京都東山 アケボノシュスラン(曙繻子蘭)が開花

昨日、2015年(平成27年)9月11日の夕暮れ時の話。
様子見がてら、アケボノシュスランの見回りに。

アケボノシュスラン(曙繻子蘭) 花と蕾と葉 京都東山 2015年9月
京都東山のアケボノシュスラン(曙繻子蘭)。お花と蕾と葉。

いかにもアケボノシュスランが好みそうな谷筋に咲いています。
近年、観察や撮影に訪れる方が急激に増えているようで、どういった影響が出るか不安もありましたが、アケボノシュスランは繁殖力も強く、群生しやすいため、今のところは株数も安定しているようです。
今後も推移を見守りたいと思います。

青々としたアケボノシュスランの葉はつやがあり、縁は波打っています。
シュスランの呼称は、この常緑の葉を繻子織(なめらかで光沢のある織物、広義のサテン)に例えたものです。
仲間のミヤマウズラとは似ている部分もありますが、ミヤマウズラの葉は特徴的な模様が入ることが多く、お花の付き方や目立つ毛の有無も異なります。
長らく見落としていましたが、大文字山にはミヤマウズラも自生していますので、京都東山の山域にはどちらも自生しています。

砂泥のアケボノシュスラン 淡い紅色(曙色)の花 京都市 2015年9月
砂泥に埋もれるアケボノシュスラン。曙色のお花。葉に3本の筋が入る。

この山の株は淡い紅色(曙色)のお花を咲かせます。
花色は開花が進むとわずかに濃くなる印象を受けます。
山によっては真っ白なお花ですが、これは地域差によるものか、よく分かりません。

ハイキングコース上のアケボノシュスランとフユイチゴ 高台寺山国有林 2015年9月
お花を1つだけ付けたアケボノシュスラン。ハイキングコース脇。

谷の下ではなく、ハイキングコース上の株もちらほら開花していました。
コース上でも葉が目立ちますが、お花を付ける株は少ないようです。
よく見ると、フユイチゴの葉や蕾なども写っていますね。

高台寺山国有林の範囲を示す案内看板 京都一周トレイル東山コース 2015年9月
高台寺山国有林の範囲を示す案内看板。
この看板は京都一周トレイル道標「東山20」の付近に立っています。
東山山頂公園(将軍塚)、清水山(清水寺)の分岐。

円山公園、東山山頂公園、高台寺山国有林防火貯水ダムの分岐 2013年2月

円山公園から東山山頂公園ハイキング 京都タワーの改修工事

2013.02.22

アケボノシュスランは東山の山中に広く分布しますが、とくに防火貯水ダムの下が分かりやすいです。
この季節、付近のハイキングコースを歩いていれば、否応なく目にするでしょう。
繁華街や有名観光地に近い里山にラン科植物が残るケースは珍しいこともあり、これからもこの環境が維持されることを期待します。
こういった既知の自生地の保全については、府のレッドデータブックにも見えるように、「教育によってモラルを育てる以外に方法はないと思われる」のが現状です。

2015年9月
京都府京都市

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Maro@きょうのまなざし

京都市出身、京都市在住。山で寝転がりながら本を読むか妄想に耽る日々。風景、遠望、夕日、夜景などの写真を交えつつ、大文字山など近畿周辺(関西周辺)の山からの山岳展望・山座同定の話、ハイキングや夜間登山の話、山野草や花、野鳥の話、京都の桜や桃の話、歴史や文化、地理や地図、地誌や郷土史、神社仏閣の話などを語っています。リンク自由。山行記録はごく一部だけ公開!