2013年(平成25年)11月28日の話。
他の山からの帰り、寄り道して伏見稲荷大社さんへ。
すでに真っ暗な時間帯でしたが、お稲荷さんは夜でも明るく、参拝者さんもちらほらと。
伏見稲荷大社さんから、その裏山たる稲荷山、それに荒神峰を登ります。
荒神峰(稲荷山)から「あべのハルカス」全面開業カウントダウン「99」を遠望する。
撮影地点から超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)まで43.5km。
40km以上の距離を感じさせない、浮かび上がるような見え方でした。
強い風が吹き荒れる夜でしたが、ぶれや揺らぎも少なく、ここまで好条件の日は珍しいと思います。
知らない方からするとさっぱり意味が分からないであろう今回の見出しですが、あべのハルカスの全面開業(グランドオープン)まであと100日となった11月27日から、夜間、ビルの外壁北面に全面開業までの残り日数を示すカウントダウンの数字がライトアップ表示されるようになりました。
KINTETSU NEWS RELEASE | 近畿日本鉄道株式会社
グランドオープンまであと100日!11月27日(水)から100日カウントダウンを実施!
https://www.abenoharukas-300.jp/news/pdf/harukasuccountdown1125.pdf
今から約3ヶ月ほど前、8月29日の夜、あべのハルカスの外壁北面に「54」などの数字が表示されたとの報道がなされました。
事前に予告も説明もなかったため、「54」という数字が示すのは何か……、深い意味があるのか……、などと、ちょっとした話題になったようです。
今まで、比叡山の展望地(比叡ビュースポット)から建設中のハルカスさんを何度も撮影し、その写真をインターネット上で公開してきましたが、この撮影地点からハルカスさんまでの距離が、なんと、ちょうど54km!
これは、霊峰たる比叡山に対してなにかしらのメッセージを発信しているのではないか、いやいや、私に対する呼びかけ(ある種の挑戦状)ではないか、など、さまざまな憶測を呼んでいました(笑
もちろん、実際には、そのようなメッセージであろうはずもなく、おそらく、このカウントダウンに向けた試験点灯だったのでしょう。
そういった経緯もあり、また、北面に表示されるということは、すなわち、京都方面から眺望、遠望できるという点においても個人的に楽しみなイベントでした。
カウントダウン初日、さっそく京都市内から「100」の数字を撮影しようと企んだものの、この日は所用があり、すっかり出遅れ、まずは出鼻をくじかれます。
さらに、大文字山やその周辺峰はあいにくの雨。
レーダを見るかぎり、大阪府北東部寄りの地域では雨が降っておらず、どうやら京都市南東部のあたりが雨雲の境目となっているようです。
それならばと一縷の望みを託し、伏見稲荷大社さんへと向かいます。
到着時は軽い小雨程度、奥社さんに参拝し、傘を差しながら稲荷山参拝道を登りますが、四ツ辻の下までたどり着いたあたりで激しい雷雨となります。
四ツ辻から京都市内の展望を確認するかぎり、これでは遠くまで望めそうにないと判断、この日は素直に諦めて撤退することにしました。
下山後、雨脚も弱まりましたが、先約があり、改めて稲荷山を登り直したり、他の山を登りに行く時間的な余裕もなく、初日の「100」からいきなり挫折します。
ここまでがカウントダウン初日、11月27日の話です。長い前振りでした。
そして、冒頭に掲載した写真、カウントダウン「99」の日……、つまり、28日の話となります。
この日、私は大阪府下の山の上から無事に「99」を撮影できましたが、それだけではなく、強い風が吹き荒れ、空気が澄んでいたためか、めったに望むことができないであろう遠くの山々まで撮影できました。
そのときに撮影した写真についてはまだ整理が済んでおらず、別の機会に譲るとして……、大阪府下の山から「99」を撮影して終わりだなんてあまりにもったいない、他の方によると、大文字山から「あべのハルカス」が見えているとのことで、こういう夜こそ京都市内から「99」を撮影しようと思い立ちます。
ここは、前夜、「100」の撮影を果たせなかった稲荷山へ向かうしかありません。
ちょうど京都への帰り道、伏見稲荷大社さんへ寄り道することに。
稲荷山四ツ辻の展望地を経て荒神峰の展望地へと向かいます。
荒神峰(稲荷山)から鳩ヶ峰(男山)の向こうに大阪の夜景、あべのハルカスを望む。
「あべのハルカス」は左端です。
大阪の高層ビル群もシャープな見え方、空気が澄んだ晩秋の夜ならではの景色が広がります。
本題から逸れるため、今回は取り上げませんが、りんくうゲートタワービル(→SiSりんくうタワー)の上部なども写っています。
好条件の夜ならではの夜景写真。
遠くに京都西山の山並みも見えています。
夜の伏見稲荷大社さん。この時間帯でも参拝者が絶えません。
千本鳥居、二又に別れる前ですが、この構図の写真はやや珍しいのではないでしょうか。
「あべのハルカス」全面開業を知らせるカウントダウン、私は「98」「97」も京都市内のそれぞれ別の山の上から撮影に成功していますが、とくに好条件だった「99」の夜のことを忘れることはないでしょう。
「100」を直接的に見ることができなかったのは残念といえば残念ですが、これの撮影に成功していれば、100日間、1日も欠かすことなく、全数字を京都市内から撮影しろなどと言われかねないところでした(笑
念のために申し上げておきますが、今回の記事における夜景の撮影地点は、稲荷山の四ツ辻(いわゆる見付の峰)ではなく、荒神峰の展望地です。
あまり知られていないようですが、以前は、この付近でも送り火的な催しを行っていました。
こちらは記憶が少し曖昧ですが、同様の催しは大文字山の南部山域(神明山)でも行われていた、とか?
いわゆる大文字山の「大」の字とは別の地点の話ですし、松明などに火をともしていたわけではありません。
あくまでも、送り火「的な」催しです。
「稲荷坂」
新熊野より稲荷三ツの峯へ詣づる道あり今車坂といふ
是いにしへの順路なり稲荷行幸の車此道を経るとぞ田中社もいにしへ此道にあり『拾遺都名所圖會』
稲荷山荒神峰はかつての田中社神蹟とされています。
稲荷山四ツ辻から「権太夫大神」方面への階段を登り、道なりに進めば荒神峰の展望地。
この日、大阪府下の山の上から「99」を撮影した話は上の記事に。
なかなかの好条件で、あべのハルカスと四国を同じ構図に収めて撮影できました。
稲荷山(地理院 標準地図)
「稲荷山(イナリヤマ)(いなりやま)」標高233m
京都府京都市伏見区(稲荷山の山体は山科区に跨る)
最近のコメント