紅葉する交野山と白旗池 観音岩から伊吹山や御在所岳を遠望

2013年(平成25年)11月28日の話。
この日は大阪府枚方市の穂谷を起点として交野市(かたのし)の交野山(こうのさん、こうのざん)をハイキング。
三之宮神社さんの脇に見える穂谷公園で登山の準備を済ませ、京阪奈墓地方面へ車道を10分ほど歩き、「にほんの里100選」 にも選定されている穂谷の景色を横目に山を登り始めます。

大阪府交野市 交野山を登山

今年の9月に大きな被害をもたらした台風の影響で、国見山は「進入禁止」となっているコースが多く見られますが、こちらはよく整備されているコースということもあり、とくに通行上の問題もなく、枚方市野外活動センターを過ぎ、すんなり国見山・交野山との三叉路へ。
この分岐の少し手前、野外活動センター寄りの地点から枚方市最高峰であるサンドイッチ山に取り付けますが、この日は立ち寄らず、白旗池を経て交野山へと向かいました。

白旗池の紅葉

紅葉する白旗池 大阪府交野市 2013年11月

紅葉する白旗池。交野市いきものふれあいの里。

雲は多いものの、覗く空の色は青く、これは展望も期待できそうです。
流れる雲の速さから、山の上では強い風が吹いていることが予想されます。

交野山の山頂、観音岩の上は遮るものがなく、案の定、木枯しが吹き荒れており、気温が低いこともあいまって、とても長時間立っていることができません。
ですが、比良山地、台高山脈、和泉山脈などなど、遠くの山々まで明瞭に見えています。

雨上がりの交野山「観音岩」から不思議な虹を望む 大阪府交野市 2013年11月

交野山 観音岩の虹と夜景 太陽の塔と紫色の京都タワーを遠望

2013.11.16

京都タワーが紫色にライトアップされた日の交野山からの眺めもぼちぼち好条件でしたが、この日は意識せずとも淡路島の南部に至るまで見えており、比較になりません。
過去に何度か交野山からうっすら望んだことはあるものの、それと明確に分かる写真を撮影するには至らなかった伊吹山や鈴鹿山脈の一部も見えています。
雲に隠れがちな伊吹山は機会を逃さず撮影するのが鉄則。急いで準備します。

交野山「観音岩」からの展望、眺望

伊吹山を遠望

大阪府の交野山から滋賀県最高峰の伊吹山を遠望する 2013年11月

大阪府の交野山から滋賀県最高峰の伊吹山を遠望する。
撮影地点から伊吹山(滋賀県米原市)まで94.6km。

私は写真に写る山を伊吹山だと把握したうえで撮影していましたが、後からいらっしゃった方が双眼鏡を覗き、お連れの方に対し、「今日は伊吹山まで見える」とおっしゃったので、それを聞いた私は内心驚きます。
誰もが真っ先に目を向けるであろう明石海峡や大阪湾ではなく、まずそこを確認なさるとは、なかなかツウな方です。

この方とは少しばかりお話しいたしましたが、交野山からの展望についてよくご存じでした。
さすがにソノド(霧ヶ峰)だの、そういった細かな山々の名前まではご存じなかったものの、伊吹山の方角、鎌ヶ岳の方角、友ヶ島の方角など、正しく指していらっしゃいます。
お礼というほどのことはないですが、せっかくですので、蓬莱山(比良山地)の「びわ湖バレイ」リフト山頂駅が見えていることをお伝えしておきます。
このことはご存じないようでした。

この方々は夕日を見るため交野山を登っていらっしゃったようでしたが、体感温度が低いうえ、雲が多く、夕日が見えるような条件ではなかったからでしょうか、日没を待たずに先に下山されました。
他にいらした方々も早めに山を去られたため、日没時まで一人きりに。

以下は伊吹山から時計回り(→東)に。

霊仙山など鈴鹿山脈北端部 方面

交野山から霊仙山、喜撰山ダムを望む 2013年11月

交野山から霊仙山など鈴鹿山脈北部の山々、喜撰山ダムを望む。
撮影地点からソノド(霧ヶ峰)(岐阜県大垣市)まで83.7km。
霊仙山(滋賀県犬上郡多賀町)まで82.1km。

鍋尻山と高室山の合間を抜けるように、遠く岐阜県のソノド(霧ヶ峰)まで望めます。
ソノドは霊仙山最高点の南東2.8kmに所在する三等三角点「ソノドヲ」の山(標高925.8m)。(→「測地成果2024」により、925.7mと改定)
また、撮影地点から見て、霊仙山との間には宇治市に所在する喜撰山ダムの周辺が写っています。

