今回の記事は、
上の記事の続きです。
2014年6月の話。山野草観察がてら、京都北山の山をトレッキング。
この山では白花型(白色型)のベニバナヤマシャクヤクを観賞できましたが、山中を歩きまわってみると、他の植物も……。
地エビネの群生地。
当然ながら、すでに花期を終えています。
また別の地点ですが、こちらにも花後の地エビネが……。
よく見ると、昨年の実(さく果)の鞘も残っていますね。
よく調べてみると、山中のあちらこちらで地エビネを見ることができます。
いかにもエビネが好む条件を満たしており、生育環境としては申し分なく。
これらが自生だとすると、今となってはやや貴重なエビネ山ですが、どうも、人為的に増やされたのではないかという疑念を抱いてしまいます。
両丹日日新聞ニュース : 居母山をエビネの群生地に 夜久野のクラブ100株植栽
http://www.ryoutan.co.jp/news/2007/12/12/002820.html(リンク切れ)
地エビネの植栽(植え戻し)はとくに珍しいものではなく、たとえば、同じ京都府下の山であれば、夜久野の山の例があります。
また、個人的な経験で申し上げれば、私自身、過去に奈良県や和歌山県の山でも植栽と思わしき地エビネを見ています。
しかし、植栽(植え戻し)はコース付近の目立つ場所に対して行われるもので、こういった、誰も訪れそうにない場所に対して行うものかという疑問も残ります。
生育環境としては申し分なく、いかにも地エビネが好む環境で、数が多すぎなければ、自生であることをとくに疑いはしなかったでしょう。
地エビネの後方に写っているのはヤマシャクヤクの株ですが、お花が付いていません。
せっかくですので、ヤマシャクヤクのお花と、地エビネの花後、併せて撮影できそうな地点を探してみましたが、なかなか難しく。
ハイキングコースでも見ることができました。
知識ある方による植栽であれば、培養土が埋められているのではないかと考え、少し地面を調べてみましたが、この地点では痕跡らしきものは見当たらなかったです。
適切な知識をお持ちの方であれば、バルブの状態から植栽か否かの判断が可能かもしれませんが、私は植物についても大した知識は持ち合わせておらず、現状ではなんとも言えません。
追記。
翌年、専門的な知識をお持ちの方に判断を仰ぎました。
その日の話は上の記事に。
今年はヤマボウシの当たり年となっているようですね。
京都の山だけかと思ったら、他県の山でも同様だと聞きました。
右のお花、原因は分かりませんが、花片(花弁)に塗ったような赤い色が出ています。
長年、観察を続けていますが、いわゆる一般的なヤマシャクヤクで、このような紅差すケースは見たことがありません。
前回の記事でも少し申し上げましたが、白花型のベニバナヤマシャクヤク群生地の中にも変異的な紅花型が現れる例があります。
ただし、きわめて稀な例だと考えられます。
ベニバナヤマシャクヤク(白花型、白色型)とオカタツナミソウ。
下山時に撮影した写真です。
分かりにくいですが、紫色のオカタツナミソウのお花も左下に写っています。
京都府
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