2016年(平成28年)6月1日に生駒山地北部の国見山を登り、開花が進むササユリを観賞しました。
国見山(くにみやま)は大阪府枚方市に所在する里山で、南に隣接する交野市の交野山と合わせてハイキングする方が多く。
この日は津田サイエンスヒルズを起点として国見山、サンドイッチ山を歩き、穂谷へと下山しました。
その話は上の記事に詳しく。後年、新サンドイッチ山についての見解も追記しています。
今回の記事は前回の記事の補足や蛇足のようなものです。
薄い雲が広がる空でしたが、この日は初夏としては遠くまで見えやすく、国見山の山頂からは「枚方八景」にふさわしい眺望を楽しむことができました。
前回の記事で六甲山、大阪方面の展望写真を掲載していますが、今回はピンポイントな遠景の写真を何枚か。
開業を1ヶ月後に控えた大観覧車「REDHORSE OSAKA WHEEL(レッドホース オオサカ ホイール)」(以下、大観覧車オオサカホイール)の姿が気になるところです。
目次
大阪府枚方市 国見山の展望・眺望
エキスポシティ、太陽の塔を遠望
枚方市の国見山から吹田市のエキスポシティ、大観覧車オオサカホイール、太陽の塔を遠望する。
主な山、建造物 | 距離 | 標高 (地上高) | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
岩原山 | 37.3km | 573m | 兵庫県宝塚市 | |
畑山 | 41.3km | 528.7m | 兵庫県西宮市 | |
太陽の塔 | 16.8km | (70m) | 大阪府吹田市 | |
REDHORSE OSAKA WHEEL (オオサカホイール) | 16.5km | (123m) | 大阪府吹田市 | 日本一高い観覧車 |
西向きの遠景。
「太陽の塔」の後方に見える高層マンションはザ・千里タワーです。
千里万博記念公園の「EXPOCITY(エキスポシティ)」で建設中の大観覧車オオサカホイール。
報道によると、この観覧車の高さ(地上高)は公称123mで、これは日本最大の観覧車(高さ日本一の観覧車)となる見込みです。
ホイールは南北を向いて円を描いており、おおむね真東にあたる国見山から望むと、観覧車らしさを感じない、縦に細い棒のような見え方です。
5月末にゴンドラの設置も終わったようで、脚部やホイールの組立て時に見えていた大型クレーンも高度を下げていました。
2016年7月1日の開業(予定)を待つのみです。
大観覧車オオサカホイールからどこが見える(オオサカホイールはどこから見える)の大雑把な話は上の記事に。
REDHORSE OSAKA WHEEL
大観覧車「REDHORSE OSAKA WHEEL(レッドホース オオサカ ホイール)」を「枚方八景」国見山から遠望する。
リサイズをやや控えめにした写真も。
送電線越しですが、国見山から大観覧車や市立吹田サッカースタジアム(→パナソニックスタジアム吹田)を遠望できます。
山頂ではなく、山頂直下の展望デッキからであれば、送電線を視界に入れずに済むでしょう。
実のところ、ライトアップされた観覧車を遠くから撮影するのは難しい話ではありません(これはオオサカホイールの話ではなく、大型の観覧車全般の話です)。
たとえば、京都市の大文字山から軽く80km以上離れた大観覧車「りんくうの星」も、「ライトアップされた夜景であれば」撮影できますが、日中となるとなかなか困難です。
いかに日本最大とはいえ、直線距離で60~70km以上も離れてしまうと、日中に大観覧車オオサカホイールを明確に分かる形で撮影するのは難しくなるだろうと見ています。
とはいえ、国見山から大観覧車オオサカホイールまではせいぜい16km程度の距離ですので、日中でも双眼鏡などがあれば容易に確認できるでしょう。
国見山から約68km~離れた淡路サービスエリア大観覧車を撮影した写真は上の記事に。
この観覧車も日中に国見山から撮影するのは困難です。
国見山からでは「棒」のような見え方でホイールがよく分からないという方は、上の記事に八幡市の「あらかし公園」から撮影した写真を掲載していますので、そちらを。
距離は国見山と同等で、撮影時期も近い(完成直前)です。
視点を少し右に。
ひらかたパークの観覧車を遠望
ひらかたパークの大観覧車スカイウォーカーを「枚方八景」国見山から撮影する。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 |
---|---|---|---|
大峰山 | 35.7km | 552.3m | 兵庫県宝塚市 |
中山 | 33.4km | 478.0m | 兵庫県宝塚市 |
他の建築物と重なるため、観覧車の場所は示していませんが、左手前で目立っています。
ただし、国見山の山頂から観覧車の全景は見えません。
遠方には長尾連山(中山連山)の山々が見えており、どこからでも見えることでお馴染み宝塚の大峰山の姿が目立ちます。
この山について、他の「大峰山」と区別する場合、個人的には「宝塚大峰山」と呼べばよいのではないかと考えていますが、近年は「北摂大峰山」の呼称が広まっているようです。
昭和初期のハイキングガイドブックでは「摂津大峰山」の呼称を採用していました。
宇治田原の大峰山は、さしづめ「山城大峰山」といったところでしょうか。
京都方面の風景を撮影した写真も。
国見山は京都方面の展望も優れています。
京都方面の展望
「枚方八景」国見山の展望。「都富士」比叡山や愛宕山など京都方面の景観。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 |
---|---|---|---|
地蔵山 | 32.1km | 947.3m | 京都府京都市右京区 |
愛宕山 | 30.2km | 924m | 京都府京都市右京区 |
桟敷ヶ岳 | 40.2km | 895.7m | 京都府京都市北区 |
鳩ヶ峰 | 9.5km | 142.4m | 京都府八幡市 |
