蜃気楼で浮かぶ琵琶湖大橋と沖島を大津から望む 寒波襲来

時間が足りないので小ネタを。
猛烈な寒波が西日本を襲い、観測史上初めて沖縄本島で降雪を記録した昨日、2016年(平成28年)1月24日の話。
高峰の上は強風が予想されるため、久々に滋賀県湖南市と野洲市の市境に所在する菩提寺山(竜王山・櫻山)を登りました。
雪が凍っていた菩提寺山の話は別の機会に譲るとして、下山後、先ほどまで登っていた菩提寺山の姿を撮影しようと思い立ち、何気なく大津の琵琶湖畔に立ち寄ることに。
すると、ちょうど運良く琵琶湖大橋の周辺が湖上の宙に浮かぶ光景を目にすることができました。
下位蜃気楼じたいは冬場の琵琶湖で発生しやすいため、とくに珍しい現象ではありませんが、ここまで色濃く鮮やかに浮かび上がる琵琶湖大橋を見たのは初めてです。

大津から蜃気楼が発生した琵琶湖大橋の周辺と積雪する伊吹山地を遠望 2016年1月
大津から蜃気楼が発生した琵琶湖大橋の周辺と積雪する伊吹山地の残照と夕景を遠望する。

主な山距離標高山頂所在地備考
上谷山80.9km1196.7m滋賀県長浜市
(福井県南条郡南越前町)
横山岳74.5km1131.7m滋賀県長浜市
金糞岳73.3km1317m岐阜県揖斐郡揖斐川町
滋賀県長浜市
ブンゲン
(射能山)
72.9km1259.7m岐阜県揖斐郡揖斐川町
滋賀県米原市
伊吹山66.4km1377.3m滋賀県米原市滋賀県最高峰
尾山
(宝来ヶ嶽)
28.1km220.2m滋賀県近江八幡市点名「沖之島村」
津田山
(奥島山)
25.2km424.5m滋賀県近江八幡市現地道標では「姨綺耶山」

琵琶湖大橋の橋桁と、堅田側にあたる琵琶湖大橋の西岸(写真では左端)と、守山側にあたる琵琶湖大橋の東岸(写真では中央)が琵琶湖の湖面(水面)から離れて宙に浮いている、ように見えますね。
いわゆる「浮島現象」(浮景) は頻繁に起きる現象で、たとえば、私は過去に京都の大文字山から四国本土や和歌山の友ヶ島が空に浮かぶ光景を撮影したり、大阪の交野山から淡路島の沼島が空に浮かぶ光景を撮影したり、神戸の菊水山から徳島の伊島が空に浮かぶ光景を撮影しており、それらと比較すると距離的にも大した問題ではありません。

私が過去に撮影した写真は、
→「タグ別アーカイブ: 浮島現象・下位蜃気楼」

ですが、双眼鏡や望遠レンズを用いるまでもなく、肉眼でも明瞭に浮いているように見え、広角レンズで撮影しても明確に写る蜃気楼を目の当たりにして、少し驚いてしまいました。

蜃気楼(下位蜃気楼)で湖上に浮かぶ琵琶湖大橋と堅田を大津から撮影 2016年1月
下位蜃気楼で湖上に浮かぶ琵琶湖大橋と堅田を大津から撮影。
遠くに高島のリトル比良の端と江越国境の上谷山。

主な山距離標高山頂所在地備考
見張山
(音羽山)
32.4km517.1m滋賀県高島市
標高点375m32.2km375m滋賀県高島市白鬚神社

こうなると、びわ湖タワーの観覧車「イーゴス108」が失われたのが惜しい構図です。
標高点375mは「リトル比良」の東端、近江高島の白鬚神社さんの裏山にあたる山。
空に浮かぶ琵琶湖大橋や堅田の向こうに湖西が見える、ように錯覚してしまいます。

他所でお答えしたことの繰り返しになりますが、いちおうこちらでも。
いわゆる「上冷下暖」状態、琵琶湖で申し上げれば、琵琶湖の水面の温度より、琵琶湖の水面の上の気温のほうが低い日に蜃気楼が発生しやすいです。

空気が澄んだ冬の琵琶湖大橋を遠望・実景 大津港(浜大津)から撮影 滋賀県 2015年12月
空気が澄んだ冬の琵琶湖大橋。大津港(浜大津)からの見え方(実景)。

上の写真のみ2015年(平成27年)12月撮影。
比較用に好条件の日の琵琶湖大橋の見え方が分かりやすい写真を掲載しておきます。
よく見ると、凪いだ湖面が昨日と大きく異なりますね。

大津から積雪する比良・蓬莱山と蜃気楼で浮かぶ琵琶湖大橋と堅田を望む 2016年1月
大津から積雪する比良・蓬莱山と蜃気楼で空に浮かぶ琵琶湖大橋と堅田を望む。

主な山距離標高山頂所在地
蓬莱山22.0km1173.9m滋賀県大津市
釈迦岳27.8km1060.1m滋賀県大津市
(滋賀県高島市)

山岳観望を主たる目的で撮影した写真ではないため、比良山地は蓬莱山と釈迦岳のみを示しておきます。
「比良暮雪」堂満岳は蓬莱山と釈迦岳の間に見えるピークです。
蓬莱山の右には「びわ湖バレイ」打見山のナイター夜間照明が光っていますが、広角では分かりにくいでしょうか。
琵琶湖大橋の西岸にあたる堅田や雄琴のあたりは浮いていますが、それより南、下阪本や唐崎のあたりは浮いていませんね。

大津から浮島現象(蜃気楼)を起こした沖島と琵琶湖大橋の東岸、くさつ夢風車を撮影 2016年1月
大津から浮島現象(蜃気楼)を起こした沖島と琵琶湖大橋の東岸、烏丸半島の「くさつ夢風車」を撮影。

何枚か撮影しておきましたが、湖上は強い風が吹き荒れていたこともあり、ぶれぶれの写真ばかり量産してしまいました。
ぶれた、というより、そもそも沖島や風車にピントが合ってないような気もします。
ミスショットですが、参考程度に。

やや分かりにくいですが、草津の烏丸半島の奥にあたる守山の琵琶湖レークサイドさんあたりが浮いて見えているようです。
琵琶湖の対岸は実際の標高よりも高く浮き上がって見える、ような気がします。
相変わらず烏丸半島の風力発電は稼働していませんが、どうも撮影する日によってブレードの位置が異なるようです。
仕組みがよく分かりませんが、自然に動くのでしょうか。

2016年1月
滋賀県大津市

2018年(平成30年)12月、久々に追記しておきます。
2014年(平成26年)4月より運転停止していた「くさつ夢風車」ですが、報道によると、2019年(平成31年)1月より撤去作業が始まるとのこと。
今までお疲れ様でした。

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Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!