船岡山からクリスマスカラーの京都タワーを望む 2014年12月

2014年12月25日、今日はクリスマス。
聖夜仕様の2色カラーでライトアップされる京都タワーを眺めるため、日没頃から船岡山を登りました。
当初は大文字山から撮影しようと考えていましたが、京都市内では14時過ぎから雨が降り始めたため、あえなく断念。
夕方には雨もあがりましたが、またいつ降るとも限らず、山の上からの撮影は諦め、いわば、街中の小高い「丘」にすぎない船岡山から撮影を試みることにしました。

建勲神社さんに参拝後、山頂を訪れてみると、雨上がりの影響か、遠くの生駒山が浮かび上がるように見えていることに気付きます。
これなら無理をしてでも他の山を登ればよかったかなと思いましたが、後の祭り。
16時45分には目当てとしていた京都タワーも点灯しましたが、まだまだ明るい時間帯、遠くからでは分かりにくいものがあります。
17時過ぎには日も暮れて、ようやく遠目にも確認できるようになりました。

クリスマスカラーの京都タワー、伏見桃山城を船岡山から望む 京都市北区 2014年12月
船岡山(京都市北区)からクリスマスに合わせて赤と緑の2色にライトアップされた京都タワーと伏見桃山城を望む。
撮影地点から京都タワー(京都市下京区)まで5.9km。

京都タワーが赤色と緑色で照らされているのは、改めて申し上げるまでもなく、クリスマスに伴うイベントです。
昨晩、つまり24日の夜と、今晩、すなわち25日の夜に特別点灯されました。
このように、京都タワーの塔体が2つの色を交えてライトアップされるのは史上初めてだそうです。
11月5日に試験点灯が行われたものの、あいにく、その夜は眺めることができず、やや心残りとなっていましたが、本番は撮影できました。

草木が茂ったため、船岡山の山頂公園(三角点広場)は昔と比べると見晴らしがよくありませんが、伸びた枝の合い間に京都タワーの周辺を眺めることができます。
京都タワーの後方には伏見桃山城の天守閣(模擬天守)が写っており、うっすらですが、さらに遠方には南山城や奈良の山々も写っています。
生駒山が異様にくっきり見えていたことからも、向きによっては好条件だったと言えそうです。

ところで、写真右端の手前に大きなクリスマスツリーさんが写っていますね。
方角と見えている建築物から、京都駅のクリスマスツリーだと考えられますが、はたして船岡山から見えるものでしょうか。

船岡山から生駒山地の山々を望む 京都府京都市北区 2014年12月
船岡山から生駒山地の山々、男山の山上駅周辺を望む。

主な山距離標高山頂所在地備考
竜王山29.2km321m大阪府交野市
生駒山40.4km642.0m奈良県生駒市
大阪府東大阪市
生駒山地最高峰
鷲尾山
(哮ヶ峰)
39.3km587.2m奈良県生駒市
大阪府東大阪市
点名「笹ケ谷」
眼鏡山
(清滝山)
34.7km361.2m大阪府四條畷市

竜王山の左(北東)には交野山や国見山が所在しますが、上の写真では見切れています。
右手前に見えているのは、八幡市の鳩ヶ峰(男山)でも東寄り、石清水八幡宮さんや男山ケーブルの山上駅側にあたります。
鳩ヶ峰は生駒山地の北西端と言えますが、枚方市や京田辺市の丘陵地からやや離れているため、生駒山地の山と認識する方は少ないようです。

船岡山から左大文字山、鷹峯、沢山の周辺峰を望む 京都市北区 2014年12月
船岡山(山頂の西側)から左大文字山、鷹峯、沢山の周辺峰を望む。

主な山距離標高山頂所在地備考
約480m小ピーク3.9km482m京都府京都市右京区沢山の南
標高の値は10mDEMによる
吉兆山
(吉兆寺山)
(吉兆谷山)
3.3km463m京都府京都市右京区
京都府京都市北区
標高の値は10mDEMによる
桃山
(天峯)
(天ヶ峰)
3.0km466m京都府京都市北区
京都府京都市右京区
鷹峯三山
大文字山
(左大文字山)
1.2km231m京都府京都市北区

船岡山の山頂広場や山頂北側の公園は、いわゆる「五山送り火」の観賞スポットとして知られており、とくに左大文字、舟形の字跡(火床)は眼前に眺めることができます。
…もちろん、当日の場所取りはシビアなもので、私は遠慮しますが。

