六甲山系 菊水山から四国は伊島、石鎚山脈を遠望 2013年1月

2013年(平成25年)1月、年始早々の話。
この日は六甲山系の西部に属する菊水山を登山しました。
山頂に着いた当初は四国最東端の島である伊島まで見えていましたが、撮影の準備をしている間に雲の向こうに隠れてしまい、残念ながら伊島の島影を見失ってしまいます。
そうこうしているうちに、伊島はおろか、その手前に位置する紀淡海峡の周辺も曇って見えなくなってしまいました。
菊水山の山上は激しく雪が降り始め、明石海峡や播磨灘も荒れ模様です。

雪と明石海峡大橋 雪降る菊水山から望む 神戸 六甲山 2013年1月

冬の神戸 雪の六甲・菊水山から明石海峡大橋、淡路島を望む

2013.01.07

雪降る菊水山から大阪平野や明石海峡大橋を撮影した話は前回の記事に。
今回はその続きです。

この日、菊水山から瀬戸内海方面は見えにくいと感じていましたが、何気なく播磨灘の向こう、海面や水平線を眺めてみると、なにやら島影が見えています。
おそらく、姫路市に属する家島諸島でしょう。
その左手には大きな島があるようですが、雲に隠れ、島の端しか見えません。
これは瀬戸内海に浮かぶ小豆島の北端部でしょう。
さらに、よくよく目を凝らして眺めてみると、小豆島北端の向こうにも陸地が見えています。
どうやら岡山県は児島半島の山々のようです。

霞んだ曖昧な見え方に過ぎませんが、菊水山から撮影を試みます。

追記。
同じ構図でより分かりやすい写真を撮影できたため、本記事に掲載していた児島半島、家島諸島の写真は消去しました。

神戸の菊水山から瀬戸内海の小豆島、星ヶ城山を遠望 2013年12月

六甲 神戸の菊水山から小豆島、岡山の児島半島や金甲山を遠望

2014.01.16

上の記事に掲載していますので、そちらをどうぞ。
計算上、児島半島最高峰の金甲山からは、(上部のみですが、)大阪のハルカスさんを遠望できる可能性を秘めており、個人的に注目しています。
追記終わり。

児島半島、瀬戸内海方面を撮影をしている間に、また和泉山脈や紀淡海峡も見えるようになってきました。
雲が東へと流れているようです。

神戸の菊水山から関西国際空港連絡橋、りんくうゲートタワービルを遠望 2013年1月
神戸の菊水山から関西国際空港連絡橋、りんくうゲートタワービルを望む。
撮影地点から信達無線中継所(大阪府泉南市)まで45.7km。
りんくうゲートタワービル(大阪府泉佐野市)まで35.6km。

りんくうゲートタワービルは明瞭に見えていましたが、遠方の紀伊山地西部の山々については見える気配がありません。

菊水山から友ヶ島、紀淡海峡(中ノ瀬戸)を望む 2013年1月
菊水山から友ヶ島、紀淡海峡(中ノ瀬戸)を望む。

そして、ついに……、

菊水山から浮島現象を起こした伊島を望む 神戸市 六甲山 2013年1月
菊水山から伊島、淡路島、紀淡海峡(由良瀬戸)、友ヶ島を望む。
伊島は浮島現象 を起こしています。
灯台そのものが見えているかは怪しいですが、撮影地点から伊島灯台(徳島県阿南市)まで107.6m。

登ってきた当初のような、明瞭な見え方ではなかったものの、紀伊水道の雲が退き、浮島現象を起こした伊島を撮影できたのでよしとしましょう。

さて、日没が近付いてきました。
とは申し上げても、明石海峡の向こう、香川県方面は雲で何も見えず、さすがに夕日は撮影できないだろうと、こればかりは端から諦めきっていました。

ですが……、

菊水山から日没直前の明石海峡、播磨灘、遠くに四国を望む 神戸市 六甲山 2013年1月
菊水山から日没直前の明石海峡、播磨灘、遠くに四国は香川県の山々を望む。
撮影地点から尾瀬山(香川県仲多度郡まんのう町)まで135.5km。
大高見峰(香川県綾歌郡綾川町、仲多度郡まんのう町、丸亀市)ま127.6km。
五瀬山(香川県さぬき市)まで97.7km。

