2014年(平成26年)1月16日の夕暮れ時の話。
この日は……、いえ、この日も、と申し上げるべきでしょうか、1月14日に引き続き、16日も宇治市と京都市伏見区の市境に所在する日野岳(日野山)をサンセットハイキング、トワイライトハイキング。
好展望地として知られる「パノラマ岩」からは、遠く和泉山脈や淡路島、それに、明石海峡大橋の主塔の向こうに沈む夕日の姿を拝むことができました。
日野岳から遠く四国(の一部)や明石海峡大橋(の主塔)を眺めた話は前回の記事に。
今回はその続きで、2014年の年明けから何度か登った「日野岳(ひのだけ)」シリーズの最終回とも言える内容です。
以下は日没後に撮影した写真となります。
目次
京都市 日野岳(日野山)パノラマ岩の展望・眺望
大阪の夜景、遠方に淡路島 方面
京都の日野岳「パノラマ岩」から大阪の夜景と「あべのハルカス」を望む。
右端に梅田スカイビル、その後方に淡路島南部の諭鶴羽山地、左端に大阪の超高層ビル「あべのハルカス」、その後方に和泉山脈西端部の山々を収めています。
前回の記事でも少し触れましたが、中央に見えるビル群に遮られるため、淡路島と本州本土の間、紀淡海峡に浮かぶ友ヶ島を望むことはできません。
もし、建築物がなければ、友ヶ島の標高が高い地点を望むことができるでしょう。
ただし、撮影地点である「パノラマ岩」の標高は335m前後であり、「パノラマ岩」から見て(大気差を考慮しなければ)約66km先で水平線に達するため、いずれにせよ、約100km離れた紀淡海峡の海面そのものを望むことはできません。
この335m前後という標高は、奇しくも大文字山の「大」の字の火床の標高と同等ですが、同じ京都市内の東部に所在する山とはいえ、両座は南北に約10kmも離れているため、そこから見える景色は、近景、遠景、いずれも異なります。
たとえば、次の写真に写る観覧車は大文字山の火床から見えません。
両山の間に所在する逢坂山の展望地からは見通せます。
梅田スカイビル、コスモタワー、諭鶴羽山を遠望
日野岳「パノラマ岩」から大阪の高層ビル群、淡路島南部は諭鶴羽山地の山々を望む。
主な山、建築物 | 距離 | 標高 (地上高) | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
諭鶴羽山 | 121.4km | 607.9m | 兵庫県南あわじ市 | 淡路島最高峰 |
柏原山 | 112.1km | 568.9m | 兵庫県洲本市 | |
大阪府咲洲庁舎 | 50.3km | (256m) | 大阪府大阪市住之江区 | コスモタワー |
梅田スカイビル | 40.3km | (173m) | 大阪府大阪市北区 |
写真中央、赤い観覧車が目立っていますが、これは「HEP FIVE」の観覧車ですね。
梅田スカイビル、コスモタワーと淡路島最高峰が同じ構図に収まるのは醍醐山地の山から撮影した写真ならではでしょう。
実は、スカイビルの左手前(淀川の手前)に、ひらかたパークの観覧車「スカイウォーカー」も写っていますが、場所が分かりにくいです。
イルミネーションによりライトアップされる夜であれば……。
「淡路富士」先山を遠望
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
高倉山 | 107.1km | 266m | 兵庫県淡路市 | |
三角点422.6m峰 | 111.3km | 422.6m | 兵庫県洲本市 | 点名「念仏堂」 |
先山 | 111.3km | 448m | 兵庫県洲本市 | 淡路富士 |
感応寺山 | 114.2km | 278m | 兵庫県南あわじ市 |
狭く限られた範囲を撮影しているにもかかわらず、淡路島の3つの地方公共団体(淡路市、洲本市、南あわじ市)、すべての市の山が写っている点に地理的な面白さを感じます。
高倉山より右手は前回の記事で写真を掲載した妙見山方面へと続きます。
「淡路富士」先山は、約100km離れた大峰山脈の山々から望むこともできますが、日野岳のように110kmを超える距離から遠望できる山はさすがに限られています。
