今を去ること1ヶ月前、2014年(平成26年)11月下旬の話。この日は滋賀県近江八幡市へ。
一般的には「八幡山」と呼ばれることが多い、近江八幡を代表する山である鶴翼山を登りました。
展望資料館(山頂展望館)で催されていた、TVアニメ「ヤマノススメ」の作品パネル展に立ち寄り、東向きや北向きが開けた展望地から鈴鹿山脈や伊吹山といった滋賀県を代表する高峰を眺めていたら、あっという間に夕日の時間に。
夕日の写真や、「ヤマノススメ」パネル展の話、山名・異称についての話は上の記事に。
西向きや南向きの好展望地である八幡山城(八幡城)の「西の丸(西ノ丸)」へと急ぎますが、どうにも日没には間に合いそうにありません。
日没時、八幡山城「西の丸」跡から琵琶湖、比良山地、比叡醍醐山地を一望する。滋賀県近江八幡市。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
釈迦岳 | 18.8km | 1060.1m | 滋賀県大津市 (滋賀県高島市) | |
武奈ヶ岳 | 21.4km | 1214.2m | 滋賀県大津市 | 比良山地最高峰 |
堂満岳 (暮雪山) | 19.0km | 1057m | 滋賀県大津市 | |
烏谷山 | 19.3km | 1076.5m | 滋賀県大津市 | |
比良岳 | 19.5km | 1051m | 滋賀県大津市 | |
打見山 | 18.7km | 1108m | 滋賀県大津市 | |
蓬莱山 | 19.2km | 1173.9m | 滋賀県大津市 | |
権現山 | 19.8km | 996m | 滋賀県大津市 | |
如意ヶ岳 | 27.3km | 472m | 京都府京都市左京区 | |
逢坂山 | 26.6km | 324.7m | 滋賀県大津市 | |
音羽山 | 27.9km | 593.1m | 京都府京都市山科区 (滋賀県大津市) | |
千頭岳 | 28.7km | 600m | 京都府京都市伏見区 滋賀県大津市 |
八幡山城址の「西の丸」や「北の丸」は見晴らしの良い展望地です。
とくに、比叡山に対する眺望の面では、八幡山全域を含めても「西の丸」が最高でしょう。
ぎりぎりで日は沈んでしまいましたが、なかなかの景色です。
こうして琵琶湖の東側から眺めてみると、比良山地と比叡山は意外にも離れていることが分かります。
いわゆる「南比良」の主峰たる蓬莱山から比叡山までは16.6kmの距離があり、これは京都御苑から男山の石清水八幡宮さんまでの距離と同等、あるいは難波から万博記念公園(太陽の塔)までの距離と同等です。
松尾芭蕉の高弟(蕉門十哲)、向井去来が大津の松本で作った「初雪や四五里へだてゝひらの嶽」の俳句がありますが、大津から「ひらの嶽」(比良の岳)まで4~5里(約16~20km)と、なかなか正確な距離感といえるでしょう。
続いて、「北の丸(北ノ丸)」へ移動し、西に長命寺山の向こうに比良山地を、東に安土城址や繖山(観音寺山)を望みます。
「北の丸」跡には八幡山の三角点271.8m(点名「八幡」)が所在しますが、瑞龍寺門跡さん(村雲御所)が建つ、かつての本丸跡の標高が約280m~であり、「北の丸」は八幡山の三角点設置地点ではありますが、八幡山の最高標高地点ではありません。
武奈ヶ岳などの山々は見えるものの、やはり、比叡山や琵琶湖方面の眺めは「西の丸」のほうが開けているということを確認し、再度、「西の丸」に戻ってきました。
ちょうど黄昏時、やや霞んだ夕焼けながらも、近江八幡や野洲、近江盆地、琵琶湖の美しい夕景が眼下眼前に広がります。
日没後、八幡山城「西の丸」跡から近江盆地、琵琶湖、比叡山の夕景、夕焼けを望む。
主な山 | 距離 | 標高 | 山頂所在地 | 備考 |
---|---|---|---|---|
大比叡 (比叡山) | 24.1km | 848.1m | 滋賀県大津市 京都府京都市左京区 | 都富士 |
横高山 (釈迦ヶ岳) | 23.2km | 767m | 京都府京都市左京区 滋賀県大津市 | |
水井山 (阿弥陀ヶ峯) | 22.9km | 793.9m | 京都府京都市左京区 滋賀県大津市 | |