海面に夕日が写っており、これはぎりぎりで夕日が覗きそうな雰囲気があります。
播磨灘の対岸には讃岐の低山もはっきり見えています。

上の写真よりさらに左手には、大川山、竜王山といった讃岐山脈の高峰が連なり、それに、写真にかろうじて写っている尾瀬山の後方には黒森山(1678.4m)、その黒森山の左手前には、物住頭(1634.5m)、東赤石山(1706.0m)といった、遠く愛媛県は石鎚山脈、法皇山脈(赤石山系)の山々まで見えるはずですが、残念ながら、この日はいずれも見えずじまいでした。
方角的にはこちら向きですが、法皇山脈(赤石山系)に遮られる形となるため、菊水山から西日本最高峰(近畿地方以西最高峰)である石鎚山そのものは見えません。

しかしながら、よくよく目を凝らして見てみると、黒森山の北西1.35kmに所在する約1440mの小ピーク が、かろうじてではありますが、うっすらと写っているようです。

愛媛県新居浜市と西条市の市境尾根ですね。
新居浜育ちの友人から別子銅山の話はよく聞かされており、このあたりの山には昔から興味がありますが、いかんせん京都から遠く。

菊水山から四国は石鎚山脈の一部を望む 神戸市北区 六甲山系 2013年1月
六甲山系に属する菊水山から四国は石鎚山脈の一部を望む。

兵庫県の山から愛媛県の山まで撮影できた記念として、部分的にトリミングして、コントラストを補正した写真も掲載しておきます。
左奥の雲がかかっている山が黒森山方面です。

撮影地点から約1440m小ピークまで約198km。
上の写真に写っている山としては最遠にあたるのではないかと思われます。
雲がなく、かつ、遠くを望むことができる、決定的な好条件の日であれば、法皇山脈(赤石山系)まで見通せる山だと分かりました。

追記。
この約1440m小ピークは「傾吹山」、あるいは「傾き山」と呼ばれる山だと分かりました。
写真でも分かるように急峻な山で、現地は崩落が進んでいるようです。

菊水山 夕日 四国に落陽 神戸市北区 六甲山系 2013年1月
菊水山(兵庫県神戸市北区)から瀬戸内海(播磨灘)の向こう、遠く四国に沈む夕日を望む。
撮影地点から北山(香川県さぬき市)まで93.2km。

美しい真っ赤な夕日も望むことができました。何も言うことはありません。

夕日が沈みゆく北山は、讃岐カントリークラブの最高標高地点(約290m)です。
すぐ近く(西に0.36km)に三角点288.5m峰(点名「鴨部東山」)が所在します。
最高標高地点にはゴルフ場の施設が所在するため、三角点峰を北山とする資料もあるようです。

菊水山は夜景の有名スポット。
ライトアップされた明石海峡大橋を撮影してから下山しようかとも思いましたが、瀬戸内海を望み、伊島を望み、そして、美しい夕日を楽しむことができた……、その余韻を大切にしたいと思い、この日はそのまま下山しました。

いずれ、雲が少なく、四国山地や紀伊山地など、遠くの高い山々も見え、伊島や小豆島も明瞭に見える日に再訪してみたいものです。

追記。
念願かない、この年の年末に菊水山から四国山地の山々を好条件で望むことができました。

六甲・菊水山から愛媛・石鎚山脈に沈む夕日を望む 神戸市 2013年12月

六甲 神戸の菊水山から四国の石鎚山脈、法皇山脈と夕日を望む

2014.01.18

その話は上の記事に。
今回の記事に掲載している写真とは比較にならないほど明瞭な写真を撮影できましたので、ぜひ、合わせてご一読ください。

関連記事 六甲山系 雪の菊水山から展望・遠望

すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。

菊水山(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「菊水山」周辺の地図を表示
「菊水山(キクスイヤマ)(きくすいやま)」
標高458.8m (三等三角点「下谷上」)
兵庫県神戸市北区

ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!