先日のシルバーウィーク、大型連休の期間中、2015年(平成27年)9月20日の話。
気まぐれで京都市伏見区に所在する伏見稲荷大社さんを参拝し、稲荷山を登山しました。
千本鳥居をくぐった先、奥社から京都一周トレイルコースを利用して山を登りますが、秋の観光シーズンということもあり、下の神社さんだけではなく、稲荷山(三ヶ峰)の参道まで大にぎわい。
さすが繁盛の神様だと妙なところで感心します。
四ツ辻の展望地は混雑していましたが、四ツ辻から離れ、荒神峰の展望地まで向かうと人影もまばらに。
稀に物好きな方がいらっしゃるくらいで、先ほどまでの喧騒から逃れ、低山ながら見晴らしの良い眺望を楽しむことができました。
よく知られている稲荷山四ツ辻の展望地と異なり、その奥にあたる稲荷山荒神峰の展望地からは、眼下に広がる京都市南部の街並みだけではなく、遠くには大阪方面まで見渡すことができます。
この日は9月としては空気が澄んでおり、大阪の高層ビル群も浮かび上がるように見えていました。
前回の記事で超高層ビル「あべのハルカス」や紀泉アルプス、和泉山脈方面を撮影した写真を掲載しましたが、今回はその右(西)にあたる梅田スカイビルや大阪港、大阪湾方面を撮影した写真を。
稲荷山荒神峰の展望地から大阪の高層ビル群、梅田スカイビル、コスモタワー、天保山大橋を遠望する。
主な建築物 | 距離 | (地上高) | 所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
The Kitahama | 40.0km | (209.4m) | 大阪府大阪市中央区 | 北浜タワー |
大阪府咲洲庁舎 | 49.8km | (256m) | 大阪府大阪市住之江区 | コスモタワー |
八幡市の鳩ヶ峰(男山)の向こう、グランフロント大阪のビル群や梅田スカイビルなど、林立する高層ビル群の姿が明瞭に見えています。
中之島フェスティバルタワーと関電ビルディングの間には工事用のクレーンも写っています。
先日、大文字山からも撮影しましたが、いずれ、中之島フェスティバルタワーの西館(ウエスト)の姿も京都側から確認できるでしょう。
その関電ビルディングの左手前、点滅する(点灯する)煙突が写っていますが、これは高槻市前島のクリーンセンター(高槻CC)です。
「天保山大橋」の文字の右が薄く黒ずんでいるのはレンズの汚れではありません。
撮影時、小鳥さんか虫が横切ったようですが、すでに記憶が曖昧です。
天保山大観覧車や天保山大橋、それに、この構図の右手に見える此花大橋あたりは、私にとって馴染みがある大文字山の山頂から見えるため、さほど目新しさは感じません。
もっとも、遠くが見えやすい日に稲荷山を登る機会は少なく、これほど明確に分かる形で荒神峰から撮影できたのは初めてです。
短いですが、動画でも。40秒。
稲荷山荒神峰から梅田スカイビルなど遠く大阪の高層ビル群や天保山大橋を動画で撮影。
大阪の上空を飛行機が飛んでいるのがお分かりでしょうか。
動画の冒頭、右のほうで4回ほど点滅しているのが安治川の河口に架かる天保山大橋の主塔です。
不定期のようですが、まだ空が明るい時間から点滅(点灯)するのですね。
同じく動画の冒頭、中央やや左寄りで点滅しているのは高槻クリーンセンター第二工場の煙突です(→2019年に第三工場も竣工し、名称もエネルギーセンターに変更)。
天保山大橋から視点をさらに右(西)に移してみると、大阪ベイエリア舞洲の煙突が見えていることに気付きました。
この目立つ煙突は生駒山地や六甲山系、北摂山系から容易に遠望できますが、大文字山の山頂からは見えません。
さらに、舞洲に架かる此花大橋や常吉大橋らしき主塔や、遥か彼方には淡路島の島影までうっすらと……。
稲荷山荒神峰から淡路島南東端、大阪港周辺、舞洲工場の煙突、此花大橋、常吉大橋を遠望する。
特徴的な舞洲の煙突のうち、稲荷山荒神峰から見えるのは舞洲工場の煙突のみ。
もう1基の煙突、つまり、舞洲スラッジセンターの煙突は、ちょうど、吹田駅前の高層ビル(メロード吹田)の影となるため、荒神峰の展望地からは見えないようです。
とくに示していませんが、此花大橋の手前には南千里丘の高層マンションも写っていますね。
此花大橋はともかく、常吉大橋を京都市から遠望する機会はめったにないでしょう。
天保山大観覧車は夜間にライトアップされるまでは場所が分かりにくいでしょうか。
とくに当ウェブサイトでは公開していませんが、4月のリニューアル後、観覧車の新しいライトアップパターンをあちらこちらの山の上から動画で撮影して遊んでいます。
機会があれば積み記事を崩したいものです。
常吉大橋の遠方、大阪湾の対岸に見えている山影は淡路島の南東端。
「淡路島 南東端」と矢印で示しているのは、柏原山の南東、由良港や成ヶ島の南西、立川水仙郷の北西にあたる、標高にして約410mの小ピークです。
地形図ではこのあたり 。
撮影地点からは但馬、播磨の高峰はもちろん、六甲山も見えないため、淡路島南東端部は稲荷山荒神峰から見える貴重な兵庫県の山でもあります。
文字が重なってしまうため、とくに示していませんが、メロード吹田の右遠方に見える山影が、約410m小ピークの西北西0.49km地点に所在する標高点431m峰です。
この展望地からは四国が見えず、諭鶴羽山地の高峰も見えないため、標高点431m峰の周辺が稲荷山荒神峰から見える最遠望の地だと考えられます。
撮影地点から標高点431m峰までの直線距離は110.7km。
そう頻繁に見えるものではないでしょうが、これからの季節、好条件の日を選んで訪れれば望む機会もあるでしょう。
稲荷山から下山後、嵯峨嵐山へ向かい、夜は小倉山から京都東山のライトアップを撮影しました。
えっ、京都盆地の南東部にあたる伏見稲荷から北西端にあたる嵯峨嵐山まで対角線を描いて移動したの、わざわざ何をやってるのと思われるかもしれません。
私も面倒になり行くのを止めようかと考えましたが、JR奈良線の稲荷駅からJR山陰本線の嵯峨嵐山駅まで30分未満で行けることに気付きました。
普段、京都市内の移動にJRを利用する習慣がないため、あやうく見落とすところでしたが、観光シーズンの道路渋滞に巻き込まれることもなく、これは意外に便利です。
荒神峰からの夜景を過去の記事で紹介しています。
稲荷山の周辺から明確に京都タワーを見通せる場所は意外に限られています。
興味がある方は上の記事で。
関連記事 2015年9月 秋の稲荷山から遠景を
すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。
- 伏見 稲荷山荒神峰 大阪のハルカスや和歌山の雲山峰を遠望
- 伏見稲荷大社 荒神峰から大阪の高層ビル群、淡路島を遠望
稲荷山(地理院 標準地図)
稲荷山荒神峰はかつての田中社神蹟とされています。稲荷山四ツ辻から「権太夫大神」方面への階段を登り、道なりに進めば荒神峰の展望地。
「稲荷山(イナリヤマ)(いなりやま)」
標高233m
京都府京都市伏見区(稲荷山の山体は山科区に跨る)
「伏見稲荷大社」
京都府京都市伏見区稲荷山官有地 付近
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