交野山の紅葉

交野山周辺の紅葉と城陽市、京田辺市方面の街並みを望む 2013年11月

交野山周辺の紅葉と京都府城陽市、京田辺市方面の街並みを望む。
撮影地点から阿星山(滋賀県湖南市、栗東市)まで37.8km。

雨乞岳や綿向山の山頂も写っていますが、上の写真では分からないでしょう。
写真に見える大峰山は、京都府綴喜郡宇治田原町に所在する大峰山(山城大峰山)。
その向こうに湖南アルプス。

鈴鹿山脈 方面

交野山から鈴鹿山脈の雨乞岳、御在所岳などを望む 2013年11月

交野山から鈴鹿山脈の雨乞岳、御在所岳などを望む。
撮影地点から雨乞岳(滋賀県東近江市、甲賀市)まで66.9km。

この写真の右手には鎌ヶ岳も山頂のみ見通せます。
さらに、よく見ると……、

御在所岳のレーダ雨量計を遠望

交野山から御在所岳(御在所山)のレーダ雨量計を望む 2013年11月

交野山から御在所岳(御在所山)のレーダ雨量計を望む。
撮影地点から御在所岳(三重県三重郡菰野町、滋賀県東近江市)まで69.8km。

なんと、ロープウェイ山上公園駅のレーダ雨量計(ドーム)まで写っています。
逆光の影を利用せず、約70km先の雨量計を捉える機会は少ないでしょうか。

岩湧山から生駒山、遠くに比良山地、皆子山、比叡山などを遠望 2013年9月

岩湧山から比叡山、比良の蓬莱山、鈴鹿の御在所岳を遠望

2013.09.12

大阪府南部の岩湧山から遠く御在所岳まで見通せた日でも、さすがにレーダ雨量計までは確認できなかったです。
他に、六甲山から御在所岳を撮影したこともありますが、やはり、その日もレーダ雨量計を確認するのは困難でした。

青山高原 方面

交野山から青山高原ウインドファームの風車群を望む 2013年11月

交野山から布引山地は青山高原ウインドファームの風車群を望む。
撮影地点から笠取山(三重県伊賀市、津市)まで54km。

おなじみ青山高原の風力発電を遠望。笠取山のレーダサイトも写っていますね。
この日は風が強く、観音岩の上に立つと吹き飛ばされそうになってしまうため、諦めて岩場の先よりやや下がった位置から撮影していましたが、それでは木の枝に遮られてしまい、青山高原の風車をうまく撮影できないことが発覚します。
おそるおそる岩場の先に立ち、滑落しないようにこらえながら撮影しました。
無風、あるいは風が弱い日であれば、とくに問題とはなりませんが、暴風ともいえる環境下では注意を要するでしょう。

若草山、東大寺を遠望

交野山から三峰山、奈良の若草山、東大寺大仏殿などを望む 2013年11月

交野山から三峰山、奈良の若草山、東大寺さんの大仏殿などを望む。
撮影地点から三峰山(三重県松阪市、津市、奈良県宇陀郡御杖村)まで59.0km。

大仏殿まで約16km、京都タワーや大阪のビル群を望むよりはやや近いですね。
交野山は京阪奈の3府県境近くに所在します。

そうこうしているうちに、予想どおり、伊吹山は見えなくなってしまいましたが、後ろを振り向くと、そこにはもちろん大阪平野が広がっており、六甲山地、明石海峡はもちろん、遠く和泉山脈の西端部や友ヶ島も見えていました。
それどころか、紀淡海峡の向こうになにやら影が見えていることに気付きます。
距離は遠いものの、紀泉アルプスから望むのと似た形……、あれは間違いなく四国の端です!

整理の都合で記事を分けます。

交野山から高取山の向こうに小豆島の一部を遠望 大阪府交野市 2013年11月

交野山から明石海峡大橋や大阪湾、四国を遠望 生駒山地北部

2013.12.18

続きは上の記事に。

関連記事 2013年11月28日 交野山の風景

すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。

交野山(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「交野山」周辺の地図を表示

「交野山(コウノサン、コウノザン)(こうのさん、こうのざん)」
標高341m
大阪府交野市

お知らせ
本記事における三角点の標高値は、国土地理院により2025年(令和7年)4月1日に実施された「令和7年度 全国の標高成果の改定」(「測地成果2024」に改定)に対応しています。

ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!