従来は「腐生植物」と呼ばれることが多かった腐生ランの仲間。
近年ではより正確に「菌従属栄養植物」と呼ばれるようになりましたが、そんな腐生ランの中でも、とくにタシロランは京都の浅い山や平地林でも容易に観察できます。
タシロラン(田代蘭)のお花。京都府。菌従属栄養植物。
私にとって馴染みがある大文字山や東山、稲荷山など、いわゆる東山三十六峰の山々、それに醍醐山地や、その南、鷲峰山地の山々などでも見ることができますが、登山口の付近やハイキングコースの脇など、とくに目立つ場所に出ることも多く、深山の植物ではなく、どちらかと言えば里山の植物という印象を受けます。
ただ、ショウキランやツチアケビと同様、「山では」同じ場所に続けて出にくいようで、かつては見ることができた場所でも、いつの間にやら失われている例も多く、環境の変化によるものか、あるいはそれ以外の要因か、そのあたりは私には分かりません。
食害の影響もあるようで、ネットなどで保護されているマヤランやショウキランは同じ場所に続けて出やすいことを確認しています。
上は平地林(京都御苑)で撮影した写真ですが、こちらは毎年のように同じ場所から出ます。
ただし、分布は限られており、長期的な観点では維持が難しいと考えられます。
京都御苑はカワセミソウのタイプ産地としても知られますが……。
上の写真のみ、2年前に京都北山の山中で撮影したショウキランですが、残念ながら次の年は出なかったです。
この地点、山域については、私が尊敬する方が継続的に環境を調査、記録なさっており、今後、どのような条件で発生するのか、消滅するのか、解明に繋がることを期待しています。
2014年7月
京都府
2014年7月19日、追記。
本記事とは無関係ですが、本日、大文字山の火床の中心、弘法大師堂の付近に雷が落ちました。
天候の急変が予想される日は早めに下山するよう心掛けましょう。
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