2015年(平成27年)12月24日のクリスマス・イヴ。
ご覧になった方もいらっしゃるでしょうが、京都の夜空には綺麗な月暈が現れていました。
とても遠出ができる環境にはなく、なんとか無理を通して船岡山へ足を運びます。
22時30分過ぎに船岡山を登頂し、山頂の公園広場(三角点広場)から月光が眩しい夜空を見上げると……。
月暈と星 冬のダイヤモンド
京都・船岡山から月暈と冬の夜空を望む。2015年12月24日22時37分撮影。冬のダイヤモンド。
満月も近い月齢13.1前後のお月さまに暈が。
西から速い流れの雲が迫っており、この直後には暈の一部に重なってしまいました。
もう少し雲が少なければ、月の下方に月光による環水平アークも見えた可能性があります。
急いでいたこともあり、写真は上の1枚を含めて3枚しか撮影しておらず、雲が広がった時点で諦めて下山しました。
滞在時間はせいぜい10分未満でしたが、後から思い返してみれば、せめて、夜景の1枚でも撮影しておけばよかったかもしれません。
日付が変わり、翌25日の2時頃に外に出た時には、すでに夜空は全面的に薄く曇っており、お月さまの場所も分からなくなっていました。
月の下では月暈とオリオン座が重なっており、とくにベテルギウスが左下のシリウス、プロキオンと共に冬の大三角を構成しています。
月の左、暈の外にはふたご座が、月の上、暈の外にはカペラが明るく輝いていますが、月のすぐ右のアルデバランが分かりにくいです。
ちょうど、冬を代表する星座の中央、いわゆる「冬のダイヤモンド」の中央にお月さまと月暈が位置するという、クリスマス・イヴにふさわしい? 美しくも神秘的な光景でした。
私は2011年(平成23年)11月10日(9日の夜でしたが、日付としては10日)にも船岡山から明るく目立つ月暈を眺めていますが、その夜ほど明瞭な見え方ではなかったです。
11並びの日が近かったという理由だけで、その夜のことは今でもよく覚えています。
また、上の写真は故意に暗く補正しているため、スマートフォンなどの環境では分かりにくいでしょう。
とくに珍しい現象ではありませんが、今年は船岡山から日暈も観測、撮影しています。
京都市北区 船岡山の展望・眺望
以下はおまけ。
すべて2015年11月5日7時前後に船岡山から撮影した写真です。
大峯と京都タワー
早朝の船岡山から大峯・山上ヶ岳、京都タワー、伏見桃山城を遠望する。
主な山、建築物 | 距離 | 標高 (地上高) | 山頂所在地 |
---|---|---|---|
阿弥陀ヶ森 | 90.7km | 1680m | 奈良県吉野郡天川村 奈良県吉野郡川上村 |
大普賢岳 | 92.2km | 1780.1m | 奈良県吉野郡天川村 奈良県吉野郡川上村 奈良県吉野郡上北山村 |
竜ヶ岳 | 90.3km | 1725m | 奈良県吉野郡天川村 |
山上ヶ岳 | 89.2km | 1719.4m | 奈良県吉野郡天川村 |
京都タワー | 5.9km | (131m) | 京都府京都市下京区 |
この朝は空気が澄んでおり、肉眼では遠く大峰山脈の山影が明瞭に見えていましたが、写真では分かりにくく。
上の構図の右手には稲村ヶ岳、弥山、八経ヶ岳と見えていました。
山からの展望について、私が申し上げることをすんなり受け入れてくださる方もいらっしゃれば、なかなかそうもいかない方もいらっしゃいます。
また別の日の話ですが、船岡山の上から大峰山脈を撮影していると、女性が興味深そうに近寄っていらっしゃったので、「今朝は大峰山まで見えていますよ」と申し上げたら、「常連の間でも、今まで大峰山が見えるなんて話は聞いたことがない!」と驚かれたものの、まったく疑うご様子もなく、遠くの山まで見えていることを喜んでいらっしゃいました。
その方が周りに声をかけ、「大峰山まで見えてるって!」とおっしゃると、次から次に多くの方々が集まっていらっしゃいます。
中には「船岡山から(大峰が)見えるわけがない」と否定的な方も混ざっていらっしゃいました(が、それはそれで仕方のないことでしょう)。
