小倉山の展望 京都・東山花灯路の清水寺を遠望 大山神社

昨年3月、つまり、2014年(平成26年)3月の話。
春先としては空気が澄んだ好条件の日、嵯峨嵐山の小倉山を登りました。
亀山公園からのハイキングコースも間伐と植樹が進み、まるで別の山と化した小倉山の姿に驚きます。
見晴らしの良い中腹の展望地からは高見山地の三峰山まで遠望でき、現状、展望地から明確に見える最遠の山を撮影します。
そうこうしているうちに、すっかり夕暮れ時に。

小倉山から大文字山と京都、遠くに鈴鹿山脈の仙ヶ岳を望む 2014年3月

京都の小倉山から三重や奈良の山まで見える? 三峰山を遠望

2015.02.10

小倉山から三峰山や仙ヶ岳を撮影した話は前回の記事に。
今回のその続きです。

小倉山の展望地から

京都の夕景を一望

小倉山の展望地から京都の夕景を一望する 京都市右京区 2014年3月
小倉山の展望地から京都の夕景を一望する。京都市右京区。

主な山距離標高山頂所在地
大文字山13.4km465.3m京都府京都市左京区
阿星山36.6km693.0m滋賀県湖南市
滋賀県栗東市
音羽山17.8km593.1m京都府京都市山科区
(滋賀県大津市)
西千頭岳
(千頭岳三角点峰)
19.0km601.8m京都府京都市伏見区
本宮ノ峰
(奥醍醐山)
19.0km476.0m京都府京都市伏見区
空鉢峰
(鷲峰山)
30.6km682m京都府相楽郡和束町

眼下には渡月橋、桂川(大堰川)、それに京都盆地の街並み、遠くには比叡醍醐山地、鷲峰山系の連なりが浮かび上がるように見えています。
中央には京都タワーも写っていますが、細いロウソク、やや分かりにくいでしょうか。

小倉山の上で気分よく過ごしていたら、なにやら山麓が騒がしく……。
うなるサイレン、かなりの数のパトカーさんやらが集まっている様子。
拡声器で叫んでいらっしゃるのが聞こえますが、その内容はこちらまで伝わらず、展望地からでは山麓の様子が分かりません。
こちらから見えないということは、向こうからも見えないということに他ならず、山に篭る私個人に対する呼び掛けではなさそうです。
下山後に分かりましたが、この日、山麓で爆薬など(ダイナマイト)が見付かり、この時間帯、付近の住民さんらに対して退避指示が出ていたとのこと。
そのような出来事が起きていたとは露知らず、私はといえば、麓の様子が少しは気になりつつも、さて、今年も花灯路を撮影してから山を下ろう、などとのん気なものです。

小倉山から日没後の東山方面を望む 清水寺、八坂の塔、霊山観音など 2013年3月

嵯峨嵐山 小倉山から「京都・東山花灯路」を望む 2013年3月

2013.03.19

私は1年前の同時期にも小倉山を訪れ、「京都・東山花灯路」に伴いライトアップされた清水寺さんなどを撮影しています。
全く同じ構図で撮影するのも芸がなく、せっかく伐採されたのだから、今年はハイキングコース上の開けた地点から撮影しようと思い立ちます。
標高が下がってしまい、遠くの山が見えにくくなりますが、すでに展望地から遠景の撮影は終えており、思い残すこともありません。

小倉山の伐採地から

京都の夜景や京都タワーを望む

小倉山の伐採地から京都の夜景、「京都・東山花灯路」を望む 2014年3月
小倉山の伐採地から京都の夜景、「京都・東山花灯路」を望む。

左端に大文字山、右端にライトアップされた京都タワーを収めています。
標高が下がったため、中腹の展望地からの眺めと異なり、鈴鹿山脈の仙ヶ岳はほぼ見えず、阿星山の山頂が見えるのみです。

ライトアップされた東山花灯路を遠望撮影

小倉山からライトアップされた清水寺、八坂の塔、霊山観音を望む 2014年3月
小倉山からライトアップされた清水寺さん、八坂の塔(法観寺さん)、霊山観音さんを望む。

清水寺さんのライトアップは「京都・東山花灯路」に伴うものですが、この催しは花灯路の時期に限った話ではなく、上の写真だけでは撮影時期が分かりにくいでしょうか。
仁王門の後方から放たれる明かり(観音慈光、慈悲の光)が遠くからでも目立ちます。

以前も申し上げましたが、小倉山からは、いわゆる音羽山だけではなく、別称を音羽山とする清水山、音羽山を山号とする清水寺さんを併せて望むことができます。
地図を見る、あるいは現地を訪れると、清水寺さんの裏山は清水山と見なすのが自然ですが、小倉山から東山を見やると、音羽山が大きな意味での裏山のようにも感じます。
小倉山の山麓は、藤原定家が『小倉百人一首』を選定した山荘の地として知られますが、嵯峨嵐山を訪れ、山手から遠くの景色を眺めた古人も、今の私と同じ印象を抱いたかもしれません。

