014年に被害、あるいは生息が確認された場所として、大文字山と鞍馬の地名を挙げていらっしゃるようです。

このうち、鞍馬については、深い山域はもちろん、浅い山域や人里にまでヤマビル(山蛭)の生息範囲が広がっていることは私も把握しています。
また、鞍馬と接する貴船、芹生、旧花脊峠の周辺、たとえば、アソガ谷(阿蔵ヶ谷、阿蘇ヶ谷、安造ヶ谷)などでは私も実際に確認していますし、近年は貴船山でも被害例が増えています。

ですが、大文字山でも被害、あるいは生息が確認されていたとは露知らず、無知を恥じる次第です。
現在に至るまで、私自身は大文字山ではヤマビルを見たことがなく、生息を確認した方からお話を伺いたいものです。
もっとも、もう何年も前から比叡山の北部山域にはヤマビルが進入しており、いずれ、私自身が大文字山で姿を見る可能性も十分にありえるものと見ています。
しかしながら、石灰岩を好み、花崗岩を好まないとされるヤマビルが、花崗岩を主体とする北白川や大文字山でどのように生息範囲を広げていくかは分かりません。
…前回の記事は、実は、この話題にも繋がっていたのでした。

長等山にヤマビルが

上の話を書いてから2年が過ぎました。
2016年(平成28年)10月に長等山や如意ヶ岳を登った際、俗に「長等山三角点」と呼ばれている山(三角点370.1m)に立ち寄り、樹に吊るされたノートを拝読したら、10月に「山蛭に生き血を吸われ」(一部を引用)と記録されていました。
私自身がヤマビルを確認したわけではありませんが、どうやら被害を受けた方がいらっしゃるのは確かなようです。
シカ(鹿)が比叡山から持ち込んだのかもしれません。

如意越メインコース 「←如意ヶ岳 長等山・三井寺→」道標 別所三角点分岐

長等山三角点~如意越 ついに如意ヶ岳周辺にヤマビル山蛭が

2016.10.31

その話は上の記事に。

大文字山にヤマビル定着

上の話を書いてから、さらに数年の月日が流れました。
一般的なハイキングコースではありませんが、2021年(令和3年)には大文字山の東部山域や北部山域の谷間でヤマビルの被害例が多発するようになりました。
ご注意ください。

シカやイノシシ、ツキノワグマの移動と連動していると考えられますので、今後、ヤマビルもさらに南下することが予想されます。
また、故意ではないにせよ、ハイカーが運ぶ可能性もあるでしょう。

関連記事 如意ヶ岳や大文字山の紅葉

すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。

大文字山(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「大文字山」周辺の地図を表示

「如意ヶ岳(ニョイガタケ)(にょいがたけ)」
標高472m
京都府京都市左京区(山体は滋賀県大津市に跨る)
「大文字山(ダイモンジヤマ)(だいもんじやま)」
標高465.3m(465.4mから改定)(三等三角点「鹿ケ谷」)
京都府京都市左京区(山体は山科区に跨る)

ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!