2015年(平成27年)5月末、この日はトキソウの様子を見るため滋賀県の湿原へ。
予想どおり、今年はトキソウも早く、ちらほら咲きとはいえ、5月の末には開花していました。
トキソウの話は前回の記事に。今回は続きです。
昨年、この小規模な湿原を訪れた際、ハッチョウトンボらしき小さな赤いトンボを見掛けたため、今年も見渡してみましたが、残念ながら見当たりません。
場所にもよりますが、例年、滋賀県では5月下旬から飛び始めるため、とくに出が早そうな今年であれば、すでに出ていてもおかしくはありません。
同じ山には別の湿地もあったことを思い出し、急ぎ、そちらまで登ってみることに。
すると……、
赤く成熟した雄のハッチョウトンボ。
この湿地はハッチョウトンボの楽園で、数多くの小さな小さなトンボさんが飛び交っており、しかも、すでに成熟した赤い個体まで混ざっていました。
羽化から成熟まで約10日間ほど要するため、逆算すると、5月の中下旬には羽化していたものと推測されます。
帰宅後、インターネット上で調べてみたら、興味深い記事が。
世界最小、ハッチョウトンボ 徳島県海陽町で確認【徳島ニュース】- 徳島新聞社
海陽町指定の天然記念物で世界最小級のハッチョウトンボが羽化し、海陽町中山の町トンボ公園で飛び始めた。例年より1週間ほど早い。
https://www.topics.or.jp/articles/-/5992
徳島新聞さんの2015年5月23日付の記事には、ハッチョウトンボについて「例年より1週間ほど早い」とあり、どうやら四国でも1週間ほど出が早い様子。
今の時期のトンボやホタルを見るかぎり、どこでも同じような展開のようですね。
トンボさんが捕まっている草はニガナかハナニガナだと思いますが、違うかもしれません。
しぼんだお花の先が見えています。
環境が大きく異なるからでしょうか、丘陵に多いハラビロトンボは見当たりません。
こちらはハッチョウトンボとカワトンボの仲間ばかりで、どうやら、同じ山の中でも住み分けているようです。
ハッチョウトンボが好む環境と、畦道に咲くお花までは距離が離れており、ハッチョウトンボがハルリンドウに留まる姿は見たことがありません。
そもそも、ハッチョウトンボが出始める頃にはハルリンドウの花期は終わりに近く、併せて観察する機会そのものが少なく。
少しばかり固まって群生しているのは珍しくありませんが、何百と密集して群生するのは珍しいでしょうか。
どういう理由か、あたり一面、異常なまでに繁殖しており、文字どおり、足の踏み場、置き場もありません。
トウカイコモウセンゴケはコモウセンゴケより葉柄が細く、凹みのあるスプーン状の葉をしています。
「金銀花」とも呼ばれるスイカズラ(吸葛、吸蔓、忍冬)のお花。
未成熟な雌のハッチョウトンボとイヌツゲ(犬黄楊、犬柘植)のお花。
おなじみ、硬貨との大きさを比較する写真を撮影しましたが、豆粒か米粒のようなイヌツゲのお花も写っているため、この構図に限っては硬貨は不要かも。
ハッチョウトンボは「日本最小のトンボ(蜻蛉)」で、世界的に見ても最小の部類にあたります。
1円玉(一円硬貨)と大差ないサイズです。
雄だけではなく、雌も成熟した個体を見付けました。
滋賀県の山の上で5月に……、今年は驚くことばかりです。
なお、ハッチョウトンボと硬貨の比較写真は過去の記事にも掲載しています。
今回、訪れた山とは別の湿原や湿地で、2011年~2014年にかけて撮影した写真の一部です。
滋賀県
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