ところで、左大文字山の後方に並ぶ3つの「こぶ」、これは沢山の周辺峰です。
左端の「こぶ」を沢山だと誤解なさる方もいらっしゃるようなので、改めて述べておきますが、これは沢山の南0.36kmに所在する小ピークで、沢山の山頂ではありません。
沢山の山頂は吉兆さんゆかりの吉兆山の後方となり、この地点から望むことはできません。
また、いわゆる「鷹峯三山」のうち、「天峯(天ヶ峰)」=桃山は望むことができ、少し場所を変えれば「鷹峯(鷹ヶ峰)」=兀山も望むことができますが、残る「鷲峯(鷲ヶ峰)」が船岡山から見えるかどうかは微妙なところです。

建勲神社の貴賓館越しに大文字山の「大」の字を望む 船岡山 2014年12月
建勲神社さんの貴賓館越しに大文字山の「大」の字跡を望む。
撮影地点から大文字山(京都府京都市左京区)まで6.6km。

登頂前に参拝のため立ち寄った建勲神社さんの境内、拝殿前から撮影しました。
こちらもよく知られている大文字山の展望スポットですね。
「大」の字跡は相国寺さんに対して正面を向くように描かれていますが、実は、建勲神社さんは大文字山の火床と相国寺さんを結ぶ線の延長線上に所在しており、結果として、建勲神社さんに対しても正面を向いています。
船岡山そのものは昔より見晴らしが悪くなった、木々が伸びたこともあり、南向きについては展望適地とは言えなくなった感がありますが、これからも「大」の字跡は建勲神社さんから見え続けることでしょう。

京都タワー クリスマス ライトアップ 赤と緑2色のタワーと駅ビルの巨大ツリーを遠望 回転直前

京都タワー 赤と緑2色のクリスマスカラー ライトアップが回転

2016.12.24

京都タワーの塔体照明がLED化された後、回転するクリスマスカラーのライトアップを撮影した話は上の記事に。

船岡山(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「船岡山」周辺の地図を表示
「船岡山(フナオカヤマ)(ふなおかやま)」
標高111.6m(111.7mから改定)(三等三角点「船岡山」)
京都府京都市北区

「建勲神社(タケイサオジンジャ、ケンクンジンジャ)(たけいさおじんじゃ、けんくんじんじゃ)」
京都府京都市北区紫野北舟岡町 付近

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4 件のコメント

  • 雨の合間の染め分けタワーの撮影お疲れ様です。
    試験点灯を見ていなかったので、どういう風に2色を灯す(照明を当てているだけですが)のか事前に分からず、見る方角によっては単色にしか見えない場所もあったようですね。
    大文字山からも赤単色しか確認できなかったそうです。
    ちなみにワタクシは酷い霞み空の昨夜に成就山の展望所から2色を確認出来たので、本日はパスしました。

    • こんばんは。
      夜景狩人ひでぶ~さんもお疲れさまでした。

      …なるほど、見る方角によっては赤色のライトアップの夜と同じ見え方になってしまうのですね。
      当たり前の話と言えばそれまででしょうが、そのようなことはまったく気付かず、たまたま、船岡山から2色に塗り分けられた塔を眺めることができました。
      もし、雨が降らなければ大文字山や東山を訪れた可能性が高く、結果的に、急な悪天候のおかげで見ることができたようなものです。
      なにがどう転ぶか分かりませんね。
      夜景狩人ひでぶ~さんも御室側から確認なさって良かったのではないでしょうか。

  • 昨日、雨が降り出した頃ちょうど船岡山から700メートルほど西、金閣寺近くのマンションにおりました。
    ここは標高があり、南側に高い建物が無いのでベランダから京都市内が一望です。
    生駒山はうっすらと煙っていました。
    雨が止む前に退去したのですが・・・。あのまま観察していたら、綺麗な生駒山が見えたかも。
    天気によっては金剛山、葛城山、紀勢山地(多分)も見えます。
    晴れているから見えるとは限りません。湿度や温度も関係するんですね。
    鳩ヶ峰が生駒山地の北西端とは全く予想もしませんでした。
    まろさんには色々なことを教えていただき、綺麗な写真を見せていただいた一年でした。
    ありがとうございます。
    どうぞよいお年をお迎え下さいね。

    • こんばんは。
      こちらこそ、拙い文章に目を通していただき、ありがとうございました。
      KEIKOさんもよいお年を。

      さておき、ベランダから京都市内が一望、それは羨ましいお話です。
      南向き遠くが見える環境には憧れがあります。
      昨日は雨上がり、日没頃のみ遠くまで見えていたようです。
      おっしゃるように、晴れているからといって遠くまで見えるわけではありませんね。
      こちらの山からあちらの山が見えているからといって、同時刻にあちらの山からこちらの山が見えていたとは限らないのも面白いです。
      気象条件はもちろん、光学現象の問題もあり、このあたりは興味が尽きません。

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    Maro@きょうのまなざし

    京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!