冬の神戸 雪の六甲・菊水山から明石海峡大橋、淡路島を望む

年明け早々、2013年(平成25年)1月4日の話。
この日は神戸市北区の鈴蘭台を起点として菊水山を登りました。
古くは大角木山や城ヶ越山、烏山とも呼ばれた菊水山は、六甲山系でも西部に位置する458.8m峰。
標高としては京都市の大文字山と同等ですが、神戸電鉄の鈴蘭台車両基地側登山口(車庫の近くの砂防ダム下の登山口)と山頂の比高はせいぜい200m未満といったところでしょうか。
周遊路や尾根道はよく整備されており、地元の方々の毎日登山の山としても知られています。

※「古くは大角木山や城ヶ越山~」の件は、記事下部のリンクから他の記事をどうぞ。

雪降る鈴蘭台駅から菊水山を登山

鈴蘭台駅のホームに降り立つと、ぱらぱらながらも雪が降っており、これには驚きます。
神戸駅や新開地のあたりではそのような気配はなく、やはり山の上だと実感。

14時10分頃から尾根道を利用して登り始め、14時45分頃に登頂。
展望台から播磨灘方面を眺めてみると、ひどく曇っており、明石海峡より向こうは真っ白で何も見えません。
どうやら、西はお天気がよくないようです。

次に、視点を左に動かし、南の紀淡海峡方面を眺めてみると、友ヶ島の右後方、遥か遠くに島影が見えていました。
方角、島の姿、どう見ても四国最東端のあの島……、そう、伊島です。

これは急いで撮影せねばと思い、準備しているうちに、淡路島南部の山の上に見えていた雲が紀淡海峡方面に流れてしまい、私と伊島の間を遮ってしまいます。
やるせない気持ちになりましたが、気を取り直し、友ヶ島や淡路島南部方面を撮影することにします。

菊水山の展望・眺望 神戸市

友ヶ島(沖ノ島)を遠望

菊水山から友ヶ島(沖ノ島)と関西国際空港へ向かう飛行機を望む 2013年1月
菊水山から紀淡海峡に浮かぶ友ヶ島(沖ノ島)と関西国際空港へ向かう飛行機を望む。
撮影地点から友ヶ島最高峰のコウノ巣山(和歌山県和歌山市)まで49.4km。

撮影地点から水平線に達するまでの距離は約79kmですが、そちらまで写っていますね。

大阪湾と紀淡海峡(加太ノ瀬戸)を遠望

菊水山から友ヶ島(地ノ島)と紀淡海峡(加太ノ瀬戸)を望む 2013年1月
菊水山から友ヶ島(地ノ島)と紀淡海峡(加太ノ瀬戸)、和泉山脈西端部を望む。
撮影地点から和泉山脈西端の高森山(和歌山県和歌山市、大阪府泉南郡岬町)まで約46km。

50km先に浮かぶ島とは思えないくらい、友ヶ島は異様に「近く」感じる見え方をしており、これは手を伸ばせば届くのではないかとさえ。

その後、地元の方が登っていらして、「今日は遠くまでよく見えているね」とおっしゃいます。
伊島の手前を覆い隠す雲を指差しながら、「つい先ほどまで四国の伊島が見えていましたよ」と申し上げると、その方は「ああ、ほんまやね」と。
お話を伺ってみると、その方は毎日のように菊水山を登っていらっしゃるらしく、稀に友ヶ島の右後方にどこかしら別の島の影が見えることをご存じでした。
地元の方から「山から何が見える」か、そういった話を聞くのが好きなため、少しばかり展望のお話を。

上の写真では友ヶ島が浮かび上がるように写っていますが、その方が立ち去られた後、こちらも雲に隠れて見えなくなってしまいました。
それならばと、大阪の「あべのハルカス」や和泉山脈方面を撮影することにします。
後から登っていらした、先ほどとは別の地元の方々も、皆さん申し合わせたように「今日は遠くまでよく見えているね」とおっしゃるのが面白かったです。

超高層ビル「あべのハルカス」を遠望

菊水山から「あべのハルカス」と飛行船を望む 六甲山 2013年1月
菊水山から超高層ビル「あべのハルカス」と、その前を横切る飛行船を望む。
撮影地点から高安山(大阪府八尾市、奈良県生駒郡平群町)まで約48km。
「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)まで約34km。

菊水山から「あべのハルカス」と六甲アイランドを望む 神戸市 2013年1月
菊水山から「あべのハルカス」と六甲アイランドを望む。
撮影地点から貝ヶ平山(奈良県奈良市、桜井市、宇陀市)まで約75km。

高安山より遠方の山々はうっすらした写り方に過ぎないため、よく目立つ貝ヶ平山以外の山名は示していません。
貝ヶ平山の左が額井岳、貝ヶ平山の右が鳥見山です。

生駒山と大阪の高層ビル群を望む

菊水山から生駒山、大阪城、大阪の高層ビル群(ビル街)を望む 2013年1月
菊水山から生駒山、大阪城、大阪の高層ビル群(ビル街)を望む。
撮影地点から生駒山(奈良県生駒市、大阪府東大阪市)まで約48km。

生駒山から望む高層ビル群とは表裏の関係にあります。
ちょうど中心にあたる地点(菊水山と生駒山の中間地点)に大阪城を収めるように撮影していますが、上の写真では分かりにくいでしょうか。

それにしても、菊水山からだと和泉山脈西端部の高森山よりも生駒山のほうが遠いのですね。
兵庫県神戸市の山の上から見て、奈良県(と大阪府の府県境)よりも、和歌山県(と大阪府の府県境)のほうが近いというのは、なんだか不思議な感じがします。

淡路島南部から紀淡海峡方面に移動した雲は和泉山脈方面に流れ、ついには和泉方面も見えなくなってしまいます。
再び伊島が見えるようにならないか、ここはおとなしく待つことにします。

時間帯によっては菊水山の上では雪が降っていましたが、山頂の展望台には屋根があるため、大した問題とはなりません。
お世話になりました。

雪と明石海峡大橋

雪と明石海峡大橋 雪降る菊水山から望む 神戸 六甲山 2013年1月
雪と明石海峡大橋。雪降る菊水山(神戸市北区)から望む。
撮影地点から明石海峡大橋の淡路島側(兵庫県淡路市)まで18km未満。

わりと激しく雪が降っていたことがお分かりいただけるのではないでしょうか。

整理の都合で記事を分けます。

菊水山から日没直前の明石海峡、播磨灘、遠くに四国を望む 神戸市 六甲山 2013年1月

六甲山系 菊水山から四国は伊島、石鎚山脈を遠望 2013年1月

2013.01.08

続きは上の記事に。
悪天候ながら雲の合い間に恐ろしく遠くの山々まで見通すことができました。

神戸の菊水山から大阪の「あべのハルカス」、舞洲、天保山大橋を遠望 2013年12月

神戸の菊水山から和歌山の風力発電所、あべのハルカスを遠望

2014.01.14

本記事の冒頭で述べた「(菊水山は)古くは大角木山や城ヶ越山、烏山とも呼ばれた」件について、上の記事で補足しています。
詳しくはリンク先で。

関連記事 六甲山系 雪の菊水山から展望・遠望

すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。

菊水山(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「菊水山」周辺の地図を表示
「菊水山(キクスイヤマ)(きくすいやま)」
標高458.8m (三等三角点「下谷上」)
兵庫県神戸市北区

ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!