大津志賀花火大会を京都市の比叡山四明岳から遠望 2016年7月

数日前、2016年7月23日の話。
この夜は「昨年の宿題」を片付けるべく比叡山へ。
標高800mを超える山の上は涼しく、日没後は薄着では肌寒いくらいでした。

第16回大津志賀花火大会の打ち上げ花火を比叡山から遠望 2016年7月
第16回大津志賀花火大会の打ち上げ花火を比叡山から遠望する。
撮影地点の比叡山四明岳から花火の打ち上げ地点まで22.0km。

今を遡ること1年前、2015年7月25日の話。
山の上は強い風が吹き荒れていましたが、夏とは思えないほど空気が澄んでおり、各地で打ち上げられた花火を比叡山から眺望できました。
野洲川花火大会と甲賀夏まつり、それに大津志賀花火大会、さらに大阪の天神祭奉納花火や京都山城の木津川市夏祭りまで……。
遠望に適さない盛夏の時期に、あれほど好条件かつ同日に多くの花火大会の日程が重なる幸運には二度と恵まれないかもしれません。

いずれの花火も山の上から肉眼で綺麗に見えていましたが、ガーデンミュージアム比叡さんの展望閣を除き、四明岳の各展望地は見える向きが限られています。
同じ地点から動かずに全方位を一望するのは難しく、どの花火大会をどこから見るか目移りしてしまいます。
ひとまず大阪方面を見通せる展望地から特別に黄色くライトアップされた京都タワーと天神祭の花火を同じ構図に収めて動画で撮影し、次に湖南方面を見渡せる展望地から栗東と甲賀の花火を同じ構図に収めて撮影します。
あれこれ悩んでいたら疲れてしまい、けっきょく大津志賀花火大会のみ撮影を断念しました。
花火を観賞するために比叡山を訪れたにもかかわらず、花火を楽しむでもなく、ただただ写真撮影に追われてしまった自分の愚かさを嘆く結果に。
なんだか写真整理も気乗りせず、その夜、撮影した写真は今も放置したままです。

これが昨年の思い出話。
話を今年に戻すと、大津志賀花火大会と同日、7月23日には芦屋サマーカーニバルが催されました。
日野岳のパノラマ岩から眺めれば、先日オープンした大観覧車オオサカホイールのライトアップと芦屋で打ち上げられた花火が一直線上に並ぶことを把握していましたが、昨年、大津志賀花火大会を撮影しなかったことが心残りとなっており、今年も比叡山を訪れた次第です。

大津志賀花火大会を比叡山四明岳から遠望 2016年7月
大津志賀花火大会の打ち上げ花火を比叡山四明岳から遠望する。

花火大会の開幕直後を撮影しており、まだ僅かながら夜空に明るさを残しています。
昨年と比較すると条件は良くなかったものの、大した距離でもなく、次々と打ち上げられる花火は肉眼でも問題なく見えていました。

近江舞子で打ち上げられた花火を京都市の四明岳から遠望
近江舞子で打ち上げられた花火を京都市の四明岳から遠望する。

光や色だけではなく、遠く比良の山麓で打ち上げられる花火の炸裂音も四明岳まで届き、山中に大きな爆音を轟かせていました。
頂上にガーデンミュージアムが所在する四明岳は、いわゆる比叡山でも京都市側にあたる山で、京都から湖西の花火を撮影したと言えるでしょう。
とくにこの点を強調しているのは、京都市内から近江舞子を見通せる地点が限られているからです(他に如意ヶ岳の展望地や音羽山の三角点から見えます)。

時間の都合で長居できず、写真を数枚だけ撮影して比叡山を下山しました。
夜景の輝きは今ひとつでしたが、昨年の心残りを解消できて満足です。

比叡山から大津志賀花火大会の花火と夜景を撮影 2016年7月23日
比叡山から大津志賀花火大会の花火と夜景を撮影する。2016年7月23日。

念のために申し上げておきますが、広角的なレンズで撮影した写真ではこの程度に過ぎません。
写真の左のほうに写っている小さな赤い色が近江舞子で打ち上げられた花火です。

ガーデンミュージアム比叡の湖南方面展望地から琵琶湖、近江大橋の夕景を撮影 2016年7月
ガーデンミュージアム比叡さんの湖南方面展望地から琵琶湖、近江大橋の夕景を撮影。
撮影地点から「近江富士」三上山(滋賀県野洲市)まで19.0km。

別の展望地から撮影した日没直後の光景です。
夏らしく湿度が高い影響か、夕暮れ時の近江盆地は靄った印象を受けました。
このスポットなどから野洲川の花火を綺麗に見通せますが、今年は栗東の花火大会が休止とのことで残念です。

叡山ロープウェイ比叡山頂駅前から眼下に岩倉盆地方面の夜景を望む 2016年7月
叡山ロープウェイ比叡山頂駅前から眼下に岩倉盆地方面の夜景を望む。

週末限定ですが、叡山ケーブル・ロープウェイさんは夏期ナイター運行中で、合わせてガーデンミュージアムさんもナイター営業中です。
ロープウェイの山頂駅から琵琶湖や湖西は見えませんが、ここまで花火の炸裂音が届いていました。

比叡山 四明岳(地理院 標準地図)

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「四明岳(シメイガタケ)(しめいがたけ)」
標高838m
京都府京都市左京区

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Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!