今日、2015年(平成27年)9月30日の話。
昨晩の夜空は美しく、お月さまも明るく輝いて見えましたが、他の方がおっしゃるには、夜明け時には東向きが遠くまで条件よく見えていたとのこと。
できれば私も早い時間帯に南東向きを望みやすい山を登りたかったのですが、あいにく今日も朝から忙しく、午後に1時間ほど空いたのみ。
遠出は困難なため、京都市北区上賀茂の「大田の小径」から奈良大峯まで見えるかどうか確認してみることに。
計算上、「大田の小径」の展望地から大峰山脈の高峰まで遠望できることは分かっていますが、はたして本当に京都盆地の北縁付近から、それも標高200mに満たない低所から見えるのでしょうか。
大田神社さんの脇から「大田の小径」のハイキングコースを駆け登ります。
「大田の小径」については上の記事に詳しく。
かつて、上賀茂神社さんの社領だった山々でも、北部の「神山」を総称とする山域に対し、南部の「本山」を総称とする山域の内にあり、とくに大田神社さんの裏山を指して、明治時代頃は「太田山」(大田山)と呼んでいました。
西には「神宮寺山」(片岡山)が連なり、南麓には「大田の澤」が広がります。
上賀茂「大田の小径」の展望地から大峰山脈(大峯・大峰山)、稲荷山、伏見桃山城を一望する。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
阿弥陀ヶ森 | 92.7km | 1680m | 奈良県吉野郡天川村 奈良県吉野郡川上村 | |
大普賢岳 | 94.2km | 1780.1m | 奈良県吉野郡天川村 奈良県吉野郡川上村 奈良県吉野郡上北山村 | |
竜ヶ岳 | 92.3km | 1725m | 奈良県吉野郡天川村 | |
山上ヶ岳 | 91.2km | 1719.4m | 奈良県吉野郡天川村 | |
稲村ヶ岳 | 92.5km | 1726.1m | 奈良県吉野郡天川村 | |
バリゴヤノ頭 | 94.0km | 1580m | 奈良県吉野郡天川村 | |
弥山 | 98.7km | 1895m | 奈良県吉野郡天川村 | |
八経ヶ岳 (八剣山) (仏教ヶ岳) | 99.3km | 1915.2m | 奈良県吉野郡天川村 奈良県吉野郡上北山村 | 近畿地方最高峰 奈良県最高峰 大峰山脈最高峰 |
明星ヶ岳 | 99.7km | 1894m | 奈良県吉野郡天川村 奈良県吉野郡上北山村 奈良県五條市 | |
頂仙岳 | 97.4km | 1717.7m | 奈良県吉野郡天川村 | |
稲荷山 | 10.6km | 233m | 京都府京都市伏見区 |
残念ながら、私が山を登った午後の時間帯には、すでに遠くの高峰は薄れて見えにくく。
それでも、かろうじて八経ヶ岳や山上ヶ岳といった大峰山脈の連なりを上賀茂から遠望できました。
京都東山など、近くの山並みは浮かび上がるように色濃く見えており、空気が澄んでいることじたいは疑いようがありませんが、遠くの空は薄い雲が広がる影響で白んでいます。
上空を見上げると長い飛行機雲がたなびいており、お天気そのものも下り坂のようです。
大文字山や比叡山、音羽山から大峰山脈の高峰を撮影した写真を過去の記事で掲載していますが、上賀茂からの見え方も似たようなものです。
もっとも、伏見桃山城の天守閣(模擬天守)が同じ構図に収まる、かつ、低所から京都の街並みの向こうに見えているという点には新鮮な感動や驚きがありました。
「大田の小径」の展望地(道標番号「4」)からは、「間に海を挟まず(海を越えず)」「標高150m未満の低所から」「約100km先の八経ヶ岳まで見通せる」ことになり、この3つの条件を満たせる開けた展望地は限られています。
たとえば、小倉山の展望地からは見えません。
「女人大峯」稲村ヶ岳のすぐ右に飛び出ている尖った「爪」が大日山です。
京都側の山の上から大峰山脈を望む場合、八経ヶ岳のピークが分かりにくく、手前に(北に)位置する弥山のほうが目立つのは相変わらずですね。
上賀茂「大田の小径」の展望地から金剛山と京都タワーを遠望する。
主な山、建築物 | 距離 | 標高 (地上高) | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
金剛山 (葛木岳) | 71.6km | 1125m | 奈良県御所市 | 金剛山地最高峰 |
湧出岳 | 71.9km | 1111.9m | 奈良県御所市 | |
陣の峰 (ジノムネ) | 99.8km | 1177.6m | 奈良県五條市 奈良県吉野郡野迫川村 | |
高ヶ峰 | 30.9km | 305.6m | 大阪府枚方市 京都府京田辺市 | |
甘南備山 (甘南備山 雄山) | 28.0km | 221m | 京都府京田辺市 | |
京都タワー | 8.2km | (131m) | 京都府京都市下京区 |
夕方に撮影したかのような暗い写真ですが、実際には15時頃に撮影しています。
京都タワーの下には京都駅の周辺や、京都の街並みの一部が写っています。
京田辺の丘陵は綺麗に見えていましたが、遠くの西吉野や大塔、奥高野の山々は曖昧な見え方にすぎません。
参考程度に分かりやすい「陣の峰」のみ場所を示しておきます。
地元にお住まいの方であれば、より分かりやすい写真を撮影なさる機会も多いでしょう。
いずれ、さらなる好条件の日に自身でも訪れたいものです。
いわゆる大和葛城山は金剛山湧出岳の手前に重なるように見えているため、その山頂を特定するのは困難です。
ごく稀にですが、金剛山と大和葛城山が分離したかのように大文字山から見える日があります。
ベニバナボロギクのお花に集まる「旅する蝶」アサギマダラ。京都市北区上賀茂。
この時期は京都のいたるところでアサギマダラを見掛けますね。
今日も何頭(何匹)か見掛けましたが、いずれもベニバナボロギクに対して吸蜜していました。
お庭でフジバカマの仲間を育てていらっしゃるお家にはよく訪れるでしょう。
ベニバナボロギク同様、林道や空き地で雑草化しているノボロギクなどもアサギマダラが集まりそうです。
そういえば……、
この場所で土砂の流出による被害を防ぐための工事を実施します。
つきましては、お地蔵様は別の場所に移動しましたので、(以下略
とのこと。
大田の小径(地理院 標準地図)
「大田の小径(オオタノコミチ)(おおたのこみち)」山頂と見なせる地点 標高161m
京都府京都市北区
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