小倉山からライトアップされた知恩院の三門を望む 2014年3月
小倉山からライトアップされた知恩院さんの三門を望む。

知恩院さんの三門がライトアップされ明るく照らされています。
その恩恵を受け、修復作業中の御影堂も場所が分かりやすく。

2014年(平成26年)3月の話ですので、華頂山の山上に見える将軍塚大日堂(青蓮院門跡さん)の大舞台は未完成です。
その右側、東大谷さんの山上が明るく光っているのは東山山頂公園(将軍塚展望台)の付近です。
「大日堂」の字と完全に重なっていますが、遠くには湖南の阿星山が見えています。

あれからもう1年近くが過ぎ、また、今年も花灯路の時期が近付いてきました。
小倉山からではなく、今春は別の山の上から眺めるかもしれません。

追記

大山神社について(小倉山で遭難注意)

近年、小倉山で道に迷い、遭難なさる方が増えつつあるようです。
低山とはいえ、西側の山腹は道を誤ると危険ですのでご注意を。
とくに、インターネット上の記事などを鵜呑みにして、山腹に鎮座する大山神社さんに、小倉山の「上から」近づくのは止めておくほうが良いでしょう。
滑落なさるケースもあると聞き及んでいます。
ちょっとごにょごにょしないといけないものの、下から他のルートを利用して参拝できますので、ご無理はなさらないよう。
もうこのことをご存じの方もきわめて少なくなりましたが、大山神社さんは国鉄ゆかりの神社です。
現状、インターネット上には、大山神社さんの由緒について正しい(と考えられる)話が出ていないようですので、いずれ、気が向いたら個別の記事にするかもしれません。
大雑把に書いておくと、山陰本線の建設工事に伴い、嵯峨野の野宮神社さんで大山弁財天さんがお祀りされました。

さらに追記。
残念ながら、小倉山の山中で痛ましい事件(死亡事故)が起きてしまいました。
経緯もお伺いしていますが、やはり、当方が危惧していたとおりの展開です。
いかに行動は自己責任とは言え、安易に紹介なさった方にも一定の責任はあるのではないでしょうか。

熊出没注意

京都府警によると、2020年(令和2年)11月17日の夜、京都市右京区嵯峨亀ノ尾町の河川敷にツキノワグマが出没したとのこと。
嵯峨亀ノ尾町の河川敷は、渡月橋の上流、亀山公園(嵐山公園 亀山地区)の山麓域にあたり、今回の記事でも、私が小倉山への入山口としています。
以前より愛宕山の山中でもクマの目撃例が相次いでいましたが、いよいよ保津川(大堰川・桂川)まで下りてきたようですね。

「京都・花灯路」 開催20年目となる2021年度で終了へ

2021年(令和3年)11月、追記。
京都新聞さんの報道によると、「京都・花灯路」が、「開催から20年目となる本年度を最後に終了する」とのこと。
京都市の広報によると、

京都市:嵐山花灯路,東山花灯路の令和3年度の開催概要等について
(前略)
嵐山花灯路,東山花灯路の終了について
(中略)
20年の節目を迎える本年度をもって,嵐山花灯路及び東山花灯路を終了します。
https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000290743.html (リンク切れ)

とのことで、「京都・花灯路」のうち、「嵐山花灯路」については、2021年(令和3年)12月10日(金曜日)~19日(日曜日)の10日間に開催される「嵐山花灯路ー2021」が、「東山花灯路」については、2022年(令和4年)3月4日(金曜日)~13日(日曜日)の10日間に開催される「東山花灯路ー2022」が最後となるようです。
東山花灯路は2002年(平成14年)から開催されており、2022年(令和4年)が最終年となります。
長年、ありがとうございました。

京都の夜景 小倉山から眼下に嵐山花灯路のライトアップ光景を望む 2012年12月

京都の夜景 嵐山花灯路や渡月橋を小倉山から観望 2012年12月

2012.12.17

小倉山から嵐山花灯路のライトアップを撮影した写真を上の記事に掲載しています。

東山花灯路におけるキエフ市への支援とライトアップ

2022年(令和4年)3月4日、追記。
京都市の広報によると、

京都市:(お知らせ)東山花灯路におけるキエフ市への寄付金箱及びウクライナ国旗の色にライトアップした大型行灯の設置について
(前略)
ウクライナ国旗の青色と黄色にライトアップした大型行灯を会場内に設置します
(後略)
https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000295327.html (リンク切れ)

とのことです。
京都市とキーウ市(キエフ市)は姉妹都市の関係にあります。
また、3月4日から、二条城や京都府庁の旧本館もライトアップしています。

関連記事 2014年3月 嵐山公園 小倉山の展望地から遠望

小倉山(地理院 標準地図)

クリック(タップ)で「小倉山」周辺の地図を表示
「小倉山(オグラヤマ)(おぐらやま)」
標高296m
京都府京都市右京区

便宜上、当ウェブサイトでは桂川左岸(右京区以北)を「京都北山」、右岸(西京区以南)を「京都西山」と定義しているため、愛宕山や小倉山は「京都北山」に区分しています。

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ABOUTこの記事をかいた人

Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!