地蔵山は右京区最高峰、桟敷ヶ岳は北区最高峰、皆子山は京都市最高峰・左京区最高峰、鳩ヶ峰(男山)は八幡市最高峰です。
国見山は見晴らしの良い高台でもあり、かつて、津田城(国見山城)が築かれたのではないかともいわれています。
京都タワー、皆子山、五山「妙法」の字跡
国見山から京都府最高峰の皆子山、京都タワー、五山送り火「妙法」の山を遠望する。
主な山、建築物 | 距離 | 標高 (地上高) | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
峰床山 | 49.9km | 969.9m | 京都府京都市左京区 | |
皆子山 | 46.3km | 971.3m | 京都府京都市左京区 滋賀県大津市 | 京都府最高峰 |
京都タワー | 21.6km | (131m) | 京都府京都市下京区 |
松ケ崎の「妙」「法」の字跡は分かりにくいでしょうか。
白いマッチ棒のような京都タワーの姿は「写真では」目立ちますね。
「肉眼で」場所が分かる方は、よほど目が良い方でしょう。
追記しておきますと、写真の右手前で目立つ巨大な紅白の鉄塔はKBS京都ラジオ電波塔(京都放送久御山送信所)(くみやま夢タワー137)です。
その高さ(地上高)は137mで、これは京都タワーの高さを上回り、現状、京都府で最も高い構造物です。
視点を少し右に。
比良山、比叡山を遠望
国見山から比良山地最高峰の武奈ヶ岳、蓬莱山、比叡山、大文字山、伏見桃山城を遠望する。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
武奈ヶ岳 | 54.5km | 1214.2m | 滋賀県大津市 | 比良山地最高峰 |
蓬莱山 | 48.4km | 1173.9m | 滋賀県大津市 | |
四明岳 | 31.5km | 838m | 京都府京都市左京区 | 都富士 |
大比叡 | 31.8km | 848.1m | 滋賀県大津市 京都府京都市左京区 | 都富士 |
大文字山 | 26.3km | 465.3m | 京都府京都市左京区 |
比叡山や大文字山の手前に伏見桃山城も写っていますが、暗い写真で分かりにくいです。
「びわ湖バレイ」蓬莱山の山上の施設はともかく、比叡山の山上や中腹の施設は上の写真でも分かるでしょうか。
続いて大阪の高層ビル群方面を。
大阪の高層ビル群を遠望
国見山から大阪の高層ビル群、コスモタワー、天保山大橋を遠望する。
主な建築物 | 距離 | (地上高) | 所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
大阪府咲洲庁舎 | 32.7km | (256m) | 大阪府大阪市住之江区 | コスモタワー |
The Kitahama | 22.5km | (209.4m) | 大阪府大阪市中央区 | 北浜タワー |
高層ビルは全て示しているときりがないため、ごくごく一部のみ。
中之島フェスティバルタワーと示している超高層ビルの右に重なるように中之島フェスティバルタワー・ウエストが、さらに右に重なるように関電ビルディングが見えています。
建設中の中之島フェスティバルタワー・ウエストは上部にクレーンが写っているので分かりやすいでしょうか。
「天保山大橋」と示している主塔の左、「飛行機?」と示している物体(鳥さんのような?)の下方に、天保山大橋のもう1本の主塔とOAPタワーが写っています。
OAPタワーの陰となるため分かりにくいですが、その「もう1本の主塔」と重なるように天保山大観覧車の一部も写っています。
まず分からないでしょうから場所は示していません。
視点を左に。
あべのハルカスを遠望
生駒山地北部の国見山から「あべのハルカス」を望む。
撮影地点から「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)まで24.9km。
この日(6月1日)は京都方面はとくに条件よく見えていましたが、あいにく大阪方面は遠霞みの白んだ空でした。
この翌日(2日)であれば、さらに遠くまで見晴らすことができたでしょう。
空気が澄んだ好条件の日には、ハルカスさんの遠方に紀淡海峡に浮かぶ友ヶ島などを見通せます。
国見山周辺で自然観察
ササユリ
枚方市と交野市の市境付近に咲いていました。
昨年も同じ場所で1つの株に5つのお花を付けるササユリを撮影したように記憶しています。
大阪のカラスアゲハ
植栽のツツジとカラスアゲハ。大阪府枚方市野外活動センターにて。
自生であればミヤコツツジに近い色合いですが、栽培となるとヒラドツツジの仲間も同様の色合いを出せますので、品種名を書いてないかぎりは何と断定するのは難しいです(が、おそらくはヒラドツツジでしょう)。
市街地から遠くない場所で、カラスアゲハが飛び交う環境は大切にしたいものです。
補足しておきますと、国見山の山中深くにもミヤコツツジらしきお花が咲き残っていましたが、北摂六甲に多いタイプの色合い(紅紫色型)ではなく、金剛和泉に多いタイプの色合い(色濃いピンク型)でした。
お花はモチツツジより小ぶりで、ガク(萼)も短かったものの、花柄の粘り気は強めで、ただ色が濃いモチツツジの変異なのか、ミヤコツツジなのか、どうも私には区別が付きません。
さらに追記。
その後も観察していますが、どうやら(国見山を含む)生駒山地も金剛山地・和泉山脈と同系統(色濃いピンク型)のミヤコツツジが出やすいようです。
ただ、国見山のそれが、間違いなくミヤコツツジであるとは私には断定できません。
上でも述べたように、モチツツジの変異の可能性もありますし、他の交雑種の可能性もあります。
生駒山地の山々は都市部と近接しているため、散布された園芸種との交雑も考えられるでしょう。
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国見山(地理院 標準地図)
「国見山(クニミヤマ)(くにみやま)」標高284m
大阪府枚方市
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