ベニバナヤマシャクヤクの様子を見がてら、この日は恒例の見回りへ。
今年は個人的に嬉しい出来事が……。
蘇ったベニバナヤマシャクヤクとガガンボカゲロウ。
数年前、環境の変化に伴い、ある山の小規模なベニバナヤマシャクヤク群生地が姿を消してしまいました。
ある程度、その環境が回復したため、今年、改めて確認してみると、なんと、以前と同じ場所で、以前と同じように展開しており、蕾も付けています。
大雨などで流出し、二度と復活しなかった場所もある中で、よくぞ蘇ってくれたものだと思います。
ピントが合っておらず、やや分かりにくいですが、つぼみは中央のやや左寄りに写っています。
この群生地に咲くベニバナヤマシャクヤクは、紅色のお花を咲かせるベニバナヤマシャクヤクではなく、白色のお花を咲かせる株です。
近年、京都府の山では白花型(白色型)のベニバナヤマシャクヤク自生地が次々と確認されており、とくに珍しいものではなくなりましたが、昔から観察していたこともあり、写真に写る場所の株には特別な思い入れがあります。
同様の構図の写真を、一昨年、昨年も掲載していますが、ベニバナヤマシャクヤクの葉には、やたらとよくガガンボカゲロウが留まっています。
なにか理由があるのか、ただ葉が広いから留まりやすいのか、そのあたりのことはよく分かりません。
同じ日に同じ山で撮影したベニバナヤマシャクヤク(紅花山芍薬)。京都北山。
こちらは紅花型(紅色型)。開花直前のつぼみ。
今年は山野草の開花が異常に早く、ベニバナヤマシャクヤクの花期も早まっています。
上の写真は少し前に撮影したもので、そろそろお花が開く頃合いでしょう。
美山の観賞地のように、標高が低い場所であればともかく、北山の山中で5月にベニバナヤマシャクヤクが花開くのは前代未聞です。
残念ながら、今年は見頃と言える時期に訪れることはできそうにないものの、つぼみを確認できただけで十分です。
改めて申し上げるまでもなく、一般的なヤマシャクヤクは花期を終え、実を作っています。
同等の環境であれば、ヤマシャクヤクとベニバナヤマシャクヤクの花期には約1ヶ月の「ずれ」が生じますが、今年はヤマシャクヤクも早く、山域によっては4月末に開花が進んでいました。
一般的なヤマシャクヤクについては上の記事に。
こちらはハイカーの間ではよく知られる自生地です。
新緑が眩しい京都北山の森林。
山中と言えども、すでに夏のような暑さです。
また別の日に別の山で撮影した写真ですが、ベニバナヤマシャクヤクの白花型(白色型)とガガンボの仲間が写っています。
ガガンボカゲロウとガガンボは別の科に属する昆虫ですが、同じような環境を好むのでしょうか。
ベニバナヤマシャクヤク(白花型、白色型)の花。
開花直後でお花が開き切っておらず、さながら和菓子のよう。
白花型(白色型)のベニバナヤマシャクヤクは、一般的なヤマシャクヤクと区別が付きにくく、今のところは興味を示す方が少ないようです。
きわめて稀ですが、白い花弁に紅色が差したり、それどころか、白いお花に混じって紅いお花が咲くこともあり、これは、深泥池の「白いカキツバタ」の花弁に紫色が差したり、紫色のお花を咲かせる株が出るのと似ています。
近年、深泥池の浮島では紫色のカキツバタが増えており、もしかすると、同様に、白いベニバナヤマシャクヤクも、やがては紅いお花に転じる例が増えるのではないか……、などと妄想しています。
先祖がえり的な現象かもしれませんが、私は専門家ではなく、ただ観察しているだけの一般人ですので、DNAレベルの観点では論じることができません。
上記はあくまでも私の個人的な考えであることをご了承ください。
追記、かつ、余談ですが、三重県では有名なベニバナヤマシャクヤク群生地も今年は展開が早く、6月の1週目には見頃を迎えていました。
2015年5月
京都府
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