小野山 | 21.8km | 670m | 京都府京都市左京区 滋賀県大津市 | |
梶山 (童髯山) | 21.3km | 681.1m | 京都府京都市左京区 滋賀県大津市 | |
焼杉山 | 24.1km | 717.4m | 京都府京都市左京区 | 大原三山 |
天ヶ岳 | 25.8km | 788m | 京都府京都市左京区 | |
天狗杉 (花背山) | 27.5km | 837.0m | 京都府京都市左京区 | |
岡山 | 3.4km | 187.6m | 滋賀県近江八幡市 |
分かりにくいですが、横高山の手前には琵琶湖大橋も写っていますね。
比叡山地北端と比良山地南端の間には、京都北山の山々でも大原、花脊峠の周辺峰を望むことができます。
どこからでも確認できることでおなじみ杉ノ峠の鉄塔(花脊の鉄塔)、琵琶湖の東岸にあたる八幡山から見えていましたが、滋賀県の方にとってはあまり興味が湧かないかもしれません(→後にこの鉄塔は解体されました)。
話は変わります。
大文字山でお会いした方から、「今年も八幡山で紅葉のライトアップが行われる」と教えていただきました。
「ヤマノススメ」さんのコラボレーション企画だけではなく、もちろん、そちらの催しも楽しみとして、この日は八幡山を訪れています。
そろそろ、ライトアップの頃合いとなる時間です。
八幡山ロープウェー「ヤマノススメ」放送記念乗車券、紅葉ライトアップのパンフレット類。
11月15日から30日までの期間中、八幡山ロープウェーさんでは夜間特別営業を実施していらっしゃいました。
八幡山における紅葉のライトアップは2012年(平成24年)からですので、今年で3年目でしょうか。
特別営業を告知するパンフレットには「八幡ドルの夜景鑑賞」という洒落た文言が。
鶴翼山(八幡山)は夜景の名所でもありますが、特別営業期間を除けば、夜間は自力で歩いて山を登る必要があります。
「西の丸」から、瑞龍寺門跡さん、展望資料館、ロープウェー八幡城址駅(山頂駅)と順番に見て回りましたが、上の写真の地点のライトアップのかげんがよく。
京都ではライトアップといえば混雑ばかりで気苦労も絶えませんが、八幡山ではそうでもありません。
どちらかといえば、日没後よりも日中や夕暮れ時のほうが人が多く、にぎわっていた印象を受けました。
地元の方々にとって、八幡山は「夕日の山」なのかもしれませんね。
「八幡山ロープウェー」紅葉のライトアップと八幡ドルの夜景を観賞する。
展望資料館(八幡山山頂 展望館)の付近から撮影しています。
撮影しながら、ふと横を見ると、すぐ傍で展望資料館の職員さんらしき若い女性も夜景を眺めていらっしゃいました。
後で気付きましたが、パンフレットに掲載されている「八幡山山頂からの近江八幡の夜景」写真は、私が撮影した上の写真と街並みの構図が似ています。
南東向きが開けた地点から撮影された写真であることは疑いようがありませんが、山頂駅のホームから撮影されたのでしょうか。
それとも、山頂にあたる瑞龍寺門跡さんの見晴台から撮影されたのでしょうか。
城下町ならではの美しい街並みと琵琶湖や山々の見える風景。
近江八幡市は個人的に好きな街で、毎年のように訪れていましたが、なぜだか今年は訪れる機会に恵まれず、野洲市や竜王町の山を歩いたのみでした。
「ヤマノススメ」展や、紅葉のライトアップなど、なにかしらのきっかけがあり、今年も訪れることができてよかったです。
関連記事 八幡山の紅葉と夜景、ヤマノススメ展
すべて同日の山行記録です。併せてご覧ください。
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- 八幡山(鶴翼山)で紅葉ライトアップと八幡ドルの夜景を観賞
鶴翼山(八幡山)(地理院 標準地図)
「鶴翼山(カクヨクザン)(かくよくざん)」
別称として「八幡山(ハチマンヤマ)(はちまんやま)」
最高点(村雲御所瑞龍寺門跡) 約280m
三角点 271.8m(271.7mから改定)(三等三角点「八幡」)
滋賀県近江八幡市
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