今日はお昼頃から見回りがてら京都北山をハイキング。
ベニバナヤマシャクヤク(紅花山芍薬)の種子はすでに落ちていました。
ベニバナヤマシャクヤク(紅花型)(紅色型)の偽種子と紅葉。
上の写真に写る、目立つ赤いタネは本物ではなく偽物のタネです。
この偽物のタネは鳥さん相手のオトリとされており、たしかに、ある種の鳥さんは赤いタネを好む傾向にありますが、この時期まで残っているところを見ると、その役目を果たしているのか疑問です。
この場所は白花型(白色型)のベニバナヤマシャクヤクが咲く自生地でしたが、残念ながら、この夏から秋にかけて大きく環境が変わってしまったため、来年以降、再びお花を見ることができるかどうか分かりません。
自生地ごと消失したのではないかと考えていますが、あくまでも個人的見解です。
全体的な傾向として、京都北山におけるベニバナヤマシャクヤクは白花型が多いようです。
かつて、この山域で初めて白花型を見たときは、一般的なヤマシャクヤクかと思いましたが、花期が大きく異なる、花がやや小ぶりである、雌しべの柱頭が巻いている点などから、その昔、鈴鹿山脈の某山で見たのと同じ、白いベニバナヤマシャクヤクだと気が付きました。
近年、この山域のベニバナヤマシャクヤクは恐ろしい勢いで個体数を減らしています。
それも、わずか数年で、です。
もちろん、最大の原因は盗掘ですが、生育環境の変化も無関係ではないのでしょう。
環境の変化と言えば、谷にはマツカゼソウが数多く咲いていました。
昔はこの山域でマツカゼソウをあまり見掛けず、他の山域で見たときの経験から、わざわざ湿った谷間を探したこともあります。
ところが、今ではそのようなことを考えるまでもなく、山中のいたるところで見ることができます。
これには理由があり、シカ(鹿)が嫌うため、シカが増えた山ではマツカゼソウも増えるのだそうです。
日本に自生するミカン科の植物としては唯一の草本として知られていますが、枯れた葉からも強い柑橘臭がするため、ミカンの仲間であることが分かります。
そのあたりがシカが嫌う原因となっているのでしょうか。
同じく、今日、撮影した写真ですが、真ん中で目立っているシカはさておき、ヌタ(沼田)の泥地周りをよく見ると、こちらも多くのマツカゼソウが写っています。
2013年11月
京都府
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