たとえば、私にとって馴染みがある湖南アルプスの山々を例にとると、好展望の山として知られる笹間ヶ岳、堂山からはそもそも見えず、太神山からであれば、計算上は見通せますが、現地は木々が多く、現状ではその合い間に覗くことも難しいでしょう。
決定的好条件の日に金勝アルプスから……、といったところでしょうか。
追記しておきますと、その後、滋賀県に所在する山の上から「淡路富士」先山(や四国の剣山)の撮影に成功しました。
この日は大阪方面の空気が澄んでいたこともあり、まだ明るさを残す時間帯からいつもの数字も条件よく見えていました。
ハルカス開業カウントダウン「50」の数字を遠望
日野岳「パノラマ岩」から「あべのハルカス」全面開業カウントダウン「50」を望む。
この「50」の数字は「あべのハルカス」がグランドオープンするまでの残り日数を示しています。
過去の稲荷山荒神峰の記事に詳しく。
私は1月6日に「パノラマ岩」から「60」を撮影しており、この夜は「50」となります。
実を言うと、「50」は約50km離れた大文字山から撮影しようと考えていましたが、当日までにはそのようなことはすっかり忘れており、「パノラマ岩」から照らされた「50」の数字を見てようやく思い出した次第です。
もっとも、大文字山を登っていたならば、明石海峡大橋や淡路富士は撮影できず、結果的には忘れていたことが幸いしたとも言えるでしょう。
りんくうゲートタワービル、紀泉アルプスを遠望
京都の日野岳から大阪の「あべのハルカス」と「りんくうゲートタワービル」を望む。
主な山、建築物 | 距離 | 標高 (地上高) | 山頂所在地 |
---|---|---|---|
学文字山 | 93.4km | 212m | 大阪府泉南郡岬町 |
藤戸山 | 93.3km | 305m | 大阪府泉南郡岬町 |
飯盛山 (和泉飯盛山) (泉南飯盛山) | 92.4km | 384.5m | 大阪府泉南郡岬町 |
旗立山 | 90.2km | 392m | 大阪府阪南市 大阪府泉南郡岬町 |
俎石山 | 90km | 419.9m | 大阪府阪南市 大阪府泉南郡岬町 和歌山県和歌山市 |
大福山 | 90.6km | 427m | 和歌山県和歌山市 大阪府泉南郡岬町 |
りんくうゲートタワービル (→SiSりんくうタワー) | 75.8km | (256.1m) | 大阪府泉佐野市 |
あべのハルカス | 43.3km | (300m) | 大阪府大阪市阿倍野区 |
紀泉アルプスや和泉山脈西部の山々のみならず、この夜は「りんくうゲートタワービル」(→SiSりんくうタワー)まで撮影できました。
日中に「りんくうゲートタワービル」を京都市側から望むのは困難です。
京都の夜景、大阪の夜景を一望
右端に六甲山を、左に「あべのハルカス」を、左端に雲山峰を収めています。
上空には真っ黒な雲、あまり見映えがよい写真ではないものの、眼下に広がる京都市伏見区、宇治市、久世郡久御山町方面の夜景、遠くには大阪の夜景や淡路島も写っており、そう悪いものではないでしょう。
この山の名前を「日野岳」とするか「日野山」とするか、相変わらず悩みどころ。
地理院地図に山名が表示されない山にかぎり、私は基本的には現地の呼称を優先しますので(現地現称)、当面は「日野岳」としておきますが、鴨長明の『方丈記』をしのんで、本記事にかぎり「日野山」をタイトルとしています。
『方丈記』と日野山についてはシリーズの初回で詳しく。
「日野岳」と「日野山」の現地表記については上の記事で少しだけ。
関連記事 2014年1月 ナイトハイク 日野岳の風景
すべて同時期の山行記録です。併せてご覧ください。
- 日野岳(日野山)ハイク 供水峠~パノラマ岩 鴨長明と遠景
- 京都から明石海峡大橋の向こうに沈む夕日を望む 醍醐山地
- 日野岳 明石海峡大橋に沈む夕日と四国を望む 京都市・宇治市
- 京都 日野山パノラマ岩の夜景と展望 あべのハルカスを遠望
日野岳(地理院 標準地図)
「日野岳(ヒノダケ)(ひのだけ)」
別称として「日野山(ヒノヤマ)(ひのやま)」
標高373m
京都府宇治市、京都市伏見区
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