台高山脈の一部を遠望
京都の船岡山から台高山脈のジョウブツ山(両佛山)を遠望する。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ジョウブツ山 (両佛山) (天狗の俎石) | 81.3km | 1308.0m | 奈良県吉野郡川上村 奈良県吉野郡東吉野村 | |
両佛山 西峰 | 81.5km | 1311m | 奈良県吉野郡川上村 | 標高の値は 10mDEMによる |
嵓山 | 82.1km | 1302m | 奈良県吉野郡川上村 | 標高の値は 10mDEMによる |
白屋岳 | 79.6km | 1177.0m | 奈良県吉野郡川上村 | |
国見山 | 47.1km | 680m | 奈良県奈良市 奈良県天理市 | |
大焼山 | 26.3km | 429.2m | 京都府綴喜郡井手町 |
ごく限られた範囲、ジョウブツ山(両佛山)と白屋岳の周辺のみとはいえ、船岡山からは南山城や奈良の山の向こうに台高山脈の一部まで遠望できます。
船岡山から大峰山脈を撮影した写真は過去の記事でも何度か掲載していますが、ジョウブツ山を撮影した写真は掲載していなかった、ような気がするので、ついでに。
ジョウブツ山の左手には台高山脈最高峰である日出ヶ岳(大台ヶ原山)が所在しますが、ぎりぎりとはいえ、船岡山からは見えない可能性が高いです。
山や高所に上がらずに京都盆地の低所から日出ヶ岳を遠望するのは困難ですが、まったく不可能というわけではありません。
北嵯峨か衣笠のあたりで、かつ、建築物に遮られず南南東向きが開けている地点であれば、日出ヶ岳まで見通せる可能性があります。
大覚寺さんの大沢池から出て広沢池に向かう道すがら、有栖川に架かる橋の付近で南東向きが開けていますが、あのあたりからであれば見える、かもしれません(が、現地の環境を考慮して、自身で撮影する機会はないでしょう)。
積極的に探鳥していた頃は、そのあたりを頻繁に訪れていましたが、近年は人が多い場所で鳥さんを観察する気力が失せています。
もちろん、山を登ってよいのであれば、比叡山からでも大文字山からでも日出ヶ岳を遠望でき、いずれも過去の記事で写真を掲載しています。
京都西山・老ノ坂山地を一望
船岡山の山頂(三角点広場)から京都西山・老ノ坂山地を一望する。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 |
---|---|---|---|
小塩山 | 13.0km | 642m | 京都府京都市西京区 |
ポンポン山 (加茂勢山) | 15.8km | 678.8m | 京都府京都市西京区 大阪府高槻市 |
釈迦岳 | 15.4km | 630.8m | 大阪府三島郡島本町 京都府京都市西京区 |
向谷山 (大沢山) | 16.8km | 478.2m | 大阪府三島郡島本町 |
天王山 | 16.3km | 270m | 京都府乙訓郡大山崎町 |
夜明けに真っ青な空が広がっていました。
以前も少し申し上げましたが、船岡山から西山を眺めると、ポンポン山より小塩山のほうが目立ちますね。
11月にツツジ咲く
船岡山のツツジ(躑躅)が11月のはじめに咲いていました。
今年の11月は気温が高めの日が多く、おだやかで暖かい秋が長く続きましたが、そのことが平地の紅葉を遅らせる一因となりました。
2015年11月、12月
追記
翌年のイヴも面白い光景が……
翌、2016年(平成28年)12月24日の夜も、この年とは全く異なる、ある珍しい光景を船岡山の上から撮影することになりました。
これは史上初となる試みです。詳しくは上の記事に。
船岡山(地理院 標準地図)
「船岡山(フナオカヤマ)(ふなおかやま)」標高111.6m(111.7mから改定)(三等三角点「船岡山」)
京都府京都市北区
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